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1300万ヒット記念の4 サキュバスの休日 変貌の百合姫外伝(1) <18禁> by.りゅうのみや

「はぁ……疲れたわぁ」
私は山のように積まれている書類の半分ほど処理した段階でそう呟いた。
確かにこの淫魔界の情勢も快方へと向かっている。
だが、それは逆に言うと変化の激しい分、それだけ報告書が多くなってしまう。
これも暫くすれば収まってくるとは思うのだが、
当分はこの過密な仕事量は抜け出せそうになかった。

もののけ界との和解が成立してから早一週間、
私達はそれぞれの職務に没頭している。
みなもは淫魔界の外交官として、もののけ界の各地を行き巡って関係の改善を務めている。
シェリーはサキュバスに隠密性向上部門の最高責任者として、
たびたび実地訓練と称して人間界に降りて性をかき集めている。
そして私は女王様の補佐として、あらゆる部門の責任を担っている。
それぞれに大変な仕事を割り当てられているのは十分分かるのだが……
「なんかみょ~にシェリーの仕事って楽な気がするのよね……」

そう愚痴を漏らした。
いや確かに隠密性の向上を図る教官に様々な指示や、監督役や、
あるいは実践訓練に同行するなど忙しいのは分かっているのだが、
不満な点はその実践訓練だった。
性をかき集める作業というのは、サキュバスにとって
重要な任務であると同時に最大の娯楽でもある。
私がこうして雑多な仕事に追われている中、
傍から見るとシェリーは羽目を外して遊び呆けているとしか見えない。
いや、実際のところだいぶ遊んでいるのだろう。
くそ~、私だって、私だって地上に降りて思う存分遊びたいのにぃ……!

バキッ

あまりのイライラに万年筆を指で割ってしまった。
あ~ぁ、淫魔界ナンバー2の私が、妬みで我を忘れるなんてちょっとはしたないなぁ……
そういえば女王様は私以上に多くの仕事を抱え込んでいるのに、
なんであそこまで穏やかな状態を保っていられるのだろう?
「うーうー、シェリーのキスだけじゃあきつすぎるわ」

サキュバスは人間から性を吸い取ることで生きていく。
では性を吸えないサキュバスは生きていけないかといえばそんなことはない。
性に満ち溢れているサキュバスからキスを通して
譲ってもらうことで、人間と交わらなくても生きてゆける。
でもやっぱりサキュバスとして誰もが備わっている本能に逆らうのは至難の業だ。
だからこそ政治に携わるサキュバスも果たすべき仕事をこなせば、
当然の権利として人間と交わるのを認めている。
ただ私は仕事が多すぎて、なかなか抜け出せそうにない。

「ご機嫌いかがでしょうか、相良さん」
「あ、これは女王様!
その……ぼうっとしていてすみません」
「いいえ、あなたの秘書が過密な仕事に目を回しているというので、
心配になって様子を見に来たのです」
「え……秘書が、ですか?
そんな……私がちゃんと仕事をこなしてないために、
女王様を呼ぶ羽目になってしまったのですね……」
負い目を感じて、がっくりと視線を下した。

「いいえ、あなたはしっかりと仕事をこなしていますわ。
ただ、やはり暫くの間は膨大な量に追われることになるでしょう。
あなたには直属の部下がいるのですから、雑多な仕事は彼女たちに任せるといいでしょう」
「はいすみません、つい何でも自分でこなそうという悪い癖が出てしまって……」
「それと……、あなたは淫魔界のトップであると同時に一人のサキュバスでもあるのです。
あなたは多分自分の要求に無理に抑え込んでいるのでしょう。
構いませんわ、あなたは今まで頑張ってこられたのですから、
暫く地上に降りて存分に性を吸い取りに行きなさい」
そう言って優しく私の頭を撫でてくれる。
穏やかで思いやりのある女王様の手。
全てを包んでくれるような優しさに思わず顔が赤くなった。

「あ、あのあの、いいのですか?
一番大事な時期に私が抜けるなど……!」
「いいのです、私にも身に覚えがあるのですから。
懐かしいですわ、私がまだ駆け出しの女王だった時、
よく職務を放棄して地上に降りに行った日々のことを……」
「え、女王様がそのような積極的な行動を……?」
「考えられないといった顔をしているようね。
私だってサキュバスですよ、今だってよく地上に降りて性を吸っていますわ。
さすがに仕事を抜け出してまではしないけど」
ちょっとだけ女王様のイメージが壊れたけど……
彼女もサキュバスなのだから、それが自然かもしれない。
つい勤勉が美徳の日本人的な感覚が抜けきっていないのだろう。
そう……よね。
女王様も容認しているのだから、ちょっとだけ羽目を外しに行こうか。

「ありがとうございます、引き継ぎを済ませたらバカンスに行ってきます!」
「あぁそれから……、もののけ界の各地を行き巡って、
報告書をまとめたみなもが先程戻ってこられたわ。
彼女も一緒に連れていくといいでしょう」
「は……、はい!」

引き継ぎを終わらせた私は、スキップしながらみなものもとに向かった。
すごく楽しみだ。
あの初々しいみなもが初めて人と交わることになる。
どんな反応を示すのだろう?
拒絶の反応を示すのだろうか?
それともサキュバスの本能に感化されて恐る恐る受け入れるのだろうか?
すっかり受け入れて貪り食うのだろうか?
そう考えると下着がジュンと濡れてきたのがわかる。

「おっひさ~、みなも♪」
「あれ、涼子ちゃんなの? よかった~」
「ん? どうしたの」
「だってね、知っている人が周りに一人もいないってすごく心細かったの!
周りはみんな翼と尻尾を持っているサキュバスだし、
対談相手のもののけも全身毛で覆われていて、すっごく怖かったの。
で、自分も他のサキュバスと同じように翼と尻尾があるのだから、
なんかね……自分が化け物のようになってしまった、そう思えてきたから……」
そんなみなもを見ていると私がした行為が
いかに重大だったか、改めて痛感する。
私だって境遇は違えど似たような経験をしたことがある。
シェリーを想って人間界での生活を手放し、
自分の意思とは関係なくサキュバスになった喪失感。
もし別の人生を歩んでいたら、私はそういった辛い状況から抜け出せたのかな?
でも私にはそれしか選択肢がなかった。
だって、サキュバスになったのは私が女性になったからだった。
そして男性のままだと、十年後くらいには死んでしまうだろう。
私はもしかしたらサキュバスになるべくしてなったのかもしれない。
でもみなもは違う。
私の利己的な目的のために彼女を巻き添えにし、サキュバスに変えた。
いくら彼女の意志だといっても、私がみなもの前に現れた時点で
彼女の命運は決まったも同然だった。

「ごめんなさい……、ごめんなさい……
私、あなたを酷い目に遭わせてしまった……
サキュバスになるのは私だけでよかったのに……」

<つづく>

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