fc2ブログ

Latest Entries

投稿TS小説 最悪の理想の薬(3) by.DEKOI

イラスト:KAZU-T

俺が思わず大声で怒鳴ったのは、とても単純な理由からだ。
両腕をいっぱいに広げたよりも更に2倍くらいは大きな衣装棚の中には、沢山の服が入っていた。
問題はそれらはパッと見ても分かる位に「女物」だらけだったのだ。

少年


これがまた異様に取り揃えが良くて。
普通の「女性物」の服も、落ち着いた白いワンピースとか薄桃色のきわどいワンピースとか色々あったり。
他には女子中、高校生が着るような紺色の制服なんて物がある。2個あるけどどっちもブレザーだよな?何だか微妙に2つの形が違う気がするが。
他には分かるだけでも、チャイナドレス、看護婦服、レースクイーン、スチュワーデスの制服、巫女さんの服に教会のシスターの服。
極めつけはア○バでよく見るメイド服だろうか。何なんだよ、この妙に偏った取り揃えは。

嫌な予感がして扉の下にある引き棚を開けてみる。
・・・やっぱりだ。
思ったとおりに下着が入っていた。ただ男物のシャツでなくて、女物のブラジャーなのだが。
更に下の段を開けると、今度はショーツが。白いのが多い気がするけど、黒いのとかベージュのとかピンクのとかが所々に見えるのが気になり過ぎるな。
ちなみに一番下の段には、靴下系だった。ニーズソックスから網タイツまで選り取りみどり。もちろん女物のみだ。

「何を考えているんだ!幾らなんでもこんな物・・・」
『隣の棚には男物がはいってますが?』
「・・・あれ?」

またもや肩透かし、の如き台詞を喰らって目が点になる俺。
よくよく見なくてもいま覗いている衣装棚の隣にもう1つ、同じ大きさの衣装棚がある事に今さらながら気がついた。
開けてみると、「管理人」の言うとおりに男物の服や下着が入っていた。
やれやれ、脅かしやがる。
俺は安堵のため息をつくと、棚から厚めの服を取り出して着てみた。
・・・計ったかのように妙にピッタリなのが気になるが。


しかし何故、女物の服が同じ部屋にあるのか?
その理由に俺が気づくのは、この部屋での生活が少し経ってからだった。


俺は服を着ると、部屋の中を見渡した。もちろんこの部屋から脱出する為だ。
部屋の大きさは小学校の教室の半分ぐらいだな。
窓1つ無く、明かりは天井にいくつか設置されている蛍光灯の電灯のみ。
ちなみに天井までは、俺の身長のはるか高みにあった。どの位かと言うと、走ってからジャンプしても全くとどかないくらい。

部屋の中央には俺が寝かされていたベットがある。
ちなみに掛け布団がなく、マットのみ。
そのすぐ側に大きめの棚に乗った薄型テレビがあった。
とりあえず点けてみたが、画面に表示されたのは白と黒のノイズのみ。チャンネルを変えてみたが同様だった。
地デジどころか、アンテナとすら接続してないのか。
テレビの下の棚には某黒いテレビ用ゲーム機が1台と、それに対応したソフトが40本近く入っていた。
ジャンルは俺が好きなアクション物から、1回もやった事がないボーイズ・ラブを含めたノベル形式の物まで幅広い。
ゲーム機にはメモリーもしっかり刺さっているし、セーブも出来る。
とりあえず暇つぶしにはなりそうだ。まあ、予定ではすぐにでも逃げ出す予定だが。

更に部屋の中を探ってみた。
まず洋式トイレが1つ。
それも別部屋に区切られていなく、部屋の片隅にそのまま置いてある。
誰かがいたら用をたしているのが丸見えだ。
ちなみにうウォシュレット式。洗浄とビデと乾燥は完備。

次にバスタブが1つ。大きさは俺が足を延ばして入るには十分な大きさだ。
6つの容器があり、それぞれにマジックぺンでシャンプーとリンスとボディーシャンプーと書いてある。
持ち上げてみると結構重い。1人ならば2ヶ月近くは十分に使える量だろう。
蛇足だが、壁に固定式のシャワーの蛇口がある。勿論バスタブにお湯を張る為の蛇口もついていた。

バスタブの隣には洗濯機が1つ。全自動式だ。その上には乾燥機が設置されている。
洗濯機の蓋の上にはタオルが山積みされている。

更に洗濯機の隣には洗面台があった。
あと歯ブラシが何本かとコップが1つに、歯磨き粉が2本。洗顔フォームが1つ。
奇妙な事に、何故かは分からないが顔を洗う洗剤と歯を磨く道具があるにも関わらず、顔を写すための「鏡」は近くには無かった。

