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投稿TS小説 変貌の百合姫-シェリーの甘い企み続編-(5) by.りゅうのみや <18禁>

ジュン ポタポタポタ

蝋燭プレイは大きく分けて二通りある。
一つは蝋燭を溶かすものの、しばらく冷ましておいてから体に振りかける、
いわゆる装飾的な用い方。
もちろんそれなりに熱いもののSM入門として広く用いられている。
もう一つは溶かした蝋燭をそのまま体に振りかける方法がある。
これは文字通り灼熱地獄を肌で感じるハードプレイで、
それだけに肌がミミズ腫れに腫れ上がる恐れのある危険極まりないプレイともいえる。
シェリーがしているのは後者であった。
しかもSM用の『ある程度』身の安全が保障された蝋燭ではなく、
一般用の温度に保証がされていない蝋燭だった。
「ひぎぃ! あぐぅ……。ご主人……様、なかなかいい責め方じゃないの。
でもそれだけで私を満足できると思ったら大間違いよ!」
「やせ我慢はやめなさい、あなたはとっくに限界を超えているわ。
それでも壊れることを望むのであれば、
私は責めの手を止めるわけにはいかないわ!」
「そんなことありませんわ……、この哀れで下賤な雌豚に、
その真っ赤な蝋燭で私の体を美しく彩りなさい!
だって私はご主人様の性欲のはけ口としてぶちまけられることを想像して、
この淫魔界にまで付いて来たのですから!」
(ああ、そっか、そうだったんだ。
だから私はわざと相手を挑発させているのね)
「わかったわ、あなたって本当に私好みのイヤらしい奴隷ね。
でもね、あなたを酷い扱いをすることでしか性的な要求を満足できないの!
私のためにこの蝋燭によってよがり狂いなさい!」

今の私は胸に真っ赤な蝋燭が、局部は絶えず鞭の責め苦を負っている。
しかし想像を絶する快楽地獄を経験するものの、
不思議とその快楽に流されることは決してなかった。
むしろ意識がはっきりしていて、冷静にご主人様を客観視することができる。
そのせいか逆にどのようにすれば相手を
自分のペースに乗せることができるか理解できる。
いくら調律のためとはいえ、
冷静さを失っていない時のご主人様であれば、
調教ではなく拷問そのものの責めを私に負わせることはしないであろう。
しかし私の挑発によって、冷静さを失っているのは
明らかにご主人様であるシェリーであった。
もはやシェリーは私の掌の上で踊らされている人形にすぎなかった。
『快楽のためなら相手を利用してまで得ようとする』、
それが私だけが身に付けたサキュバスとしての特性だった。
しかしシェリーの性技ではこれ以上の責めをしたところで、
私を壊すどころか、イカすこともできないのは目に見えて明らかだった。

「もういいんじゃない? ご主人様に私を壊すことなどできない。
私はようやくこのサキュバスの力を自分のものにできたわ」
「はぁ…はぁ…、そうね、私の思っていた通りあなたは淫魔界の女王。
その実力はまさに底無しと言ったところかしら……」
そう言い終えると同時にシェリーは地面に倒れた。
「シェリー? シェリーーーー!」

私はびっくりしてシェリーに駆け寄ろうとした。
しかし全身をしっかりと拘束しているため身動きがとれなかった。
「こんのぉ、こんな甘い締め方でぇ、
私を本当の意味で封じ込めることなどできないわ!」
『ふん』と力を加えるとチェーンであるにもかかわらず、拘束は脆く崩れ去った。
「シェリー、しっかりして、シェリー!」
そう言いながら私はシェリーの唇を奪い、舌を絡まらせた。
サキュバスは接吻をすることで自分の性を分け与えることができる。
これは狩りに失敗して、性を吸い取ることが
できなかったサキュバスを救う類希な特性であった。
そのため、今まで数を減らしつつも今日に至るまで、
サキュバスは生存し続けている。
私は桁外れた能力を持ち、それもサキュバスに
生まれ変わったばかりだから、性は満ち溢れていた。

