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TS35 プリ○ュアに賭ける青春! しーふっ(プリ春4)

「ふえっくしっ。」
さむっ。
ああっ。ちゃんと布団を着て寝てた筈なのに、いつの間にか布団が無いっ!
そして、隣では二人分の布団にくるまってすやすや寝ているニセほのか。
自分の布団で寝ろよなー。
ぼくは布団を取り返し、ニセほのかにちゃんと彼女の布団をかけてやる。
その寝顔を見ているとなんだか幸せになってくる。
ぼくは紺野一葉(かずは)。
黒ファンとして黒擁護活動を地道に続けていたぼくは、その貢献を認められて、ご褒美に神様になぎささんの姿にしてもらった。
さらにさらに。
ぼくの事を好きだと言う、ホンモノそっくりのニセほのかまで現れた。
強引なニセほのかのアタックに、戸惑うぼく。
ぼくはなぎささんのファンなのに、、、でも、一緒に暮らしていくうちに、ぼくは次第にニセほのかにも惹かれて行くのだった。

じりりりりりりり。

都合の良い嘘ナレーションに浸っている間に、起床時間が来た。
「ふぁああ」
ぼくは目覚ましを止めて、のろのろと起き上がる。
ニセほのかが目を覚ます気配は無い。
六畳一間の安アパートはニセほのかが始めた内職で作った造花が入ったダンボールで足の踏み場も無い。ぼくは仕方なくダンボールを避け避け、洗面所に向かう。跳ねてる髪をブラッシングし、顔を洗うと、そこには素敵ななぎささんの笑顔。うん、今日も頑張ろう!
歯を磨いて、パジャマからジャージに着替えて、ぼくは新聞配達に出かけるのだった。

「ただいまー」
「あ、お帰りなさい。ご飯できてるわよ」

ケロッグ コーンフロスティー 215g(5個)【特売屋NIJIBEKKAI 】


いや、通販で大量に買った特売のケ○ッグだけど。
牛乳がかかっている。
彼女は家事が苦手だ。
「いただきまーす」
内職を片付けて二人で食べる。
もぎゅもぎゅもぎゅ。
「ねぇ?美味しい?」
ニセほのかの上目遣いにぼくは喉が詰まりそうになる。
「ん、んぐっ」
彼女のにこにこした顔。
「、、、、う、うん」
「良かった☆」
ぱあっ、と明るくなるニセほのかの顔。
「ほのかねぇ、一葉さんに喜んでもらおうと思って一生懸命作ったの」
「あ、うん、、、ありがと」
ああっ、突っ込めない。なんてぼくは気が弱いんだぁ!
嫌なんだよ、ギスギスした雰囲気とか。むすっとされるのとか。
ぼくは平和に暮らしたいんだよ!
確かに美味しいけど!それはケ○ッグの美味しさで!ああっ!
ぼくは、朝御飯を慌ててかきこむ。このままゆっくり食べていると、彼女の「ねえ、あたしって良いお嫁さんになれるかな?」攻撃あたりが来そうだ。
「ご、ごちそうさまっ。行って来ます」
今日はこれから、ファーストフードでバイトだ。

もちろん、なぎささんはファーストフードの制服も似合う。こんな娘がいたら、毎日だって通うだろう。ぼくはスマイルの大安売りをする。
「いらっしゃいませ」
「ご一緒にポテトはいかがですか?」
ぼくは忙しく接客する。
はぁ、、、
貧乏。
それが問題だった。

