FC2ブログ

Latest Entries

投稿TS小説 変貌の百合姫-シェリーの甘い企み続編-(6) by.りゅうのみや <18禁>

「じゃあ、どうしてもののけ界の関係が悪化していったの?
やっぱりもののけの仕業じゃないの?」
「可能性としてなくはないけど、確証がないと言っているの。
心のないサキュバスが殺害して罪を押し付ける為に、
ありもしない濡れ衣を被せた可能性だって否定できないわ」
「その通りよ、私もその説を考えたことがあるわ。
しかし大事なのは……」
「過去の事例に捕らわれないで、一番大切な現在を見据えること。
外交団を送り込めば、もしかしたら関係が
修復することだってあり得るかもしれない……でしょう?」
「ご名答、あなたは政治家としての才能がありそうね」
「女王様に質問したいのですが、千年前から今日に至るまで、
もののけ界との交友はあったのでしょうか」
「いいえ、お互いあれ以降すっかり閉鎖的になってしまって、
鎖国状態になったと別の資料にはそう書いてありましたわ」
「やっぱり……、これじゃあいつまでたっても進展がないというものか」
「話の腰を折ってしまって悪いのだけど、
私はもののけ界にいた時はルビーのサキュバスの存在を知らなかったわ。
まぁ、それは私が女性化の研究に没頭していたせいもあるのだけれど…」
「あのシェリー、悪いけど要点を先にお願いできる?」
なんとなく言いたいことは分かるのだが……。
「あ、ごめんなさい。つまりもののけ界の者がルビーのサキュバスに
強い敵愾心を抱いていたとしたら、あなたは暗殺されてしまうよ!」
なるほど、その可能性も確かに否定できない。
あの事件がどうとあれ、両界は激しい敵対関係にある。
私の存在を煙たがるもののけがいて不思議ではない。

「私が一番悩んでいるところが、実はそこなのです。
問題なのは性の確保ではなく、
淫魔界ともののけ界における私の存在意義です。
いわば両者の板挟みに遭う恐れがあり、
そのために活動が制限される、あるいは暗殺される恐れすらあるのです」
「そん…な、涼ちゃんは女王の素質を持った英雄じゃないの…?」
「英雄が身の安全を保証する証明書にはならないわよ。
人間界においても英雄としての素質を持った人はいくらでもいたわ。
でも、それによって自分の地位を脅かされることを恐れた
一部の支配階級が、その英雄を抹消した事例など星の数ほどあるわ」
認めたくなけれど、それが現実なのだ。
人間界でさえそんな状態なら、人間を拉致して性を吸い取ったり、
人の死の間際に精を奪うサキュバスやもののけのモラルは、
残念ながら相当低いと言わざるを得ない。
「その通りです、あなたは自分の力に溺れていない、
本当の意味でのサキュバスなのですね」
「ですので私は女王になりたくてここに来たのではありません、
淫魔界の現状を変えようという想いを抱いてやってきたのです」
「涼ちゃん……まさかそこまで考えて…」

「わかりました、あなたがそのつもりなら止めはしません。
では、どうすれば淫魔界の現状を変えることができると考えていますか?」
「まず、喜ばしい報告を先にお伝えします。
私はあのルビーのサキュバスのように隠密性が非常に優れています。
まずこれだけでも優位性がありますが、所詮は一人の力に過ぎません。
それだけで全てのサキュバスを養うだけの力とはなれません。
そこで、私が師範役として指導すれば、
他のサキュバスの隠密性を向上することができると考えています」
「なるほど、確かに面白い試みですね。
しかしそれは実現可能な内容でしょうか?
そうでなければ単なる絵に描いた餅と同じことです」
確かに女王様の言う通りだった。
決して空想の世界に入り浸るような方ではなく、
常に現実を見据えた優れた指導者であるに違いない。
人望だけにとどまらず卓越した判断力を兼ね備えているという意味では、
稀代の英雄はむしろ女王様の方かもしれない。
そして私としても発言した内容には、
責任が伴ってくることをよく知っている。
だからこそ…、
「はい、実はこの三日間シェリーに訓練を施しました。
その結果、マスターとパートナーという関係のため、
捕食経験の全くない彼女が、対象者以外誰にも気付かれることなく
性を吸い取ることに成功しました」
さすがに対象者に自分の存在に気付かれてしまうのは仕方がないが、
戦闘力に優れる分、タイマンでの勝負はサキュバスに利があった。
今まで問題だったのは複数の人物に自分の存在に気付かれるからこそ、
警察などの自衛集団に襲われる危険性があっただけで、
タイマンでの勝負に勝てるのであれば、危険性は殆どないといえる。
サキュバスになってそう日が長くないシェリーでさえ成功しているのだから、
他のサキュバスなら実に簡単にコツを掴むことができる。
「それは素晴らしいことですわ。
お二人方よく頑張ってこられました、改めて礼を言わせていただきます」
そう言うと女王様は深く身を傾けた。