他には・・・実は家具らしいのはこれしかなかったりする。


そしてこの部屋の最大の特徴は目の前にある、この部屋のドアだ。
いや、「ドアだった物」というべき物だろうか。
何故ならドアとしての機能を完全に失っている、つまり完全に塞がれているからだ。
まずドアノブはおろか、ドアに手をかける箇所がない。
次にドアは鉄製なのだが、動かせる全ての箇所が高温のバーナーで溶かした様になっており、接合部が全てくっついていた。
とりあえず蹴ったり殴ったり体当たりしたりしてみたが、ビクともしない。

俺の心の中に失望と諦めが生まれつつある事を認識しつつも、更にこの部屋の調査を続ける。
部屋の天井に2つ、そして床の片隅に4つの合計6つの通風孔がある事が分かった。
ただ大きさは床のは手のひらサイズの為、入り込むのは無理だった。
天井の通風孔はそこそこの大きさに見えたが、どうしても届かない処にあった。
まず天井にはジャンプしても届かないのは実証済み。
ベットの上からジャンプしてもやっぱり届かなかった。ちなみにテレビの上には不安定の為に乗れず、トイレはベットよりも低い場所にあったので論外。
ベットを動かして、と思ったが当然の如く想定してあったらしく、ベットの脚は床と溶接済み。
衣装棚に乗っていけないかと思って試してみた。が、悪戦苦闘の末に何とか乗れたが通風孔までは手を延ばしても2m以上は離れていた。

他に壁に長方形型に妙な切れ込みがあったりしたが、爪を引っかける隙間すらない。
例えそこに穴が開いたとしても、潜りこむ事は無理な大きさではあるのだが。

これらの事から分かるのはただ1つ。
この部屋から脱出するのは現時点では不可能って事だった。


ふとある事が気になり、ゲーム機を起動してみた。
・・・思ったとおりだ。内蔵してある時計は「2000/01/01 00:00:00」を指しており、未設定状態になっている。
試しに適当な時間で時刻設定をしてみたが、どういう細工をしたのか分からないが設定できなかった。
部屋の壁を見渡したが時計はかかっていない。更に言うなら、カレンダーもかかっていない。

「おい、今は何日の何時だよ?」
『日時に関する情報を渡す事は禁じられています。よって言えません。』

一応の確認はとってみたが、やはりと言うべきか。「管理人」は今が何時何分なのかを教えてくれなかった。
TVは見れない。時計もなければカレンダーもない。無論ラジオもない。窓もないから今が昼なのか夜なのかも分からない。
携帯は勿論、備え付きの電話らしき物もない。
おまけに壁はコンクリート製で、指で傷をつけるのは難しく、傷や印をつけるのような道具も見当たらない。

つまり自分が今どこにいるのか分からないどころか、今が幾日の何時なのかすら分からない状況になっている事を意味していた。
俺は外部から完全に隔離されてしまったのだ。


<つづく>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://okashi.blog6.fc2.com/tb.php/4792-0a4befd0

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

FANZAさんの宣伝

 

初めての人はこちら

ts_novel.jpg

 

性の揺らぎに関する作品でお勧めのもの

ts_syouhin_20090318225626.jpg

 

性の揺らぎに関する作品(一般)

ts_syouhinもと

 

FANZA専売品コーナー

ブログ内検索

 

最近のコメント

プロフィール

あむぁい

  • Author:あむぁい
  • 男の子が女の子に変身してひどい目にあっちゃうような小説を作ってます。イラストはパートナーの巴ちゃん画のオレの変身前後の姿。リンクフリーです。本ブログに掲載されている文章・画像のうち著作物であるものに関しては、無断転載禁止です。わたし自身が著作者または著作権者である部分については、4000文字あたり10000円で掲載を許可しますが、著作者表記などはきちんと行ってください。もちろん、法的に正しい引用や私的複製に関しては無許可かつ無料でOKです。適当におだてれば無料掲載も可能です。
    二次著作は禁止しません。改変やアレンジ、パロディもご自由に。連絡欲しいですし、投稿希望ですけど。

 

全記事表示リンク

月別アーカイブ

 

最近の記事

 

カテゴリー

新メールフォーム

イラスト企画ご案内

20080810semini.jpg

 

リンク

RSSフィード

2024-02