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『愛玩メイド"KEI"』1-3

作.黒い枕
イラスト.神山

(1-3)


「随分、遅かったわね。 流石、無能でドジなメイドの”KEI”。 感服するほどのグズ子、ね」
 彼女が入って直ぐに返されたのは嫌味を通りこした――悪意だった。
 洋風の館、洋風の部屋、洋風の家具、洋風の衣類と、全てが洋風に飾られていながら、その本人は日本昔話に出てくる姫のようないでたちで見下ろすように彼女の心を抉る。
 黒髪黒目で長いロングヘアーを垂らし、立ち姿から只者ではない。
 スレンダーな体系にバランスの良い肉付き、――今の”彼”とは一味違った大人の女。
 そう―――彼女こそ”KEI”に限らず、ミラとレラのご主人さま。
 名前すらも語らない”ご主人”と、言う存在。
「で―――――今日は何回転んだの?」
「………九回……です」
「まぁ、ここに来るまでに十いかなかったなんて、凄いじゃない。
ごめんなさい貴方のことを見縊り過ぎたわ。成長ぐらい出来るのね ……ふふ」
「……………………あり難き……お言葉…勿体ないです」
 まさに”KEI”はご主人さまの『オモチャ』だった。
 完全に遊ばれていることを自覚していても、涙一つ流せない。
 涙を流した途端、ご主人さまに弄られてしまうからだ。 
 にっこりと、ご主人さまに微笑み深々とお辞儀しながらも、悔しさが形となり、ワンピースの端をベッドのシーツのように圧縮していた。
「それでも貴方は普通の人間以下なんですから、まさか、『メイド』に昇格させて下さいなんて言わないでしょね?」
「そ、そんなこと、恐れ多くて言えませんっ!」
(でも、ご主人さまが、そう『設定』したんじゃないですか………)
 さらに深く礼を付き、主に媚びる”KEI”。
 そんな態度とは反面、心の中ではご主人さまに対する怒りを持っていた。
 彼女には、許されないことであったが昔の名残――”彼”の心――がそうさせた。
 そして、ご主人さまも認めていた―――その方が面白いから。
「じゃあ、約束を守れなかった罰として、―――これを付けなさい。勿論、私の目の前で」
「~~~~~これを、ですか?」
「そうよ、貴方は耳までお馬鹿さんなのかしら――ご主人さまの命令はちゃんと聞きなさい」
「ハイ―――――」
 再度、確認してもテーブルの上に置かれていたのはゴツゴツした、――通称、”KEI”、専用ショーツ――と、名ばかり皮製の拘束具。
 これは彼女が嫌なお仕置きの三位にある非道な道具で、
見た目に反してそこまで圧迫感はないし、バイブみたいなものもない、ただのベルト帯。
 ―――と、当初はそう思っていた。
 ”KEI”にされたように、ご主人さまは不思議な道具を沢山持っており、これも普通ではなかったのだ。 最初こそは、見た目からSMプレイに使われるような玩具だと、思い怖がりながらも
穿いたのだが、想像していたと違いも何も無く、安堵しまくった。  ――最初だけは。

 その後、仕事をしてミスをした途端に股間の悪魔が動いた。
 動いたと、言っても実際に蠢いたわけでもなく、その内部に隠されていた能力が発動したのだ。
 最初は女の体特有の疲れか”KEI”にされた後遺症だと、勘違いしてしまった、その感覚は
――後で魂に嫌ってほど教え込まれるが――女の欲情だった。
 ただの拘束具ではなかった股間の道具から放たれる高揚させる力に体が火照り、喉が渇いた。
 体の疼きは、自身を慰めることしか考えられないまで悪化させる。
 けれどもメイドである身分。
 そんなことを出来るわけもなく、ご主人さまに泣きつき土下座して、――やらせてもらった。
 ”KEI”はこの時のご主人さまの言葉が脳内から離れらない。

『貴方、本当に『** **』? ご主人さまの前で―――発情して、さらに自慰させて下さい
なんて、こんな淫乱な女なっちゃって、……ふふ。こんな破廉恥な女は 今日からメイドじゃなくて、
――”愛玩メイド”よ。淫乱な貴方には、それが相応しいわ』

