FC2ブログ

Latest Entries

投稿TS小説第141番 Blood Line (43)(21禁)

 * * * フシン+ムリヤリ * * * * *

(――ん、へや?)
 明るい日差しが差し込む室内は少し暖かい。ベッドの上でぼんやりと周りを眺めたリサは、閉じそうになる瞼を擦りゆっくりと起き上がった。
(あっ痛ぅ……股関節が……昨日って――あ?!)
 疲労からか、媚薬でトロけた頭のせいか、昨日の事が直ぐには思い出されない。けれど次第に脳裏に蘇ってくる痴態。大きく広げさせられた足。絡みつく腕。自分から振った腰。
 大きく足を広げられたせいで、股間の筋肉が痛みを持っていた。が、リサの心に沁みていた。折角起き上がったベッドに突っ伏し、枕に顔を埋める。
(自分から、僕は自分から俊治くんに……ああっ媚薬使われてたからって、何であんな事っ?! 鹿島にしがみつくなんて……最悪だ)
 堪えきれなかったの? そんな璃紗の声が聞こえてくる。どう取り繕おうとしても、求めてしまった事実は変わらなかった。その羞恥心と汚辱がリサを苛んでいた。
(今日、どんな顔して俊治くんに逢えばいいんだろう。なんか変に思わないかな。思うよね。どうしよう)
 逢わないという選択肢があるにも関わらず、リサの頭には「逢ったら」という場面しかなかった。結局、元の自分を知っている人に会って、自己を忘れたくないという意識が働いていた。
 能力開発のない日曜日だというのに、暗澹たる気持ちに沈んでしまう。いつもなら、日曜日も鹿島におもちゃにされていたが、昨日のセックスが余程満足できたのか、ディルドゥさえも押し込まれていない。そんな滅多にない身軽な日だというのに。
 いつまでもこうしていても仕方ないと、シャワーを浴び朝食を採りに行く。食堂は長テーブルが整然と並び、食器の当たる音が室内に響いていた。
 施設での食事は、常に給食スタイルで、能力者個人々々に合わせた食事が用意されている。施設外で調理された給食はトレイに乗せられ、大型の保温ボックスに置かれている。飛行機の機内食がイメージとして近い。
 生徒・学生は授業が始まる前に食べていればいいし、それ以外の能力者は、かなり自由に時間を使って食べる者もいる。リサのように起きてから寝るまで、ほぼ管理・監視されている能力者は、この施設でも稀な存在だった。
(出遅れたかな。日曜だからいると思ってたんだけど……)
 疎らに散らばる能力者達。リサはトレイを持ちながらキョロキョロと周囲に目を配っていた。俊治がどこかにいるかも、という期待で。しかし、その姿は無かった。俊治の能力レベルとリサではかなり開きがある。俊治は覚醒直後で、その能力も微弱だった。その為、所内での生活は、普通の高校生と同じなのだ。方やリサは、その段違いの能力から殆ど周囲から隔離されている。勉強する時間くらいはあるけれど、所内で「普通の」能力者のように集団で勉強している訳でもない。だから、必然的に俊治と食堂で逢うという事はできなかった。
(いないか。遊びにって言っても、部屋、知らないんだよな、僕)
 リサは溜息混じりで、フォークでブロッコリーをころころと転がしていた。

 カーテンの隙間から日の光が射し込む。けれど俊治の心は明かりを消した薄暗い部屋と同じように暗かった。暗い、というよりどす黒く変色していると言った方が正解か。
 ベッドに仰向けになり、右手の拳をぐっと天井に向け差し出す。何かを押しやるように。痣になっているけれど、部屋の暗さでそれは見えなかった。
 立ち上がり、家から持って来たバッグの中をごそごそと探りガムテープを取り出し、それをベッドの上に投げた。
(まだ、早いな)
 時間を確認すると、そのまま洗面台へ行き顔を洗った。鏡に映る俊治の顔はいつもの明るさはなく、心がそのまま表にでているように暗い。そして再びベッドに仰向けになっていた。

 そわそわと研究所施設を歩き回ったけれど、俊治の姿は見えなかった。もう半日以上リサはそうしていた。
 途中、普段なら話しをする相手も見かけた。けれど、鹿島が意図的か否かは解らないけれど、リミッターが最大にセットされているらしく、全く能力が使えない。だから相手に『声』を使えないのだ。
 そんな状況なら俊治と逢っても同じ事なのだろうが、リサはそこまで考えていなかった。
(……いないな。何か疲れた。部屋戻ろ)
 溜息を吐きながらリサは部屋へと戻っていた。
 ベッドに腰掛けて今日の行動を思い起こしていた。
(なんだか、恋人を待ってるみたいだな。と言うことは、俊治くんが彼で僕が……! や、ちょっと待て! 僕は男だろ、俊治くんだって男じゃないか。おかしいって――)
 不意にある考えが過ぎっていた。女の身体で女として犯され、頭の中身まで女性化してるのではないか、と。そこには自分が自分で無くなる恐怖以外の何者も存在しなかった。
(違うっ! 僕がそうしたかったからじゃない! 高野がっ鹿島が悪いんだ! 僕は、僕は絶対男なんだからっ!)
 自らの考えを頭から追い出そうと、以前図書室から借り出した医学書を読み始めていた。

