FC2ブログ

Latest Entries

TS2ページ漫画100連発の3 おやくそく対戦 悪魔子ルージュ 原作:猫野丸太丸 漫画:キリセ

原作:猫野丸太丸 漫画:キリセ


ri-jyu1.jpg

ri-jyu2.jpg


 あー、きめたきめた、決心した。高見沢潮太郎(たかみざわ しおたろう)の十四年の人生にかけてもうぜったいに、許してやらないってんだ。

 潮太郎の家は3LDKの一戸だて、ママお手製のリースかざりがうるさい玄関をかけぬけ、せまい階段を二階へのぼった。騒音の苦情がこないように妹の部屋の前をしのび足でとおりすぎ、奥の自分の部屋に入ると鍵をかけてほっとひと息つく。
 直後にさっきまでの怒りを思いだし、通学かばんを勉強机にたたきつけた。顔の眼鏡がずれた。直してから、もう一度机をたたくまねを、静かにやる。

 いくら心のひろい僕だってがまんするにもほどがある。命ごいしたってもう手おくれ、かんにんぶくろの緒がきれたんだ!

 潮太郎はふりかえって部屋のおし入れを開いた。ここ数年整理されていなくて、かびくさい場所だ。上段にいっぱいに詰まった毛布と衣装ケース、置くだけの乾燥剤を取りのけると、奥のすみから小さなダンボール箱があらわれた。宅配便ならSサイズ、ゆうパックなら60サイズの立方体の箱。じつはこれ、「秘密のアイテム」であった。

 べつに特別な方法で手に入れたものではない。年に一回の家族旅行のとき、テレビのチャンネルが四つしかない田舎の温泉旅館がたいくつだったのでぶらり散歩に出かけたら、みやげもの屋のたなにこの商品を見つけたのだった。ながらく買う人もいなかったのだろう、うっすらとほこりをかぶっていたのがかえってほんものらしい雰囲気を出していた。
 千円札と引きかえに商品をもらったとき、みやげもの屋のオヤジにこう言われたっけ。
「ほんものだから、ほんとうに使いたいときにだけ使うんですよ」
 言葉を信じたからか信じなかったからかはわからないが、潮太郎はいままでそいつを使ったことはなかった。

 今日の今日こそはやらなければならない。潮太郎はていねいにガムテープをはがし、ダンボール箱を開いた。まず黄褐色の織りものが見えたのでつかみ出す。下にはぼんやりとくもった玉が入っていた。すき間には銀色のろうそく立てと、ろうそくも詰めこまれている。いちばん底にはぺらぺらの取りあつかい説明書。印刷された文字にいわく、
「悪魔召喚セット――マジデノロイマス――」
 インチキくさい品であった。

 しかしいまこそ潮太郎は召喚セットを使っちゃうのだ。いきなりで悪いけど本気で、人を呪うつもりだからだ!
「被告、二年三組のゲジゴリラ! 判決、死刑!」
 説明書を開くと図入りでていねいに人の呪いかたが書いてある。
 潮太郎は魔法陣のがらを表にして織りものを広げ、方角を合わせてろうそくを立てた。まんなかに水晶玉を置けばそれなりの見た目にはなるのだ。
 なめらかな表面にろうそくの炎が幾重にも映って、おどろおどろしい雰囲気だ。
 その前で、説明書を教科書のように両手に持って呪文をとなえた。
「恨み晴らさで置くべきか、マニ、アガメムノン、オガメムノン、イスピラテア、オピ!」
 怨念をこめて、天井を見あげる。
「呪われろぉっ!」
 ……天井には、消えた蛍光灯からゴムひもがぶらぶらとたれ下がっていた。ろうそくからにおってくるのはお彼岸みたいな線香のにおいだ。
 なにも、反応はなかった。

「悪魔が召喚……できるわけないかぁ」
 潮太郎は肩を落とした。織りものにえがかれた魔法陣にも、水晶玉にもなにも変化はない。ろうそくがひとりでに消えると、窓からの夕日にてらされて部屋はすっかり和風な色に染まってしまった。