 最大級の哀れみと穢らわしい――そんな感情を込めた、ご主人さまの視線と言葉が“彼”に刻み込まれ、忘れることすらさせてくれないのだ。

「ふぐ……ひく……す………」
 泣きながら、心の底から拒絶したいのに、それが叶わないことを知っている。
 彼女は忌むべき物体を見据えながらメイド服に手を掛け脱いでいく――前にご主人さまの一言により手が止まる。
「泣き出すほど嫌なんて、しょうがない子。 じゃあ、私に対する忠誠心を示したら、別のお仕置きに変えてあげる」
「え……――――本当ですかっ!?」
「私は、嘘は言わないわ―――メイドに嘘なんて付かないのが、ご主人さまなのよ」
 悠然と言い放つご主人さまの貫禄。
 凛々しき姿に一瞬、男だった頃に戻ったように心臓が跳ねる。
 そして、御前のお方を満足させる”答え”を彼女は必死に思考していく。
(……む、胸が……――じゃなくてっ!! わ、私は…――”KEI”。ご主人さまに、このエロい体で遊んで貰うのが――私の……しご、と……」
 またしても条件付けされた”癖”によって極力刺激したくない悩ましい乳房に手を当ててしまい、感覚が波立ってに考えを旨くまとめられない。
 それでも何とか、今までの経験からご主人さまのやってもらいたいことを推測して、言葉を形成していく。
 “それ”が――どんなに恥辱――なのか"彼"自身が一番知っていながら、震える声で主人に誓いを立てていく。
「わっ……私は………ごっ、ご、…ご主人さまに御仕かえしている…メイドの”KEI”です。
―――――ご主人さまのお傍で、仕えることが幸せで溜まりません。いっ、い、一生、
お傍で働かせて下さい」
「―――――――『塚倉 慧刻(ケイト)』を”KEI(女)"にした張本人でも?」
「はっ―――ハイ!!」
 それは偽りだった。
 何故なら、”彼”は――無理矢理”KEI”にされたのだから。
 拉致られ、気が付いたら女に――”KEI”にされていた『** **』。
 反逆したのだが、後に愚かな選択でしかなっかたことを思い知らされ、自らの意志でご主人さまのメイドとして、愛玩メイドとして生きること決めた――苦渋の選択。
 出来るならば今すぐ襲い掛かり目の前のご主人さまの首を切り裂けたらと、何とも不穏な感情を持ちながら、歪な主人の愛を感じ――怒りと悲しみと情愛が意味も無く戦争する。
 ―――結局、耐えるしか彼女には選択肢が残されていない。
 潤んだ瞳で笑顔を作る。
 積極的に――”KEI”になる。
 体だけでなく、心すらも、――当の昔に――ご主人さまにモノなのだから。
「じゃあ、大きな胸も、細い腰回りも、むちむちのヒップも、全て感謝しているのね」
「ハイ、ご主人さまに作って頂いた、この体が、だ…大好きです!!
――――特に…こお、こんな美しく大きな胸なんて、他には存在しません! 本当にありがとう御座います、ご主人さま!!」
 胸板に融解している脂肪の塊を両手の手の平で持ち上げ、揉むアクションまで示す”KEI”。
 顔は笑っているが、目はまんま泣き出しそうな女の子。
 頬をピンクに染め上げ、綺麗なメイド服から突出した巨乳をご主人さまに差し出すように弄る。
「ふふ……ちゃんと、オーダー・メイドで肉感的に仕上げて欲しい、って頼んどいたから、
良かったわ。 貴方は、その体でオナニーすることも、責められることも大好きですもんね」
「くぅ、……もぉ――勿論です! 私は…”KEI”は…ご主人さまのー、…ご主人さまのぉ、
愛玩メイドですから、ご、ご主人さまの幸せが、…私の幸せなんですぅ…―――で、ですから……」
「ふふ、そのご主人さまが用意したオモチャを拒絶したメイドとは思えない忠誠心ね」
「そ、それは……あのぉ……でも……でもぉぉ」
「分かっているわよ。 、嘘なんて付かない……じゃあ変わりに……あのタンスの中に、
用意した衣装に着替えるだけで、勘弁してあげる」
「あ、――有難う御座いますっ!! ………きぁっ!?」
 ドデンっ!!
 指定されたタンスに向かう最中に自身の体のバランス力を忘れていた彼女は
胸の振動が止めとなり盛大に転んだ。
 右足を踏み外した………見事な転びようで、流石のご主人さまも目が丸くなる。
「どこまで……ドジなのよ。 私の暗示関係なく、元から貴方、無能だったんじゃないの?」
「ふえーん……ちっ、違い……ますよぅ!!」
 正面から転んだ所為で、鼻を擦りながら彼女は起き上がる前に、ご主人さまに弁解する。
 必然的に女の子座りしながら。
 そんな姿にやっぱりショーツにしとくべきだったかしらと、呟くご主人さまの一言で
急いで起き上がる。
 急いでとは、言っても”KEI”のスピード――普通の半分ぐらい――で起き上がり、
メイドの習慣として丁寧に体のホコリを払い終わってから――漸く、タンスにたどり着いた。
 あの特別製のショーツ以外なら何でも良いと、思って両扉を引く。
”KEI”の驚く顔を期待しながら椅子に座り、様子を伺うご主人さま。
 ―――そんなご主人さまの思惑通り、衣装の正体に気がつき彼女は仰天した。
(こんなの反則ですうよおぉぉー!??)
 メイド服――と呼んでいいでしょうか、コレ!?
 そんな心からの叫びすらも、出せないほど臆病になってしまった彼女は恐る恐る、後ろを振り返りご主人さまに確認を取る。
 勿論、ご主人さまは彼女の手に持っている衣服を確認して、――Yes、と首を頷く。
 そうなったら、もう。
(私に……拒否権なんてないじゃないですかああー!!)

<つづく>

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