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「カレーライス」 第二章(2)

(2)

 それから俺は、何日も何日も強姦と陵辱を受け続けた。
 俺がヤってきた、女たちと同じように……。
 中には覚えていないものもあったが、そんなことは関係がなかった。
 変わり果てた小さな少女の体では逆らう力も無く、連日の暴虐にそんな気力も無かった。
 “死にたい”と呟くと、聞きとがめた監督官に棒で殴られ、ののしられた。

 「お前に殺された何人もの被害者も同じ気持ちだったろうよ。だが、お前には死ぬことなんか許されない! 永遠に苦しめ! この外道!」

 確かに俺は犯罪者だった。何人もの女を強姦し、時には殺した。
 だが今は無抵抗の少女の体を、木の棒で殴り倒し気を失うまで打ち据える人間が、外道では無いとでも言うのだろうか。

 しかし、俺に施された洗脳といっていい教育プログラムの成果なのだろう。わずかに残った感情が反抗心をくすぶらせても、体がそれに反応することは無かった。押し黙ったまま殴られ、蹴り飛ばされ、犯されるままだった。
 肉体的、精神的、性的虐待を、作りかえられた小さな女の体がバラバラになっても、無抵抗のまま受け続けた。
 俺は、被害者遺族の感情の捌け口であり、見せしめの生贄だった。

 何ヶ月…いや、何年経ったのだろう?
 腕を折られ、体を切り裂かれても、そのたびに治療を受け、再び叩き堕とされる地獄の毎日。
 生きる気力なんてなかった。絶望することすら無意味だった。
 脳さえ生きていれば、蘇生できる肉体の再生術。
 それをもってしても、癒えない全身の痛み。
 それすらも感じなくなる頃には、俺は感情を無くしていた。
 明確に向けられた殺意に、怯えることも忘れてしまっていた。
 ただ無気力に呼吸しているだけの、屍だった。

 目を血走らせ、“恋人の仇!”と叫びながら、俺の全身を大きな刃物でめった刺しにする男。
 俺は、怒りと憎しみに血走ったその眼を、薄れていく意識の底に見つめていた。
 そして止めに頭を割ってくれれば、死ぬことができるのに……と思いながら、俺は再び深い闇へと堕ちていった。

*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*


「ここは……」

 重傷を負って気を失い、再び意識を取り戻すたびに目にする、特徴的な天井。
 また、死ねなかったのか……。
 眼鏡をかけ、マスクをした白衣の男が俺の顔を覗き込んでいた。
 見たことがあるような、無いような、どうって特徴の無い男だ……。

「目が、覚めたかい?」
「殺してくれ……。今すぐ殺せ。どうしてあのまま、放って置いてくれなかったんだ?」
「君には、生きる権利があるからだよ」
「権利? そんなものいらない。だから殺せ」
「どうしてだい? 君は望み通りの体になったのだろう? 少なくとも僕はそう思っていたんだが……」

 何を言っているんだ、この馬鹿医者は。
 お前たちが俺をこんな地獄に堕としたんだろう!
 自分にまだ怒りの感情が芽生えるほどの心が、まだ残っていたことに驚きを感じながら、体を起こそうとしたら、別の医者が部屋に入ってきた。

「先生、後は私が……」
「ちょっと待ってくれないか、僕はこの少女に、少し聞きたいことがあるんだ」
「ま、それは後ほど機会があれば。とりあえずお引取りください」

 俺を無視したやり取りを何度か繰り返した後、結局眼鏡の医者は病室を追い出されていった。
 残った男に俺は尋ねた。

「なぜ俺はまだ生きているんだ? もういいだろう? 今すぐ殺してくれないか?」
「君の懲役は、とりあえず終了した。これからは奉仕活動をしてもらう」
「奉仕活動? まだ、何かさせる気なのか?」
「君にはずいぶんと、経費がかかっているのでね」

 そう言って下卑た薄笑いを浮かべながら、その医者は俺にかけられていたシーツを捲りあげた。真っ白な少女の裸身が、明るい部屋の照明の下に晒される。
 俺は反射的にシーツの端をつかみ、体を隠そうとした。
 恥ずかしいからではなく、あれだけの事をされてもまだ残っていた、防御反応のせいだ。
 だが体力の回復していなかった俺は、あっさりとシーツを剥ぎ取られ、その反動でベッドの手すりにもたれ掛った。腕に嵌められている銀色の枷が、かちりと音を立てた。

「そんなに怖がらなくていい。これから君が味わうのは地獄ではなく、天国なのだから」

 俺は男の態度に不穏なものを感じ取った。

「ふん、俺にとっての天国じゃなくて、あんたにとっての天国じゃないのか?」

 全裸の弱々しい少女の体を晒し、外見につりあった甲高い少女の声しか出せなかったが、相手を睨み付ける様に見据えて虚勢を張った。
 だが男は不敵な笑みを浮かべると、ゆっくりと俺に近づいた。

「な、何をさせる気かわからないが、今回はずいぶんと丁寧に治療したじゃないか、丁寧に扱わなくていいのかい?」

 時には全身の至るところに傷が残ったまま、指の数本が無いままに、地獄に戻されることもあった。
 だが今の俺の体は、その真っ白な肌に傷痕一つ無く、欠けている部位も見当たらなかった。
 何よりも、何度治療を受けても消えなかった全身の疼痛を、今は感じない。
 髪も小さく膨らんだ乳房の先端を隠すぐらいにまで、伸びていた。
 まるで新しい体を、与えられたみたいだった。

「鏡を見てみるか? 今度も男の気を惹きそうな、極上のカラダだぞ」

 差し出された鏡を見ると、紅い瞳に艶のある真っ黒な長い髪の少女が不安な表情でこちらを見つめていた。
 元の俺とは似ても似つかない程に、変わり果てた姿。
 そういえば、俺は今まで作り変えられた自分の姿を、ロクに見たことがなかった。
 常に拘束され、犯され、暴力を振るわれ、叩きのめされていた俺には、何かに映った自分の姿を見る余裕などなかった。
 ふとした拍子にそれを見ることができたとしても、それを自分の姿だと認識することすら、できなかったのだ。
 そして、こんなことができる連中に、俺は改めて恐怖を感じた。

<つづく>

コメント

ちょっとだけ
とりさんのお話を思い出しました。

ほんとにちょっとだけ。

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