「次に淫魔界と外交の問題ですが……」
私はそういうなり言葉に詰まった。
「はい、なんでしょうか。
確かに発言には責任が伴いますが、
今はこの私と秘書の方以外はここには誰もいません。
気兼ねなく話して頂けると幸いです」
流石に気遣いのある女王様、
相手に配慮を示すことを忘れたりはされない。
「まず淫魔界についてですが、
これは実績を上げることで私に反感を抱く者はいなくなると思います。
それには先ほど述べた隠密性の訓練と外交を上手くこなすことが含まれます。
しかしそれは一朝一夕でできるものではありません。
そのために実績を上げる前に暗殺される恐れが生じるのです。
同じ理由でもののけ界との調整者として派遣したところで
すぐに効果があるとは思えません。
彼らは我々を侮っているため、対等な形での外交は
まず望めないのがその理由です」
「なるほど、確かにどちらも重要だけれど、
どちらもすぐには効果の表れない難しい状況なのですね。
しかも早く結果を出さなければ暗殺の恐れもある、
そういった意味で板挟みに苦しんでいらっしゃるのですね。
心中お察しします」

「お気遣い頂きありがとうございます。
あまりこういう時に博打的な賭けをしたくはないのですが、
両方の問題を解決する、とっておきの方法があります」
「それはどういったことでしょう、
興味深いところですので話を続けていただけませんか」
「はい、私にサキュバスとしての才能がどれほどあるのか見せつければいいのです、
そうすれば両者とも私の存在を認めるようになるでしょう」
「では具体的にどんな方法をすれば、
認めてもらえることができるのでしょうか?」
「簡単なことです、人間の女性をサキュバスに変えればいいのです」
無茶苦茶な理論だが、私にはそれに賭ける望みがあった。
「人間の……しかも、女性をサキュバスに、ですか!」
「驚くのも無理はないでしょう、
あの資料を整理すると人間の男性をサキュバスにすることができたのは、
それだけ男性の方がサキュバスになる可能性が高かったからです。
しかし女性の方はどうでしょうか。
その実験を行ったサキュバスは、
なぜ一端女性化させる面倒な作業をしたのでしょうか?」
「それは……、女性にはサキュバスとしての望みがあまりないからでしょうか?」
「その通りです、つまり難易度の高い女性を
サキュバスにさせることができるのであれば、
必然的に私の力を認めざるを得なくなるのです!」
決まった!
私がこの三日間考えに考え抜いた知恵を全て言い放った。

「確かに博打の様な賭けですね。
失敗すれば逆にあなたの地位が脅かされるのですから」
そう、英雄は英雄ゆえに常に身を危険にさらされている。
失敗は許されないのだ。
「私としてはあなたの意見を承諾したくはありません。
せっかくの英雄をたった一つの失敗で失いたくありません」
「涼ちゃん、私だってそんなこと嫌だよぉ……」
私だってそんなのは嫌だ。
まだ長い人生をここで終わりたくはなかった。
「でも、二度目はないであろう英雄が目の前にやってきたのです。
そこで私ではなく、あなたがどうするか決定して頂けないでしょうか?」
この決断は私の運命を大きく変える転換点となる。
もののけの力を失ったシェリーに、
タイムスリップして全てをリセットすることはできない。
しかし私はためらうことなくこう答えた。
「これほど壮大な提案を持ちかけながら、
できませんと言うのなら私はこの場にいなかったでしょう。
どこか遠い所に逃げて身を潜めていたと思います。
でもそうしなかったのはそれをやり遂げる絶対の自信があるからです。
お願いします、どうか一世一代の賭けに付き合わせてくださいませ!」
そう言って私は女王様に土下座をした。
女王様は静かに頷いて私の提案を承諾した。

<つづく>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://okashi.blog6.fc2.com/tb.php/5983-1d6555fa

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

DMMさんの宣伝

 

初めての人はこちら

ts_novel.jpg

 

性の揺らぎに関する作品でお勧めのもの

ts_syouhin_20090318225626.jpg

 

性の揺らぎに関する作品(一般)

ts_syouhinもと

 

ブログ内検索

 

最近のコメント

プロフィール

あむぁい

  • Author:あむぁい
  • 男の子が女の子に変身してひどい目にあっちゃうような小説を作ってます。イラストはパートナーの巴ちゃん画のオレの変身前後の姿。リンクフリーです。本ブログに掲載されている文章・画像のうち著作物であるものに関しては、無断転載禁止です。わたし自身が著作者または著作権者である部分については、4000文字あたり10000円で掲載を許可しますが、著作者表記などはきちんと行ってください。もちろん、法的に正しい引用や私的複製に関しては無許可かつ無料でOKです。適当におだてれば無料掲載も可能です。
    二次著作は禁止しません。改変やアレンジ、パロディもご自由に。連絡欲しいですし、投稿希望ですけど。

 

全記事表示リンク

ブロとも申請フォーム

月別アーカイブ

 

最近の記事

 

ブロとも一覧


■ ブログ名:M物語(TSF小説)

 

カテゴリー

新メールフォーム

イラスト企画ご案内

20080810semini.jpg

 

リンク

RSSフィード

2021-04