 ふと、物音で目が覚めた。時間を持て余しベッドで静かに読書していた筈が、いつの間にか寝ていたようだった。きょろきょろすると、窓の外は既に暗かったが、時計はまだ夕方だと行っている。
 耳を澄ますともう一度音が聞こえてきた。ドアをノックする音。
 立ち上がりドアを開くと、そこに俊治が来ていた。
「やあ。暇?」
 自然と笑顔がほころんでしまう。それを取り繕って慌てて俊治の袖を掴み、中へ引き入れた。
「ちょっと話しがしたかったからさ」
 立ったまま、これまでと同じように微笑み話す俊治に、リサは真理に貰ったボードを取り出し、筆談し始めた。

【リミッター全開みたい。声が作れないから。これでゴメンね】
 ボードを覗き込んだ俊治が頷く。
【立ってないでこっち座って。昨日は大丈夫だった? 飲み物取ってくる】
 ベッドを指し示し、リサは踵を返して冷蔵庫へと歩いていく。その後ろ姿を見る俊治の表情が一変したのには気づかなかった。
「昨日? まぁ、結構痛かったけど。それより俺さぁ、あの後道に迷っちゃってさ」
 かちゃかちゃとコップが触れあう音。リサは聞こえているのだろうが、返事はなかった。俊治は持ってきた布製のガムテープをゆっくり引き出し、数十センチの長さで切って後ろ手に隠した。
「そんで、そこで見た事が頭から離れなくなっちゃってさ。リサちゃんもそういうことってあるだろ」
 トレイを持ったリサが不思議そうな顔で現れた。
(? 何の話しだろ?)
【そういう事もあるけど。何を見たの?】
 自分が性欲に狂う場面を見られたとは思いもしないリサは、トレイを机に置くとボードを使って尋ねてみた。俊治はずっと立ったまま、リサの顔を見つめるだけで答えようとしない。
「あ、そうだ。今日はリサちゃんにプレゼントがあったんだ。これがメインの用事なのに忘れてたよ。両手出して、目を瞑って貰えるかな?」
 俊治に何の不信も抱いていないリサは、頷きそれに素直に従って手を差し出していた。
「――昨日はさ、変な部屋があったから開けてみたんだよ。そしたら、リサちゃん、中に誰がいたと思う?」
 早口でそれだけ言うと、俊治は用意していたガムテープでリサの肘から手首までをぐるぐる巻きにしてしまった。
(え? 僕と鹿島が――あっ、何? これ、何で?)
 リサが気づいた時には既に遅かった。目を見開き固定されてしまった腕と俊治の顔を交互に見るばかり。
(俊治くん! 何で――これ取ってよ!)
 大声で抗議したくてもできない。そのもどかしさに、辛うじて開く事ができる手で俊治に掴みかかろうとした。
「なんと、リサちゃんがいたんです、裸で、あのデカイのの下になって、腰を振ってる」
(! み見られてたっ?! なんで? 鍵締めて無かったの?)
 血の気が引いていく音が耳に聞こえてくるように感じ、俊治との距離が一気に遠くなったように思えた。呆然と見つめる俊治の表情が暗く歪んで行く。
「……最近のボディガード兼監視者ってのは、セックスの相手もすんのかよ」
 苦々しく話す俊治に、リサはふるふると力無く首を振った。
(違うっ、違う。あいつとシタイからじゃなくって、僕は、犯されたんだから。いつだってムリヤリなんだよ?! コレ取って! 説明するからっ!)
 空しく喉を素通りする空気は言葉にならず、リサの言いたい事を伝えてくれない。口だけは、言葉の形に動くけれど、俊治に読唇術が使える筈も無かった。そして、筆談しようにもガムテープで固定された腕は、ボードを取る事も出来ない。

<つづきはこちら>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://okashi.blog6.fc2.com/tb.php/3518-78a77c23

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

DMMさんの宣伝

 

初めての人はこちら

ts_novel.jpg

 

性の揺らぎに関する作品でお勧めのもの

ts_syouhin_20090318225626.jpg

 

性の揺らぎに関する作品(一般)

ts_syouhinもと

 

ブログ内検索

 

最近のコメント

プロフィール

あむぁい

  • Author:あむぁい
  • 男の子が女の子に変身してひどい目にあっちゃうような小説を作ってます。イラストはパートナーの巴ちゃん画のオレの変身前後の姿。リンクフリーです。本ブログに掲載されている文章・画像のうち著作物であるものに関しては、無断転載禁止です。わたし自身が著作者または著作権者である部分については、4000文字あたり10000円で掲載を許可しますが、著作者表記などはきちんと行ってください。もちろん、法的に正しい引用や私的複製に関しては無許可かつ無料でOKです。適当におだてれば無料掲載も可能です。
    二次著作は禁止しません。改変やアレンジ、パロディもご自由に。連絡欲しいですし、投稿希望ですけど。

 

全記事表示リンク

ブロとも申請フォーム

月別アーカイブ

 

最近の記事

 

ブロとも一覧


■ ブログ名:M物語(TSF小説)

 

カテゴリー

新メールフォーム

イラスト企画ご案内

20080810semini.jpg

 

リンク

RSSフィード

2020-08