 こんなことなら、やるんじゃなかったかもしれない。
 日ごろたまったうっぷんを潮太郎は悪魔召喚セットで晴らしていた。ゲジゴリラやその取りまきにいじめられるたびに、
「いつか悪魔を召喚して、呪ってやる、かもしれないよ?」
と思うことで憎しみをごまかしていたのだ。ほんとうに悪魔が召喚できる必要はない、むしろ実際に使ってしまって「これがただのみやげものであること」に気づいてしまえば、召喚セットの霊験は消えてしまうのであった。
 まぁ、にくしみやうらみを物にこめてそらす、それこそが「呪いの依童(よりわら)」の使いかたであり、呪いのアイテムの正しいありかたなのであるが、呪う当人にそんなことが分かるはずがない。
 あしたからまたいじめられる日々が続くだろう。それもしかたがない。無力だから。
「さて、と」
 妹に見つからないうちにかたづけなきゃ。潮太郎は水晶玉をつかもうとした。
 水晶玉が透けて手がつきぬけた。
「え……、ごふっ」
 顔面に衝撃をうけ、潮太郎は前にたおれた。


 …………。
 自分はなにをしてたんだろうか。潮太郎はうつらうつらしながら考えた。顔がなんだかねばねばする。こすってみたら手のひらにべったりと赤いものがついた。
「うあ痛っ」
 毛の生えぎわに切りきずができている。頭の皮が割れて、けっこうな血が出てしまったようだ……。
 彼はあおむけに寝ていた。なんでこんなことになったのだろう。ずきずきするおでこを押さえながら起きあがり、部屋を見まわした。
 おかしなものに気がついた。

 召喚セットがあったはずのところに人がうつぶせでたおれている。潮太郎とおなじ中学の制服を着ていて、髪のぼさぼさぐあいも似たようなかんじだ。顔の下から血のしみがひろがっているのは、この人もなにかに頭をぶつけたんだろうか。
 そのほかには部屋に変化はない。窓も閉まっているし、扉も鍵がかかっている。ただ、水晶玉が消えて中学生が倒れている。「でも……、まさか」
 部屋に見知らぬ少年がいる。潮太郎が気絶しているあいだに入ってきたのかもしれないが、他人をかってに家にあげるほど高見沢家は無用心ではない。
 もしかして悪魔召喚に成功したのかもしれない。こいつは中学の制服を着ているけど。

 悪魔かもしれないその少年を、潮太郎は見つめた。動かないので、つま先で頭をつついてみようとした。
「……ん?」
 伸ばそうとした自分の足がなぜか黒い靴下をはいていなかった。そのまま見あげていくと、学生ズボンのはずの足が、ズボンをはいていない。
 生足で、股間が黒いレオタードにつつまれている。
 レオタードは光沢のある黒に桃色のアクセントが入ったものだった。さらに見上げると、おなかのところが大きく開いて、かわいいおへそが見えている。潮太郎が息をのむとおなかはきゅっとへっこんだ。
 潮太郎の手はレオタードの胸にのびた。自分の両胸が持ちあがっている。それもパッドなどではなく、皮膚のしたに筋肉でも脂肪でもない硬いものがある。指で押すとつんつん痛い。
「……パッド入ってる?」
 潮太郎が知るはずもないが、不正解。それは発達途上の乳腺である。

 最後に潮太郎は思いきってカーペットの上で両脚を開いてみた。レオタードの股間はのっぺりしていて、かるくもりあがっている。なんていうか、あれじゃなくてなにかべつの形になっている気がする。
 そしてお尻の下からは黒いネクタイのようなものが生えているのであった。ネクタイの先は細くなり、はじっこが矢印型になっている。潮太郎が先端に意識を集中すると、黒い矢印は持ちあがって、コブラの頭のようにこちらにむかってゆらゆら、ゆれた。
「悪魔のしっぽじゃんっ」
 漫画で見るようなベタなかたちだが、悪魔のしっぽだと考えるのが妥当だろう。しかもかざりではない、生きたしっぽだ。
 潮太郎はしっぽの先を指でつついてみた。
「ひゃうんっ」
 敏感な感覚が、潮太郎のおしりから脳天までつきぬけた。

 つまり、僕は悪魔、なのか?
 なんで悪魔を召喚したのに、僕自身が悪魔なの?

 なぞを解明する手がかりは目の前にあった。うつぶせに気絶していた少年がようやく起きあがったのである。少年は正座して顔の眼鏡をはずし、まるで猫みたいに手の甲で、血のついたほほをこすった。
 少年は潮太郎本人のすがたをしていた。顔も背丈も学生服も、ついさっきまでの自分そのものである。なんで自分がいるのか。
 潮太郎(本人のほう)はさけんだ。
「動かないで! 現場検証しまーす!」
 かわいいソプラノの声が、部屋いっぱいにひびいた。