ある日騙されて薬を飲まされたぼくはなぎささんの姿に変えられてしまった。
そのせいで、ぼくは職も住処も貯金も全て無くして一文無しになってしまった。その原因を作ったSWEEETさんはシャレでニセほのかにTSしていたところ、記憶喪失になってしまい自分が誰かも、どうやったら元に戻れるのかも何もかも忘れてしまった。身元を証明するようなものも持ってないし。いや、それはそれで賢明なのかもしれないけど。いくばくかの現金はあったが、実は今住んでるワンルームの家賃とかも、誰がどうやって払ってるのかとか全然わかんないのだ。SWEEETさんの持ち家かもしれないけど、賃貸かもしれない。いつ、家賃が落ちなくて追い出されるかもわからない。そういう訳で無駄使いはできないのだ。ニセほのかによれば、「少なくとも50万円は予備資金としてキープすべき」で「月々の収入の2割は貯金すべき」 で「閉店時間直前の食料品を狙うべき」で「ダンボールや新聞紙でも有るのと無いのでは寒さは大違い」で「冬に野宿する時は、昼間に寝て夜は起きるべき」らしい。
凍死するから、、、あああ、、、
「なぎさ、、、寒い、、、」
「ほのか、、、お腹空いたね、、、」
ひっそりと、ぼろ毛布にくるまり肩を寄せ合う二人。
やがて天使が迎えに来る。
天へと昇る二人。
応援有り難う。ふたりはプリ○ュア 完
って、駄目だ駄目だ!
名作アニメじゃあるまいし!
しかし、結構マジなのだ。まともな職に就こうとすると身分証明が要る。
身分証明があったとしても中学生(見た目)が就ける仕事はかなり限られる。
そんな訳で、ぼくは新聞配達とファーストフードとコンビニと工事現場とプリ○ュアショーを掛け持ちしてる。ニセほのかの方もプリ○ュアショーと内職をしつつ、起業家の勉強会とかハッカーのオフ会とかに出かけていったりしている。ニセほのかは取り合えずニセモノの学生証は作ってくれたし、住民票を偽造しようと、住基ネットにアクセスしているみたいだ。家を借りるにも本人証明はいるしね。ホテルは高いし、インターネットカフェも最近は家出した女の子のチェックが厳しい。兎に角住むところの確保が第一だ。
凍死したくなければ。

住民票さえ偽造できれば、ちょっとは今より楽になる筈だ。
バイトから派遣社員に格上げできるかもしれないし、正社員だって夢じゃないぞ。
、、、どう見ても二人とも中学生と言う問題点をクリアーできれば。
無理やり濃い目の化粧をして年を誤魔化したりしないと駄目なのかなー。
「お疲れ様、なぎささん。これ、いつものやつ」
「有り難うございます。お先に失礼しまーす」
お土産にたくさんハンバーガーをもらってぼくは家へと帰る。

絵、描きたいな。
ご飯も終わって、ぼんやりタイム。
ニセほのかのパソコンにはお絵かき用のソフトは入っていない。
勿論、それらのソフトを新たに購入するほどの余裕は全然無い。
描けないとなると余計描きたくなるなぁ、、、
「絵、描きたいんでしょ?」
ニセほのかに図星をさされて、どきっとする。
「、、、うん、でも余裕無いし、、、」
「余裕は無いけど、手は無いわけじゃないわ。今日、衣装もできたし。」
「衣装、、、?」



