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「カレーライス」 第五章(6) <18禁>
作.ダークアリス キャライラスト&挿絵:キリセ
(6)
私は慌てていた。体の上に馬乗りになった葵さんの目が妖しく光って見え、レイプされる恐怖を感じ始めていた。
「心配しなくてもいいわ。OOLは女性を服従の対象とするようなプログラムはされていないの。私はそれを“経験”で知っているから」
「で、でも……」
「つべこべ言わないで! それに、私も体が疼くのよ! 忌まわしいことに!」
「で、でも、私は、その、女性とは……」
「私のする通りに、真似をしてくれればいいわ。あなた、オモチャ持ってる?」
「ひ、ひとつだけなら」
「なら貸して。最初はあなたからよ」
「そ、そんな……ああっ!」

葵さんの小さな手から繰り出される、股間への巧みな刺激に、私は本気になりかけていた。
乳房をもみ合い、秘貝をこすり合わせ、互いの蕾を舐め合っていた。
オンナのカラダを知り尽くした者同士の、いつ果てるとも知らない淫技。
何度イかされたのだろう?
何度彼女を淫具で突いたのだろう?
呼吸が落ち着いて、数えてみたが正確にはわからなかった。
でも、体の疼きは治まっていた。
力尽きた私の隣で、葵さんは私の玩具で激しく自分を突いていた。
やがて体をびくびくとひくつかせて最後の絶頂を終えると、私の横に体を放り出した。
彼女はこれで、満足できたのだろうか?
夜も深まった寝室。
情事の後の、気だるい心地良さに、私はまどろんでいた。
少しだけ開いているベランダのガラス戸からは、ひんやりとした風が流れ込んでいて、背徳的な情事に熾った体を鎮めていた。
細い月明かりがうっすらと射し込むだけの、ほのかな照明。
モノクロームの静かな夜のベッドの上、私は裸の少女を傍らに従えていた。
白く光る肌に今も残る、傷痕だらけの小さな裸身。
これほどの傷を少女は、どれほどの苦痛とともに、その身に受けたのだろうか。
何もかも無抵抗に晒らされた躰に、どんな恥辱を重ねられてきたのだろうか。
陵辱者はどれほどの愉悦の表情で、この儚げな裸身を爪で引き裂き、牙で喰い散らかしたのだろうか。
私は無意識のうちに彼女の裸の腰に手を回し、自分のほうへと引き寄せた。
「ねぇ、あなたは自分がしたことを、覚えているの?」
感情の乏しいその声に、私は戦慄に近い恐怖を感じた。
自分は何をしようとして、彼女に手を伸ばしたのだろう?
私はこの行為が、自分の犯した遠い過去の犯罪を暴いたのだと思った。
だが、そんな罪深い行為は、今の私の記憶の抽斗(ひきだし)のどこにもなかった。
それは経験とは程遠い、過去に起きた事件の知識との、照合でしかなかった。
私はすぐに平静を取り戻し、葵さんの体を気遣うように、そっと抱きしめた。
彼女は抵抗せず、私の抱擁を黙ったまま受け止めた。
「……覚えているというより、記録として知っています」
私は自分が昔、どんな人間だったかを知らない。
この体で目覚め、あの薄いファイルに書かれていた内容が、私の過去を知る全て。
それ以外、自分の元の顔すら覚えていなかった。
そのファイルの内容だって、本当にそれが自分のものなのか、それですら本当は確信が持ててはいなかった。
「昔の事を、夢に見る?」
「いいえ……。そう言う記憶は、全部消されてしまいました」
「そう、うらやましいわ……」
「私は葵さんがうらやましいです。どんな過去でも、自分が何者だったかを知る、手がかりになりますから」
「うらやんでもらえるほどの過去なんて、私には無いわ。自分でも嫌になるような、屑人間の記憶よ。そんなものいらないわ」
私はいつか、自分がどんな人間だったのか、この体にされる前、何を見て経験してきたのか、知りたいと思っていた。
それは葵さんの様に、捨ててしまいたくなるような過去かもしれない。
でも……、それでも……。
「それでも、過去は過去です」
「私は、過去なんていらない。未来だって、無くてもかまわない」
「でも先生は、葵さんの未来を、とても気にかけておいでですよ」
「そうね……」
葵さんは少し考え込むように、私の胸に顔をきゅっと押し付けたが、すぐに体を引き離して毛布を頭から被って言った。
「朝になったら、私が寝ている間に部屋に連れて行って」
「はい、起こさないように気をつけます」
そしてその晩から、葵さんの夜伽は、私が勤める事になった。
<つづく>
(6)
私は慌てていた。体の上に馬乗りになった葵さんの目が妖しく光って見え、レイプされる恐怖を感じ始めていた。
「心配しなくてもいいわ。OOLは女性を服従の対象とするようなプログラムはされていないの。私はそれを“経験”で知っているから」
「で、でも……」
「つべこべ言わないで! それに、私も体が疼くのよ! 忌まわしいことに!」
「で、でも、私は、その、女性とは……」
「私のする通りに、真似をしてくれればいいわ。あなた、オモチャ持ってる?」
「ひ、ひとつだけなら」
「なら貸して。最初はあなたからよ」
「そ、そんな……ああっ!」

葵さんの小さな手から繰り出される、股間への巧みな刺激に、私は本気になりかけていた。
乳房をもみ合い、秘貝をこすり合わせ、互いの蕾を舐め合っていた。
オンナのカラダを知り尽くした者同士の、いつ果てるとも知らない淫技。
何度イかされたのだろう?
