fc2ブログ

Latest Entries

投稿TS小説第141番 Blood Line (64)(21禁)

* * * 覚醒 * * * * *

(真理、さん? 真理さんが……あああああああっうわああああああああああああああ!)
 目の前で打ち抜かれた真理の姿に、一瞬何が起こったのか解らなかった。昨日も貴子が目の前で血を流して死んでいった。今日もまた、大事な人の命が奪われていった。リサを強制的に男から女へ換え、陵辱の限りをつくし人間の尊厳などお構いなしな高野の手で。それもこれまでで最も深く心を寄せていた真理の命が。
 能力が使えたとしても助けられなかったかも知れない。しかしおめおめと指を銜えて見ているような、手も足も出せないと言うことは無かった筈だと感じ、リサは自責の念と高野への憎悪で感情が一気に爆発した。

 全身に溜まった能力の黒い渦。それが身体の内側から外側へ出ようと暴れまくる。それがリサに激しい痛みを与えていた。静かに髪を掻きむしりながら転げ回る様子に、周囲の男達も驚き声も上げずにそれを見ているしか無かった。
(ぐぅうあああっ、無くなれっ消えちゃええええ!)
 不意にリサの身体は苦痛から開放されていた。掻き乱した髪を持つ手の中に小さな装置が握られていたけれど、周囲の人間には解らない。蹲ったリサに、さっきまでリサを後ろから犯していた佐久間が側にやってきた。
「なんだ突然狂いやがって――う、ぎゃああああ!」
 リサの銀髪を掴み、顔を上げさせた佐久間が叫び声を上げていた。掴んだ右腕の肘を基点として一瞬の内に捻ってしまった。何が起こったのかも解らず、ただ佐久間の叫び声だけしか聞こえなかった他の面々は、不思議そうな顔でその姿を見ていた。しかし、ぶちぶちと筋が切れる音と、佐久間の止まない叫びに、井原が異変を悟った。
「垣内っ渡辺っ0106を拘束しろ! 所長はこちらへっ」
 高野以外の男は全員が裸だ。それは武器が手近に無いという事と、急所が容易に解る事を意味していた。リサは情け容赦なく佐久間と垣内と渡辺の股間を捻り潰す。それは鹿島にしたような若干の遠慮もなく、擦り潰すように。悶絶して動かなくなった三人を後目にリサはドアの外に消えた高野を追う。
 西岡と時田が散らばった衣服から銃を取りリサに向ける。しかし、トリガーを引く筈の指をイメージしただけで引き千切ってしまった。室内に二人の叫びが少し響いたが、それも直ぐに止んでしまった。
 憎悪に燃えたリサの能力は、それまで以上に強く、そしてその能力を自身の手の中でコントロールしていた。
 ただコントロールと言っても無意識で手足を動かすようには行かなかった。意識的に、この道具をこう使う、そんな風に自分の中で考える作業が必要だった。
 たった一日、しかし長い一日を過ごした部屋からよたよたと出ると、廊下の先に二十代前半で茶髪、というより金髪に近い髪の女、0085号と、背の低い女が佇んでいた。
「すごいよね、流石に。でも我々はもっとすごいけど」
 ニヤニヤと笑いながらも、0085号の目つきが変わる。その途端にリサの表情が険しくなった。胸を押さえ膝をつく。
(引きつる? 貧血? あっやばい)
 目の前の能力者が自分の心臓を止めようとしている、そのイメージがあった。目を凝らせば、黒い霧のような物が背の高い女の頭の後ろから出てリサの胸の中に入り込んでいる。断ち切ろうと手で払っても効果は全くない。リサは止まりそうになっている筈の自分の心臓を動かしつつ、相手の心臓を「掴む」イメージをした。
「効果ないよ。あたしが守ってるから」
 背の低い方の女が口を開く。二人一組でいるのは、能力者といえども集中できる範囲に限界があるからだ。確かに二つの事を同時に行う事も可能だが、双方の能力が安定しないのだ。能力を分散させる事で最大出力も落ちてしまう。その為高野は実験データを元にペアを組ませる事で攻撃と防御を両立させようとしていた。
 ただ、例外もいた。0124号は特異な存在で同時にいくつかの能力を最大出力を落とさず使う事ができる。だからこそ、暗殺部隊の長としていた。そして、例外は一人だけではない。
 青い顔で座り込んだリサは、下腹に溜まった渦を大きな手としてイメージした。
「なっ? なに?! ぎゃあああ?!」
 0116号の右腕が雑巾を絞ったように捻られ指先から血が流れ出した。筋肉も筋も血管も、更にはとう骨や尺骨もぐちゃぐちゃになった痛みに、0116号の神経は耐えきれずその場で意識を失った。その瞬間、0085号の心臓を守る能力も消えていた。
「ひっぐ?! あ……」
 小さな悲鳴を残して倒れた0085号を目にして、楽になった胸をさすりながらリサは大きく深呼吸した。今のリサには生きている安堵はあっても、人を殺したという意識は殆どと言って良いほど無い。それは自分の手を使わず能力を使って、しかも目に見えない部位を破壊した事も起因しているし、リサがまだ、死という物をよく理解していない事もあった。どちらかと言えば、他人の腕を捻ったり、睾丸を擦り潰したりした方が「痛そう」だと思えてしまう程度だ。
 それでも、相手は自分を殺そうと向かってくるし、島民や間接的には真理さえも殺した人間なのだ。憎む事はあっても同情など必要もない、そんな風にも考えていた。だからのそのそと倒れている二人に近づいた時、(ああ、腕じゃなくて首を捻っちゃえば良かったんだ)と新たな方法を考えてもいた。
「う、…………あ……て、めぇ」
 0116号の意識が戻っても、リサは冷たい興奮の中、冷徹に相手の心臓をパンクさせていた。
(高野は……どこだ? もっと、よく見え……る)