キャンギャルレオタード【コスチューム専門店【COS-JAPAN】】

黒基調のレオタード姿のぼく。白基調のレオタード姿のニセほのか。
目に変装用の怪しげなマスク。
ああ、なんでぼくはこんな格好をしてるのでしょう、、、思わず、手を上げて質問する。
「あの、この格好にどんな意味が、、、」
「やーね、一葉さん。怪盗と言えばレオタードに決まってるわよ」
いや、巫女さん系の奴(平成11年)とかもあるし、シスターとマジシャンの奴(平成7年)なんかは白と黒だし、結構近いかもしれない。まあ、世代的にはレオタード(昭和58年)なのかもしれないが。
「今からあたし達は怪盗Death Cat’s EYEニャ!旧一葉さん宅へ忍び込み、パソコンと金目のものを押収するニャ!」
ニセほのかの手にはDeath Cat’s EYEカードとかが握られてる。いつ作ったんだ?
「てゆうか、Death Catって何?」
「うちゅーねこ!」
わからん。
「あの。衣装とか、カードとか結構無駄遣いしている気が、、、」
「衣装は自作ニャ!使用後に売れば高く売れるニャ!」
「頼むから売るのは止めて、、、」
ぼくは頭をかかえる。
「ニャをつけるニャ!」
ぼくは首を絞められる。
「く、苦しい、、、わかったニャ」
自作か、、、ぼくはレオタードの強度をチェックしておく。服がバラバラになるのとかがオチだったら嫌だし、、、大丈夫みたいだ。
「はい、ネコ耳」
ネコ耳だ。
「はい、尻尾」
尻尾だ。
「これで、変装は完璧ニャ」
ははっ。そうだね。
「出ぱぁつ!」
「、、、とほほ」

途中、通行人に変な目で見られたり、携帯のカメラで取られたりはしたが(マナー違反だ!)、運良く職務質問とかには引っかからず、ぼくの住んでいた家に着いた。特に白のレオタードは滅茶苦茶に目立つ。今後、怪盗をやられる方はご注意願いたい。
ニセほのかのピッキングでものの10秒ほどでカギが開く。
ああ、懐かしいぼくの部屋、、、散らかってるな。
懐かしいパソコンに頬ずりする。
一方、ニセほのかは箪笥を下から順に開けていき、金目のものを手際よく唐草模様の風呂敷に包んでいく。あ、ヘソクリが見つけられてる。あ、通帳が。あ、印鑑が。
「こんなもんかニャー」
風呂敷をきゅっと結んでニセほのかが言う。
出口から出られるんかい!?と突っ込みたくなるような大きな包みだ。
「そこまでだ!怪盗Death Cat’s EYE!今夜こそ逮捕してやる!」
まぶしい光で目がくらむ。入り口に警官隊。げ!?
いつぞやの年老いた刑事さんと若い刑事さんもいる。
「あ、そう言えば予告状、、、出してたかニャ?」
ニセほのかがなにやら恐ろしい事を口走っている
逮捕された悪夢がフラッシュバックする。警察は嫌い~!
「不味いわね。こっちには執行猶予で仮釈放の人がいるのに。」
がーん。
「、、、こうなったら変身ニャ!」
ニセほのかにカードコミューンを手渡される。
ぼくたちは片手を天にあげる。そしてハモる言葉。
「でゅある・おー○ら・うぇーぶ!」
繋がる手と手。
虹のきらめき。

「プリ○ュア・マーブル・スクリュー!」
「プリ○ュア・マーブル・スクリュー・もどき!」
あ、もどきを付けた方がいいのか?
「く、退避~!」
「自衛隊に応援を呼べ!」
「いや、総理大臣の命令が無いと無理っしょ。」
「せめて、発砲許可を!うわあああ!」
光の奔流が警官隊を包んでいく!
「ぐわああああ!」
「だめだ~」
警官隊、全滅。
はあ、はあ。勝った。勝ったぞ。
「やったぁ一葉さん、撤収よ。はい」
ずしり。
重い風呂敷をしょわされる。
「ぐぇ、、、」
「長いは無用。行くわよ」
ニセほのかに押されてぼくはよろよろと、歩き出すのだった。

「ああ、ぼくのパソコン、、、」
「良かったわね。一葉さん」
こうして、怪盗Death Cat’s EYEの活躍でぼくのサイトは今日も無事更新されるのだった。ありがとう、怪盗Death Cat’s EYE!負けるな、怪盗Death Cat’s EYE!
二度とやらねぇぞ、怪盗なんか、、、

<おわり>

この物語はフィクションであり実在するTS作家さんやプリ○ュアファンさんとは一切関係がありません。無いんだってば。

TS50 プリ○ュアに賭ける青春!ナ・イ・ショク はこちら







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