何度彼女を淫具で突いたのだろう?
呼吸が落ち着いて、数えてみたが正確にはわからなかった。
でも、体の疼きは治まっていた。
力尽きた私の隣で、葵さんは私の玩具で激しく自分を突いていた。
やがて体をびくびくとひくつかせて最後の絶頂を終えると、私の横に体を放り出した。
彼女はこれで、満足できたのだろうか?
夜も深まった寝室。
情事の後の、気だるい心地良さに、私はまどろんでいた。
少しだけ開いているベランダのガラス戸からは、ひんやりとした風が流れ込んでいて、背徳的な情事に熾った体を鎮めていた。
細い月明かりがうっすらと射し込むだけの、ほのかな照明。
モノクロームの静かな夜のベッドの上、私は裸の少女を傍らに従えていた。
白く光る肌に今も残る、傷痕だらけの小さな裸身。
これほどの傷を少女は、どれほどの苦痛とともに、その身に受けたのだろうか。
何もかも無抵抗に晒らされた躰に、どんな恥辱を重ねられてきたのだろうか。
陵辱者はどれほどの愉悦の表情で、この儚げな裸身を爪で引き裂き、牙で喰い散らかしたのだろうか。
私は無意識のうちに彼女の裸の腰に手を回し、自分のほうへと引き寄せた。
「ねぇ、あなたは自分がしたことを、覚えているの?」
感情の乏しいその声に、私は戦慄に近い恐怖を感じた。
自分は何をしようとして、彼女に手を伸ばしたのだろう?
私はこの行為が、自分の犯した遠い過去の犯罪を暴いたのだと思った。
だが、そんな罪深い行為は、今の私の記憶の抽斗(ひきだし)のどこにもなかった。
それは経験とは程遠い、過去に起きた事件の知識との、照合でしかなかった。
私はすぐに平静を取り戻し、葵さんの体を気遣うように、そっと抱きしめた。
彼女は抵抗せず、私の抱擁を黙ったまま受け止めた。
「……覚えているというより、記録として知っています」
私は自分が昔、どんな人間だったかを知らない。
この体で目覚め、あの薄いファイルに書かれていた内容が、私の過去を知る全て。
それ以外、自分の元の顔すら覚えていなかった。
そのファイルの内容だって、本当にそれが自分のものなのか、それですら本当は確信が持ててはいなかった。
「昔の事を、夢に見る?」
「いいえ……。そう言う記憶は、全部消されてしまいました」
「そう、うらやましいわ……」
「私は葵さんがうらやましいです。どんな過去でも、自分が何者だったかを知る、手がかりになりますから」
「うらやんでもらえるほどの過去なんて、私には無いわ。自分でも嫌になるような、屑人間の記憶よ。そんなものいらないわ」
私はいつか、自分がどんな人間だったのか、この体にされる前、何を見て経験してきたのか、知りたいと思っていた。
それは葵さんの様に、捨ててしまいたくなるような過去かもしれない。
でも……、それでも……。
「それでも、過去は過去です」
「私は、過去なんていらない。未来だって、無くてもかまわない」
「でも先生は、葵さんの未来を、とても気にかけておいでですよ」
「そうね……」
葵さんは少し考え込むように、私の胸に顔をきゅっと押し付けたが、すぐに体を引き離して毛布を頭から被って言った。
「朝になったら、私が寝ている間に部屋に連れて行って」
「はい、起こさないように気をつけます」
そしてその晩から、葵さんの夜伽は、私が勤める事になった。
<つづく>
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