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投稿TS小説第141番 Blood Line (72)(21禁)

 マガジンが空になり銃撃が鳴りやんだ。その隙にリサは自分の身体の元へ一気にテレポートした。武石とその後ろにいた先生達の間に。
「捕まえろ!」
「こっちにいるぞ」
「どけぇ!」
 各々の感情そのままに行動する先生達に紛れ、SPがリサの髪や腕を掴む。それに構わずリサは武石がマガジンを替える手を掴み、相手の意識の中へ集中した。リサの中に大量の想いが流れ込んでくる。
 真っ黒な中に銀色の長い髪を持った少女がいた。丁度貴子位の年齢だろうか。その娘に次々と手が伸びて来てその身体をまさぐっていく。その気持の悪い感触がリサにも伝わっていく。嫌がる少女にお構いなしの手は様々な器具を持って嬲る。そして四肢をベッドに固定され頭にはヘルメットのような装置を据えられつつ全裸にされた。
(これは……璃紗さんの過去?)
 銀の髪と異様に白い身体に紅い瞳。疑いようがなかった。尚も流れ込む情景は、まるでリサも体験しているような気分になり胸が悪くなりそうだ。全裸にされた少女に、大人の男が覆い被さっていく。次に何が起こるのか、リサが考えるまでもなかった。自分の手首程もありそうなペニスが、全く潤っていない少女の中にねじ込まれて行く。リサと璃紗の同調した思考は、リサに自分が体験している感覚をもたらしていた。
 そんな場面が少女から大人の女性になるまで、何度も続いていく。「能力開発」という名の下に。「実験動物」「穴」と蔑まされ人としての尊厳さえ与えられなかった璃紗の人生。「なぜあたしが?」そう問う少女の声は、やがて能力者である自分を呪う言葉になり、ついにはそれを利用しようとする人間と能力者それ自体の存在への呪詛になっていた。
「人の心を覗くなああっ!」
 喧噪の中、少年の声が響く。憎悪に燃える過去の自分の瞳が、今の己を捕らえていた。目の前の自分は璃紗だった。それが解ったと言うのにリサは驚喜することも出来ず、SPや数人の先生達に引き離された。
「だから嫌なんだっ、デリカシーの欠片もない、実験動物のクセにっ! 能力者なんて消えて無くなれっ!」
 装填を終え銃口を向けた。至近距離でマズルフラッシュが煌めく。その瞬間、リサは再度テレポートした。めくらめっぽうの銃撃はSPも先生も薙ぎ倒した。
「気でも狂ったか、皆川!」
突然の凶行に驚いた大塚が叫びながら近づく。しかし璃紗の指はトリガーから離れず、自分を中心に弧を描くように撃ち続けた。270度も回ると丁度元の位置に戻ったリサが正面にいた。璃紗の周囲には死屍累々と倒れ伏し、大塚もその中にいた。
『璃紗さん、僕が解らないの?!』
「……その姿が嫌い。ちょっと違うだけなのに、なんでこんなに苦しまなくちゃいけないんだよ。高野がいなくなれば、能力者がいなくなれば、あんたがいなくなれば、新しい人生が拓けるの!」
 お互いの境遇を憂い、気に掛けてくれた優しい璃紗の面影はそこに無かった。今あるのは、全ての憎しみと殺意を自分に向けている「武石幹彦」しか見えない。
 執拗に銃弾がリサを狙う。狭い室内では身を隠そうとしてもその隙間は無かった。リサは狼狽えながら右へ左へと辛うじて銃弾を避けていく。これまでのようにトリガーを引く指を切ったり折ったりすれば攻撃は止むだろう。けれど、それをすれば璃紗の憎悪は益々大きくなるだけだ。
 二進も三進も行かなくなったリサは地上へ跳ぼうとした。
「ぅぐっ」
 璃紗の撃つ銃とは違う銃声が一つ聞こえ、呻き声が上がった。机から顔を覗かせると璃紗が右肩から血を流し背後を振り返っていた。
『璃紗さんっ』
 立ち上がり近づくリサの声には答えず、璃紗は右手から落とした銃をPKで拾い上げ、左手で構えた。視線の先には、失血の為に顔面蒼白の菊永が震える手で拳銃を構えていた。しかしその目は既に璃紗を見ていない。
「……お前達、三人の目的は、我々を」
 言葉を紡ぐ菊永に銃弾の雨を降らせる璃紗。脳漿が飛び散りぐちゃぐちゃになった菊永の頭部がリサの目に入り、思わず嘔吐しそうになった。それを必死に押し止めた。璃紗の方はと言えば肩で息をしながら口を開いた。
「高野なんかと一緒にするな。……あたしはお前なんかとも違うんだ」
 ティーンエイジャーの身体では、3kg程度の銃器でも重く感じるのだろう。璃紗の向けた銃口はゆらゆらと右に左に揺れていた。
『僕も、僕だって、高野にはいろんな事をされたよ。璃紗さんが経験した事も……どれだけ嫌だったか解るよ。だから』
「ああっもうっ! それが嫌なのっ。ちょっと見えたからって解ったような事言わないでよ! 声が出せない身体なのに話せる。他人の知られたくない事まで解っちゃう。普通じゃないのよ。あたしもあんたもっ。こんな事望んでないのに、普通でいたいのに! 大体なに? 嫌だったら死ねばいいじゃない! そんなにあたしの身体が気に入った?」
 痛む筈の右手で髪を掻き、血走った目の璃紗が叫んだ。二人は円を描くように右に移動していく。いつの間にか璃紗の背後に扉が来ていた。
『違うよ、僕は……』
 俯くリサに、璃紗の背後で音もなく開くドアの存在は解らなかった。人影が扉越しに手を翳した。
「能力者はみんな消えて無、?!」
 突然もんどり打って倒れ込んだ璃紗と、倒れたのを確認し室内に入る男が視線を上げたリサに見えた。
「みんないなくなってはこっちが困るんだよ、0087」
(高野?!)
 大型の拳銃のような物を携えた高野が、厳しい表情をしながらズカズカと入ってきた。リサが身構えると高野が制止するように左手を上げた。
「これが見えるかな、0106。テーザーガンと言ってね、このワイヤーから電撃を相手に与えるんだ」
 びくびくと声も無く痙攣している璃紗を見ればリサにもどれだけの物か理解できた。しかしワイヤーを切ってしまえば問題無い筈と意識を集中させる。が。
「おっと、まだ説明は終わってないぞ。一般のテーザーは動きを封じるだけなんだが、これは殺せるんだよ」
『でも、ワイヤー切ったら使えないぞ』
 睨むリサにも高野は動揺した様子は無かった。テーザーだけが唯一対抗できるだろう武器の筈だと言うのに。
「君には解らないだろうが、この私が作ったテーザーは、ワイヤーが切れたり私の手から銃が離れたりしたら対象を殺せるだけの電流が流れる仕組みにしてあってね。……何ならトライしてみるかね?」
 様々な機器を見てきたリサには、高野の言う事が嘘だとは思えなかった。苦しむ璃紗の事を思うと、憎い敵を目の前にしても手が出せなくなっていた。唇を噛み締め、ただ睨むしかない。
「理解が早くて良かったよ。全く、二人には苦労させられた。こいつには殺されかけるは、君には折角出来上がった能力者の暗殺部隊を壊滅させられるは」
 璃紗の腹を蹴り上げ、冷ややかな目で苦しむ様を見ると、高野はつかつかとリサの目の前に歩み寄った。
「本当なら二人とも消してやりたい所だ……が、ゲームをして私に勝てたら二人とも助けてやろう。おっと、その前に」
『ゲーム? あ、痛っ』
 高野が徐にポケットから取り出したインジェクションをリサの右耳に突き立てた。鋭い痛みが一瞬生じ目を閉じた。罵詈雑言を浴びせようとしたが、【声】が作れない事に気付き、リサは高野の左手に握られているインジェクションを見た。それは、これまで何度か使われたリミッターを埋め込む為の機器だった。政府施設に進入でき、兵士でさえ手玉に取る事が出来るまでに成長したリサの能力は、ここに来て全く無力化されてしまった。そして璃紗という人質までも取られていた。

