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投稿TS小説 ドッペルゲンガーの悪夢(5) 作.黒い枕

―――――ムカつく、ああ、なんて腹立たしいんだ。

ちょっと苛め過ぎて元『黒崎 直輝』君を壊しすぎて、どうしようかなと、
考えてきた時にナイス・タイミングに来てくれた可愛い少女。
『黒崎 直輝』の幼馴染であるのと同時に恋人である『周防 紅美』ちゃん。
うん、ボク視点からの印象でも本当に可愛い子だ。長年さまよってきたボクが知っている中でも上玉。
綺麗な黒髪のロングヘヤーを靡かせて怒ってる姿からイメージ出来るのは……そう、良く言えば子供のような無邪気さ。 活発で太陽のような女の子といった所かな。
――――ボクが作った『黒崎 直美』とはまた違った女の魅力を持ち合わせた娘。

だけども、冷静なようで実は頭はふつふつと浮かび上がっている醜い感情で埋め尽くされる。
“よく来れた”と、感心する気持ちと”やっぱり来てしまった〟と、悲しむ気持ち。
ほどよく混ざり奇妙なバランスを保つボクの心
――――――――ボクは存在を自由に操れる。存在を操ると言うことは対象の姿形はおろか内面をも“ある程度”操作できるし、周りの人間に元々、そう言うモノであったと思わせること可能。
だから、『黒崎 直美』と言う異端者が突如として出てきても誰も気にしないし、この廊下だってボクたち二人以外は来てはいけない『禁止』された場所として設定しておいた………筈だったが、にも関わらず彼女はボクたちの目の前にいる。

――――――それだけ、この少女は『黒崎 直輝』と言う存在と通じあっている絆があると言うことか……。
相思相愛の仲って奴か。元『黒崎 直輝』クンの方を見れば通常の女性よりも1,5倍に感度を上げただけで情けなく泣き崩れたのに、この子と出会えただけで幾分かの生気が戻ってくる。
羨ましい限りだ。 まったく羨ましい限りだよ。
まぁ、そんな“存在〟だったからこそボクは『黒崎 直輝』を選んだんだけども………。だけども、こんなにも、
あっけなく破られたってことは期間はおよそ一ヶ月……………いや、二週間ちょっと、ぐらい。
せめて三ヶ月は欲しかったけど、まあ良い。
どの道、ボクは負け犬、かませ犬さ。 愚かな道化者でしかないモノ。
元より制限があったのは知っていたから冷静に次の遊戯について考えられる。
それに―――――――――――――――――――――――――――――――
パチン。 音と共に倒れる彼女、さっきまで痛々しいほどまで絶望していたのに反射的に倒れ行く少女の名を叫びながら駆け付ける『黒崎 直美』。 ああ、いい表情だ、ゾクゾクしてくる。

――――――――――――――思いあう心が強靭であればあるほど、この憎しみを突き刺せる。
そんじゃあ、短い期間ながらよろしく。元『黒崎 直輝』くん――――――――そして『周防 紅美』さん。
ボクは湧き上がる快感とともに笑いながら二人を凝視し、『黒崎 直輝』と言う役を続ける。
終わりが来るまで……………。


「おい、紅美! しっかりしろ!」
窮地の『俺』を助けてくれるヒーローのごとく現われた紅美。
あの声、あの姿が、どれだけ助けになっただろう。 思えば『俺』はこう、有無言わさず周りのムードを晴れ一色にしていくコイツの強引さが多少鬱陶しくはあったものの、それ以上に大好きだった。
その性格も含めて『俺』はいつしか紅美に恋愛対象として惹かれてしまったのだ。 今だってそうだった。
自分のことを俺だと分かってなくてもいい。 例え自分のことを気が付いてくれなくても、そこに存在しているだけでも自分自身の心が、晴れていくのが五感を通してリアルに感じられた。
けれども彼女が、どれだけ『俺』を救ってくれたか理解してくれる日は来ないだろう。
……………猪突猛進の上、鈍感な性格だからなぁ――。
そんな紅美が糸を切ったマリオネットのように突如として床に伏せる。
未だ、前にいた憎い奴を跳ね除けて走り出す。
揺れる巨乳のボリューム感、ふっくらとなった臀部の揺れ、弱弱しくなった手足、細さを極めたウエスト、その全ての異常すぎる感覚が俺の精神に浸食してくるが、そんなことがどうでもいいように目標に向かう。
------―――――――転ばずに行けたことが軌跡だった。
揺り動かすが起きない。 言葉を掛けても、眠り姫のように眠り続ける。
暖かく何の異常も見えないから、ただ意識がないだけかもしれないが、―――――――――――

「安心しなよ。 ただ眠らせただけだから…………」
「テメェ―――!! ……………あっ!」

正真正銘の化け物がいるから、安心できない。
案の定、紅美が昏倒しているのはコイツのせいだった。 今までの敗北の記憶と本能が逆らうなと、絶叫するが生憎と剥れる心が体を我武者らに挑むことを選択する。 無謀な行為だったが、今度ばかりは身体の動かし方が上手くいかなかったらしい。
巨乳が 備わったことにより、普段の数倍の遠心力によって、ただでさえほっそりとしてしまい頼り無くなってしまった両足の筋肉では支えきれずに横転。 一回転して床へとダイブ。

「ッツ―――――――っ!!」

打ち つけられる衝撃に苦痛が体に生まれる。
以前よりも、痛みを感じやすくなった気がするが、これも女になってしまった為なのか。

「全く、落ち着きがないなぁ。 それに気が付かない?」
「――――――? な、何を……………っ」
「キミ今、自分のことちゃんと『黒崎 直輝』って認識やイメージが出来るようになっただろっ?」
「あっ、―――――――!」

指摘されて漸く、気付いた俺も紅美のことを鈍感などと言えない。
今まで俺を苦しめていた心に掛かっていた重圧が嘘のようになくなっていた。 普通に自分を自分として認識できるし、俺を俺と思える。 おそらく紅美を横たえた時に俺に掛かっていた抑圧を消したのだろう。
だが、何故か分からない。 散々苦しめておいた上に紅美すらも巻き込んだ奴が今更ながら見逃してくれるわけがないが、じゃあ理由は何なんだ。

「お前…………今度は何を企んでるんだ……っ」
「ふふふ、やっと気付いた鈍いキミには急に悪いけど………いや、悪いとは思っていないけど、兎に角たった今から、自分自身で『黒崎 直美』を演じて欲しいんだ」
「はぁ? お前、何を……っ?!」
「だから、ボクが強制して『黒崎 直美』であるんじゃなくて自ら『黒崎 直美』になって欲しいんだ。
――――――――簡単でしょ?」
「―――――――――――――――――っ」

<つづく>

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