 解説しよう。「現場検証」・「裁判」・「判決」は、潮太郎のきめゼリフである。探偵もののゲームソフトにはまってからというもの、事件が起こったらかっこよくセリフを言うのが潮太郎の夢であった。もちろん現実にはつごうのよい事件などなく、ちょっとしたことで「現場検証!」と言おうとしてはクラスの連中に「うるさい」と言われるのがオチだったのだが。
 しかし、いま事件は起こった。密室! 頭をなぐられたふたりの中学生! 流血! ひとりは悪魔っぽい外見(自分)!? もうひとりは自分っぽい外見(だれ)!? 部屋のまんなかにはあやしい魔法陣(これも自分が置いた)!?
 どことなく自作自演くさいけれど、これだけそろえばりっぱにオカルティックな事件なのであった。しかもさっき「現場検証」と言ったときの声が新人の婦警さんみたいで最高にかわいくてさまになっていた。
 いままでのなかでいちばんよかったよな……ムフフ。
 潮太郎はしのび笑いをした。小声でもういちど「けんしょう」と言うと、潮太郎のかっこうのだれかがすごい目つきでにらんできた。潮太郎は眼鏡をひろってわたしてやる。
 そいつはすなおに眼鏡をかけて、言った。
「あのぅ、なにがどうなっているんでしょ」
「うん、だいたいのところは分かったよ」

 潮太郎はせきばらいをした。
「まず、君のプロフィールから。僕が推理したところ、君はなんと『悪魔』だね」
「はいです」
 そいつはあっさりと肯定した。ちょっと鼻にぬけた声でしゃべる。
「『なんと悪魔』じゃなくて、悪魔尋常中学校に在籍中の悪魔。名前はルージュですぅ」
「よろしい。ということは、僕は悪魔召喚に成功していたわけだ」
「はぁ、そのようです」
 悪魔がうなずく。潮太郎のせすじにびびっと歓喜がはしった。
 いや、自分で言ったことだけどおどろいたよ! これは快挙だよ! だめもとでやった悪魔召喚が成功だよ! これでゲジゴリラを呪えれば、すべては万々歳なんだよ!?

 とはいえ、いまは推理を聞かせてやるほうが先だ。潮太郎はにやにやしながら、少女の声で言った。
「君のたおれていた位置、そう、そこはもともと僕が座っていた場所で、ぎゃくに君はこの魔法陣から飛び出してきたんだと思う。僕らの頭を流血させた凶器は――、血痕から考えるに、魔法陣から飛びだしてきた君と、僕の頭どうしがぶつかったと考えるのがいいだろうな」
 潮太郎は悪魔をひっぱった。正座で足がしびれたのかよろよろしている、その悪魔を魔法陣の前にかがみこませ、さらにその下に自分がもぐりこんでみる。
「僕がのぞきこんだところに君がこの位置から湧いてきて。ほら、頭がぶつかるだろ。傷の位置もぴったりだ」
「はぁ」
 悪魔は潮太郎の手を押しかえした。
「ほんとにそうみたい……です。説明書には『危険なので魔法陣をのぞきこまないこと』って書いてあるのに、のぞきこんだ召喚者はバカですか、アホですか」
「う……。ま、それはともかく。ふたりは頭をぶつけて気絶。気がついたら僕は悪魔のかっこうをしていて、悪魔のはずの君が僕のかっこうをしている。これはつまり」
「もったいぶらずにはやく言えですぅ」
「はいはい。僕たちは頭をぶつけて、魂が入れかわっちゃったんだよ」
 Q.E.D。事件解決。潮太郎はうんうん、とうなずいた。