 見上げると悪意に満ちた高野の顔があった。リサの背筋に冷たい物が流れていく。
「これを飲みなさい。拒否したらどうなるか解っているだろう」
 ちらりと高野の目が横に動く。釣られるようにリサの視界に入ったのは璃紗の姿だった。力的にも抗う事は出来ないのは当然だったが、璃紗を死なせない為にも言う通りにしなくてはならかった。
 白いタブレットを受け取ると、リサはコクリと飲み込んだ。高野がにやりと笑う。
「本来なら私がするような事じゃないんだが……たまには味わってみるのも一興だろう。ゲームというのはこうだ。私がイクまで0106がイかなければ0087は助けてやる。簡単だろう?」
 リサの上体を机の上に伏せさせパンツに手を掛ける。リサは抗う素振りは見せなかったが代わりに指さした。
(僕じゃなくて璃紗さんを。璃紗さんを助けて)
 何度も示す指先には璃紗の姿があった。振り向きながら高野に目でも訴えかける。それを理解したのか高野がとぼけた表情を見せた。
「ほぉ、自己犠牲の精神か。大したものだな。流石に血は水より濃いって事か。まぁそれもいいだろう」
 呆気ないほど簡単に了承した高野にリサは多少拍子抜けしていた。今にも殺しそうな勢いだったと言うのに。そして同時に疑問が沸いてもいた。血は水より濃い。どういう意味なのかと思いを巡らそうとした時、自らの身体の異変を感じていた。
(あ、なん、身体が、熱い?)
 じわじわと全身が火照り、心臓が大きく鼓動し始める。それと同時にじわっと股間から愛液が滲み出る感覚があった。
(あっン)
 高野が一気にパンツを足首まで引き下ろすと、腿に室内の空気が当たった。たったそれだけだと言うのに、ローションでも塗った手が撫でているような錯覚に陥ってしまう。思わず後ろを見ると高野はリサに触れてもいない。
(なんで、こんな……さっきの薬は……)
「大分いい表情になってきたな。あのタブレットは性感を極限まで高めてくれる。開発された身体なら尚更だ。肌に触れられただけでも感じる筈だ。どうだ?」
(はああっ、ひぃぃくぅ)
 ショーツを片手でまさぐりながら降ろす動作が、堪らない快感をリサに与えていた。ちょっとずつ降ろされるショーツのクロッチにねっとりした液体が付着し、糸を引く。膝まで降ろされる頃には、リサの白い肌は桜色に紅潮し、肩で息をしていた。
「うん、十分感じているようじゃないか。……陰核も小陰唇は充血して外にでているし、淫水は垂れ流し状態だな。私は触れてもいないのに」
(息が……ああ、いやだぁ、見られてるだけなのにぃ)
 リサの全身を支配する小さな愉悦が、憎い高野に息の掛かる距離で見られていると言うだけで徐々に強く、大きくなっていく。心のどこかで決定的な出来事を期待している自分がいる事に愕然としながらも、意識は次第に愉悦の波に飲み込まれていった。
 ジッパーを下げる音がし、そして衣擦れの音が聞こえた。

<つづきはこちら>

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