ゆっくりとシェリーの目が開いてゆく。
「ん……、涼…ちゃん? そう、拘束を解いたのね…」
「まったく、自分に鞭打ってまで調律に励まなくてもいいのにぃ!
鞭打っていい人は、私だけじゃないの!」
「くすくす、まさか涼ちゃんが私に代って
センスのいい洒落を言うなんて思わなかったわ」
「あれー、その言い方だとシェリーが普段言うギャグは、
センスが良いという意味になっちゃうわよ」
「失礼しちゃう、あのギャグセンスは時代を先取りしているのよ」
そう言って二人で声をあげて笑った。
うん、性を十分に受け取ったシェリーは、もう大丈夫そうだった。
これから私には大きな試練と任務が待ち構えていることだろう。
安全に性を奪う方法、淫魔界をまとめあげること、
そしてもののけ界との外交だってしなければならない。
これら全てを果たすことができなければ、淫魔界に未来はない。
しかし今の私は、シェリーのその明るさに触れることが何よりの励みであった。

三日後…
「ようこそおいでいただきました。
あなたのような方を長きに渡って心待ちにしておりました」
私は今、こうしてシェリーの同伴のもとで淫魔界の中枢本部にいる。
そしてここは淫魔界の女王の間、
つまり目の前の女性は淫魔界のトップの座に立つ者である。
「本来ならあなたの境遇や生い立ちについて
個人的に興味があるのですが、今はそうする余裕がありません。
何しろ知っての通り、この淫魔界は少なくとも
二つの大きな問題を抱えているからです」
「安全に性を奪うための方策と、もののけ界との外交ですよね?」
「その通りです。いずれもののけ界にもあなたの存在が知れ渡ることになり、
千年前と同じように暗殺される恐れが高いと思います」
「それで、女王様はどうすればいいと考えているのでしょうか?」
「今すぐにでも私の座を担って頂ければ、
護衛隊や軍を好きなように配備できると思います」
確かに敵対関係であるもののけが私の存在を邪魔と感じ、
消しに来ることは十分考えられる。
そのため、国を挙げてのバックアップは何よりも頼りになるだろう。
しかし…、

「残念ですが、それは得策ではないと思います」
「なぜ…でしょうか?」
「私は元人間の男性でした。
もしかしたら私の存在に賛同されない方がいるかもしれません。
女王様はサキュバスとしての才能は申し上げにくいのですが、
それほど高いわけではないことを知っています」
「ちょっと涼ちゃん、目の前の人に向かって失礼じゃないの!」
「続けて頂いて構いません、それくらいで
憤りを宿していては女王として務まりません」
「その通りなのです、女王様」
「と言いますと?」
「つまりあなたは人柄が温和で、
誰に対しても敬意を怠らないために人望は絶大にあります。
そこに私のような経歴不明な人が入る隙はないのです」
「涼ちゃん、それはいくらなんでも過小評価しすぎじゃあ…」
「確かに多くのサキュバスは私を英雄扱いしてくださるでしょう。
しかし全てのサキュバスがそうであるとは必ずしも思えないのです」
そして私のことを快く思っていないごく少数のサキュバスがいると仮定すれば、
女王の座は逆に自分の身を危険にさらせる恐れが高いと言わざるを得ない。

「なるほど……、確かにその通りだと思います。
私は古代図書館の記録が本当に正しいのか疑いを抱いたことがありました」
「それはもしかしてルビーのサキュバスの死因についてでしょうか?」
「はい、果たして本当にもののけ界の者が殺害したのでしょうか」
どうやらあの事件のことを、女王様も深く考えていることが分かる。
「え? あれは記録によれば、もののけ界の者が暗殺したんじゃ…」
話が見えていないのか、シェリーは私に質問してくる。
しかし、こういった時は知ったかぶりをするより、
知らないことを明らかにする方が話を進めやすい。
「確かに史実ではそうなっている。
しかしそれは必ずしも真実ではないのかもしれない。
千年前の出来事を確認する術はないのよ」
「確かにもののけ界の特に実力者と言われている者も、
千年前にタイムスリップすることは不可能だけど……」
「だからこそ、事実は闇に消えてしまっているわけ。
あの資料で本当に信憑性が高いのは、
1.人間の男性が女性になって、そしてサキュバスに生まれ変わること
これは私とシェリーが当事者であり目撃証人でもあるから確実よ。
2.淫魔界では女性化をすることはできないこと
これは確証まで至ってないけど、実際に試せば白黒はっきりするわ。
3.ルビーのサキュバスが殺害されたことによって両界の関係が悪化した
これは元人間が淫魔界のリーダー的存在になったことを、
快く思わなかったサキュバスが殺害した可能性だってあるわよ。
他にも少々あるけど、重要度が高いのはこれくらいしかないのよ」

<つづく>

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