「とういわけで悪魔くん、まずは体をもとにもどしてくれないかね」
 沈黙が流れた。悪魔はまた顔をこすっている。潮太郎はなにかまずいことを言ったのだろうかと思った。
「あのー、だから、体をもどしてくださいよ」
「はぁ、なに言ってやがるのですかー」
 悪魔のルージュはすっくと立ちあがって言った。
「あたしが召喚者の願いごと以外のことをするわけないでしょ。体が入れかわるなんてそれってなんの魔術ですか、あたし聞いたことがないですぅ。おまえこそさっさと体を返しやがりなさい」
「そ、そんな」
「悪魔界のアイドルルージュちゃんから体をうばうなんて。なにが目的だぁ、人間」
 ルージュがつかみかかってきた。両手で潮太郎のほほをつかんでぐいぐいとひっぱってくる。ああ、痛いけどよくわかる、この子のほっぺた、ぷにぷにだなぁ。
「あ、このひと、エッチなこと考えてますぅ。カラダかー、カラダそのものが目的だったですかぁ」
「待って、待ってよ! 考えを読むなら全部読んでよ! 人間の僕に魂の入れかえなんてできるはずないじゃないか!」
「それじゃこれは、どうしたからですか」
「偶然の事故だと、思う」
 ルージュは手をはなした。あごに指を当てて首をかしげているのだが、見た目が潮太郎なのであんまりかわいくない。
「あ、あの……」
「ふざけるなだー」
 急に腕をふりまわしてルージュがさけんだ。
「どうせ世界征服レベルのでっかい呪いも持っていなさそうな中学生だったから、きがるにちゃちゃちゃっとおしごとをすませて、終わったらおうちに帰ってテレビゲームでもしようかなって思ってたのに、なんてことするですかー。こんな格好じゃ、お家に入れてもらえないです」
「ずいぶんアットホームな悪魔だね」
「そのうえ男の子の体だなんて。フケツです、美しくないです、ケダモノですぅ」
 ルージュが潮太郎の顔をにらみつける。潮太郎はにらまれるのが苦手なので、とりあえず目をそらす。
「でもさ、悪魔なんだから。魂を取ったりつけたりするのはとくいでしょ? 君がやりかたを知らなくても、君のお父さんか先生かにたずねればもとにもどす方法を知ってるんじゃないの」
「そんなのんびりしてられない! 一分一秒でも、あんたの体なんかたえられないです! だいたいさっきからくさいと思ったら、なんてきたない服を着てるんですかぁ」
「しかたないだろ、制服なんて週に一度も洗えないんだから……。ちょっと、ルージュ、なにしてるの?」
 潮太郎が見ている前で、ルージュは学生服をぬぎはじめた。詰めえりをぬぎ捨て、ズボンをぬぎ捨て、下着すがたになる。
「うわ、下着も汗くっさい……。ひにぎゃっ、パンツが黄色くシミになってますぅ」

 止めようとする潮太郎の顔にパンツが投げつけられた。あっというまにルージュはまるはだかだ。床にちらばった服をひろいながら、潮太郎は言う。
「ねえ、それじゃカゼひくよ。僕の体でカゼひかないでよ」
「……」
 ルージュは答えない。じっと、下を見ている。なにを見ているのかと思ったら、男の子の体の――、股間を見つめていた。
「やっぱ、おちんちん……、ついてるんだ」
「いや、僕もいちおう男ですから」
「きもちわるい。取っちゃえ」

 ぶちっ。

 ルージュはおちんちんを根もとから引きちぎったのだった。ぽい、となげ捨てると、小さな物体は放物線をえがいてゴミ箱のなかへと落ちる。ちぎったあとの股間はつるつるのっぺらぼうだ。
 ルージュはさっぱりとした顔で笑った。えぐいっ。潮太郎は両手から衣服を取りおとした。
「な、な、な。僕の体になんてことをー!」
「さぁ」
 いらないからってちんちんをちぎるなんて、どんな乱暴だ! 猟奇だ! たしかに悪魔だ! というか、トイレに行くのが困るじゃないか!

 しかしルージュは動じていなかった。まだやることがあるのか、にこにこしながら近づいてくる。
「ちょっと、あたしのしっぽ使わせてくださいね」
 ルージュは潮太郎の股のあいだに手を伸ばし、悪魔のしっぽをにぎった。またもや、えもいわれぬ感覚が潮太郎を襲う。潮太郎が棒立ちになっているあいだに、ルージュはしっぽの先を自分の股間にはさんだ。
「ふにゃ」
「しっぽがないと、魔法が使えないんですぅ。よーし」
 ルージュは前屈して、両手を自分の足首にそえた。そのまま手をひらひらさせて、体をなぞっていく。
「しぇーいぷ、あーーっぷ!」

 しっぽを股間にはさまれているので、潮太郎は身うごきが取れない。そのためにすぐ目の前で、ルージュの体――もとの潮太郎自身の体――の変化を見ることになった。

 まず変わったのは足だ。甲高だった足の骨が見えなくなり、つめがグロスを塗ったみたいにきらきら光った。すねに生えはじめていた毛が一掃され、ももの肉もどことなくふっくらと変わった。
 こし骨の形は横へと広がった。やせた胸はしばらくもぞもぞしていたが、いきなり左右がぼんっぼんっっとふくらんだ。
 顔についていた血は完全に消えた。あごのかどが取れ、全体的にまるい印象になる。
 そしてなにより変わったのが、髪型だった。
 長さは変わらないけど、もつれがぜんぶ消えてさらりと両側に流れた。もみあげは完全に髪にかくれた……、もみあげの形ひとつですごく印象が変わるのだ。
 これは男の髪型じゃなくて、ショートカットだ……。女の子の。

 いや! 潮太郎にとってはそれもどうでもいいかもしれない! なぜならしっぽをはさんでいるルージュの股間があやしい変化をはじめているからであり、潮太郎の敏感なしっぽは、悪魔のしっぽはその感触をめちゃめちゃリアルに伝えていたからである!
 なにもついていなかった股間が目の前でふにふにと動いて、女の子の形を取っていく。
 われて、すいついて、しめって……。
 ……われて、すいついて、しめって……、なめくじ!?

