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奇人変人の食卓(4) by.黒い枕

「ケンにぃ、大丈夫?」
「ん、んん、―――紗千、‥か……」

行く手を遮る壁が消え、倒れ伏している健児を無理やり抱え起こし、呼びかける。
今までの派手なデモンストレーションが嘘のようにあっさりと意識を取り戻していく健児。
何だか、体中が柔らかい何かに包まれている感覚だが、今はそれどころじゃない。

(……何だか妙な感じだが、まぁそれよりもまずコイツを安心させないと、……にしてもよく俺のことを起こせるなんて、……火事場のクソ力って奴か、なあ………)
「ああ、だいじょう…ぶ……ぅ‥? ん、何だ?」

紗千に言葉を掛けようとして自身の声の異変に気がつく。
子供のころよりも、さらに高い声音に変わっていた。
何度も声を上げるがやはり、納得する声が出てこない。
そこで、次々と肉体の異変に気がつき健児は慌てふためいた。
紗千の方は既に違いに気付いていたらしくフリーズしている。

「な、なんだよ、これっ?! 手が小さい、肌が違う、む、胸まで……まさか………っっつつ?!!!――のぉおあああああぁぁぁっ!!!」
「…はは…は…どうかな、異性になった気分は?」

ムカつく笑い声が耳を突っついてくるが無視。と言うか視野にも入らない。気に留められるほど、精神が安定しないのだ。
健児の体は、言葉の主の言う通りに女になっていた。
顔つきはまろやかな女性のモノへと変わっているのは勿論のこと。
出るところは出て、引き締まっている部分は決めている。キッチリ、と。
男にとって一番重要な箇所は……涙目で股間を押さえている姿が。あまりにも哀れなので追求するのは止めておこう。
――見た目、的には可愛すぎる少女ではあるが。


「ん、きゃあっ?!!」

唖然としている健児の胸を弄ってくる突如の乱入者たる幼き乙女の腕。
襲い掛かる雷撃。
脱兎を思わせる声を上げて唖然から、硬直へと変わる。

「……ちょ、……や、め………あっ…」
(な、何だ、この感じ、……じゃない、何の…んん、…つ、つもりだ、紗千!?)

音が聞こえてくるほどの弾力を備えてしまった胸を弄られて、頭がショートして思い様に動けない。
そして、そんな彼を無視して後ろから、忙しく布地の上から小刻みに触れてくる無礼者は紗千であり、無言で乙女が乙女の胸を揉む姿は何とも言えないが不気味だった。

(――――――そそりゃあ、信じられ…んっ…ないのは俺、自身そうだが……胸揉むぅ、のはやめ……あっ)

男から女に変わる。
そんな、信じられないことが起きたなら、確かめたい気持ちは分かる……と言うより、健児自身も同じだった。
だが、方法が悪すぎる。
胸を弄られ続ける度に、未知の感覚が体を瞬時に回り、最後に脳内をゆっくりと侵蝕されていく。

kenji2_1.jpg
挿絵.うつき滄人

そんな健児の思考とは違い―――。

「――――――――な、なん、でっ」
「……うぁ、………えっ? 」
「なんで――アタシよりも大きくなてっるのよおおぉっっ!!」
「………………はっ?」

今、紗千は何て言ったのか。
大きいって何。 胸のことか。 健児の脳はその言葉の意味を理解し始める。―――そして。

「ふざけんなああぁぁぁ――――――っ?!!」

盛大にお怒りになさった。
それはもう、凄まじく今まで迫られていたのが嘘のように拘束振りほどき180度周る。
紗千と同じぐらいのせ背丈で向き合ってる姿は彼が女に変えられたことを雄弁に語ってるようだった。
身長だけではなく、肩幅や足腰などが縮んでいる。
紗千の年上どころか同い年ぐらいの女の子だと思わせ、怒りを表現している顔は、小柄さと女らしさに溢れていた。
強張る意味がないほど『女』だった。
これでは男だったと言う事実のほうが嘘に思えてしまう。そんな変わり様だ。

(何考えているんだ、コイツは……? 俺が女にされて一番に考えることがソレかっ?)

本人にいたっては、正当な理由であったが、変わってしまった姿では凄んでも効果がないと理解して欲しいモノだ。
現に、紗千は彼の意向よりも自身が負けてしまったことで泣いている。
その証拠に、手から離れてしまった柔らかい球体の感触が忘れられず、指先を蠢かしていた。
さらに、こんな目に合わせている張本人の変態怪人……………もとい勝喜は。

「勝喜さま、お茶でございます」
「ん、あんがと。 おお、茶柱が立って……、っあ、沈んだ」
「良くないことが起こらなければいいのですが」
「まったく、だな」

……既に良くないことが起きているのにお茶をのんびり飲んでいた。
喉を通過する、ごくごくと言う音すらこちらまで聞こえてくるほど爽快に。

こんな、理不尽な状況に置かれてたら彼でなくても嘆き――。

「どいつも、こいつも……っつ!! なめとんのかあぁ―――??!」

当然の権利とばかりに健児は、暴発した。
健児がしたことは正しい。
正しいが、その身なりからはどんなことをしても可愛さしか伝わってこない。
――何度も述べてしまうが、外見が美しく可愛らしいからである。

<つづく>

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