 最初、錯覚だと思ったけれど、それは誤りだと気付くのに時間はかからなかった。見たいと思う程に、リサの視線は建物の構造を通り越し、高野の姿を捕らえていた。どこにいるのかという事は解らない。ただ高野が真っ白な空間にいる姿とその方向が解るだけだ。そして瞬きすると、その姿も消え去り死体の転がった廊下が見えた。
 殺せ殺せと頭の中で響いている。その言葉に従って壁に凭れながらリサは動き出した。

(まさかリミッターを外してしまうとは……以前より能力が?  もしかしたらこいつでも止められないかも知れん)
 井原に連れられ屋外へ飛び出した高野は、彼にハンカチを手渡した0124号を見た。能力値としてはリサと大差無い筈の0124号は戦闘の為の能力使用も訓練している。リサに負ける要素は無い。しかしそれでもと高野は思う。
(……最悪のシナリオも考えておく必要があるな)
 見上げる建物の中に、メガネを掛けた0093号や0035号が音もなく走っている姿が窓から見えた。

「さっきから0116の声が聞こえない……」
 大人しそうな印象を受ける0093号はメガネの奥の瞳を曇らせていた。その隣で、少し体格のよい0035号が鋭い視線で周囲を観察している。リサと真理がレイプされていた場所へ続く廊下は一本だけだ。それ程大きな建物ではない。0087号、リサが先行する二人を倒したならば、いずれ出くわす事になる。ただ、0035号も00093号も、その可能性は低いと思っていた。小さな体格だと言っても、0116号の能力は0124号に次ぐ。本来ならサブリーダーとなれるだけの素材だったが、生来の短気さが判断能力を落としていた。だから0085号がサブリーダーに抜擢されたのだ。その0085号にしても、実力なら0116号にひけを取らない。つまり0124号を別とすれば、あの二人の能力は他を圧倒していた。
 二人を分ける能力はもう一つあった。それが「テレパス」だった。ただ、テレパス能力を持つ能力者は限られていて、七人の中でも0116号と0093号しかいない。
「ケンカでもしてるんでしょ。あの二人が負けるなんて考えられないじゃない?」
 二人が不仲なのは周知の事実だ。カッとなればテレパスの交信などしない可能性も否定出来ない。漠然とした不安の中にいる0093号とは違い、0035号は呑気だった。緊張はしているけれど、これが「命のやりとりをしている」という思いには至っていない。それが隙になった。

<つづきはこちら>





無料アクセス解析

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://okashi.blog6.fc2.com/tb.php/3904-19750dac

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

FANZAさんの宣伝

 

初めての人はこちら

ts_novel.jpg

 

性の揺らぎに関する作品でお勧めのもの

ts_syouhin_20090318225626.jpg

 

性の揺らぎに関する作品(一般)

ts_syouhinもと

 

FANZA専売品コーナー

ブログ内検索

 

最近のコメント

プロフィール

あむぁい

  • Author:あむぁい
  • 男の子が女の子に変身してひどい目にあっちゃうような小説を作ってます。イラストはパートナーの巴ちゃん画のオレの変身前後の姿。リンクフリーです。本ブログに掲載されている文章・画像のうち著作物であるものに関しては、無断転載禁止です。わたし自身が著作者または著作権者である部分については、4000文字あたり10000円で掲載を許可しますが、著作者表記などはきちんと行ってください。もちろん、法的に正しい引用や私的複製に関しては無許可かつ無料でOKです。適当におだてれば無料掲載も可能です。
    二次著作は禁止しません。改変やアレンジ、パロディもご自由に。連絡欲しいですし、投稿希望ですけど。

 

全記事表示リンク

月別アーカイブ

 

最近の記事

 

カテゴリー

新メールフォーム

イラスト企画ご案内

20080810semini.jpg

 

リンク

RSSフィード

2024-02