 潮太郎のしっぽがぽとりと落ちたとき、目の前にはすっかり女の子になった「もと自分」の体があった。ルージュはアルトの女声で言った。
「うんっ。もとのあたしとは美しさの点でちょおっと負けるけど、だいたいオッケーなすがたになれましたですぅ」
「……もとより胸がでかくないですか」
「そういうことはわかってても言わないのがエチケットですぅ」
 ルージュはむっとして、胸のまえで腕をくんだ。腕におされて乳房がまぁるい山になり、あいだに谷間ができた。
 潮太郎は精神肉体両方のダメージのせいで腰をぬかしている。床にすわった目線からは、自分の体が女の子になった部分がよく見えるのだ。
 ルージュの秘術が優れていたせいか、男の体にむりやり乳をくっつけたみたいな不自然さがない。ちょっとぽっこりめのおなかのうえにバストがあって、そのうえに健康的な鎖骨が見える。
 顔もすっかり女顔になっていた。眼鏡の奥の瞳はきらきらしててやさしそうだ……。
 そもそも! 全身からピンク色のオーラが出ていて、あまーいにおいがする、
「……これが、僕?」
「いちおう、そうですね」
 潮太郎はおもわず股間をおさえた。だけどいまは潮太郎自身も女の子になっているのだった。潮太郎は肩を落とした。
「いったいなんでこんなことに」
「はぁ、なに言ってますかー」
 ルージュはまるはだかのまま、潮太郎の首につかみかかってきた。
「こんなめんどーくさいことになったのも、召喚のしかたをまちがえたあんたのせいなんですからー」
「ほわぁ、しっぽふまないで、僕の体で、わき乳押しつけないでぇっ!」

 なんでだ。悪魔を召喚したのに。あいつを呪ってやるつもりだったのに。
 どうして僕が悪魔のすがたになって、僕の体はうばわれて、そのうえ僕の体を女の子にされちゃったんだ?
 これが悪魔を呼んだことの代償ですか?
 神さま、助けてくださいーーっ!

 へやの扉がひらいて、とつぜん第三者の声がした。
「はい、そこまで」
 ふたりがふりむくと、妹のくるみがこっちを見ていた。

 潮太郎が唖然としていると、くるみはひとさし指を立てて
「ち、ち、ちっ」
と言った。
 悪魔のかっこうをした顔が血だらけの少女と、女体化したすっぱだかの兄貴がとっくみあいをしている現場に出くわしたにしては、落ちついた目線だった。

第一話以外も一応掲載権はもらったけど、取り合えず今は猫野さんとこでどうぞ

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://okashi.blog6.fc2.com/tb.php/5869-a7bb76ab

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

DMMさんの宣伝

 

初めての人はこちら

ts_novel.jpg

 

性の揺らぎに関する作品でお勧めのもの

ts_syouhin_20090318225626.jpg

 

性の揺らぎに関する作品(一般)

ts_syouhinもと

 

ブログ内検索

 

最近のコメント

プロフィール

あむぁい

  • Author:あむぁい
  • 男の子が女の子に変身してひどい目にあっちゃうような小説を作ってます。イラストはパートナーの巴ちゃん画のオレの変身前後の姿。リンクフリーです。本ブログに掲載されている文章・画像のうち著作物であるものに関しては、無断転載禁止です。わたし自身が著作者または著作権者である部分については、4000文字あたり10000円で掲載を許可しますが、著作者表記などはきちんと行ってください。もちろん、法的に正しい引用や私的複製に関しては無許可かつ無料でOKです。適当におだてれば無料掲載も可能です。
    二次著作は禁止しません。改変やアレンジ、パロディもご自由に。連絡欲しいですし、投稿希望ですけど。

 

全記事表示リンク

ブロとも申請フォーム

月別アーカイブ

 

最近の記事

 

ブロとも一覧


■ ブログ名:M物語(TSF小説)

 

カテゴリー

新メールフォーム

イラスト企画ご案内

20080810semini.jpg

 

リンク

RSSフィード

2020-09