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My Little Princess (7)

作.うずら
キャライラスト&挿絵.いずみやみその

 わかっている。こういう場合、移動するより隠れていた方が人目にはつかない。そんなことは明らかだ。それに、裸足のままでは脚が痛いし冷えてくる。現実的に、長距離の移動は困難だった。
「ただ、そうは言っても、な」
 メイドの姿を見つけ、物陰に逃げ込む。そのまま立ち去ってくれればいいものを、留まってなにやら探している様だ。どうやら、ここもだめらしい。
 先ほどから毎回こうだ。隠れ場所となり得るポイントがことごとくつぶされている。姫様がメイドに命じて私を探させている、としか思えない……。人海戦術で来られると、非常に厳しいものがある。
 仕方がない。一度、執務室に行くか? いや、そこも封鎖されているだろう。だが、逆に考えると、盲点となっているかもしれない。その可能性は、捨てきれないはずだ。ここからの最短コースは、うむ、なんとかなりそうだ。
 何度か迂回しながらたどり着いた執務室は、完全に無防備だった。近くに人影なし。扉に耳を押し付けてみても、何も聞こえない。音がしないように、慎重に身体を滑り込ませる。
 念には念を、と、すっかり大きくなった机の下に潜り込む。やれやれ。これでようやく一息つける。とにかく頭を整理する時間が欲しかった。
 さて、先ほどは驚いて逃げてしまったが、良かったのだろうか。いや、もちろん良いはずはない。だが、姫様が男になって、私を妻として迎えるなどと……性質の悪い冗談としか思えなかった。しかし、陛下のご指示となれば、嘘で言えたものではない。
 そう考えると、あれだけの人手を割いて私を探していた、かもしれないことにも合点がいく。なにしろ、未来の王妃だ。
 もちろん、出会ってから今まで、ずっと姫様のことはお慕いしてきた。年若いころは身分の違いに悩んだり、いっそ奪い去ってしまいたいと思ったりもした。
 もっともそれも昔の話。平和に、静かに暮らしていただければ、それでよい。ここ数年で、ようやくそう思えるようになったというのに。
 そもそも、姫様が跡を継ぐことができない理由は女性であることだけだ。それを覆すことができるとすれば? 要らぬ混乱や隙を内外の敵に見せないためには、陛下はご決断されることだろう。多少世俗に疎いとはいえ、聡明な姫様も、陛下に説明されれば納得しよう。
 私を妻にというのも、その流れからするとわからないではない。
 家格に関して言えば、何代か前には王妃を出した家柄だ。女性としてなら資格は十分。そして肉親を除けば姫様に一番近しい存在。さらにいえば政にも詳しいがため、補佐も可能。我がことながら、優良物件といえよう。
 だが……、だが、私の気持ちはどこにある。
 好ましい女性が男になり、その妻になれなどと……。
 ふいに溢れそうになった涙をこらえる。嫌なことから逃げ出し、机の下で泣く。そのまま流されてしまっては、本当に見た目相応の少女ではないか。
 鼻をつまんでじっとしていると、ふと、扉の外に気配を感じた。追手か? それならそれで仕方がない。どうせいずれは見つかる運命だ。心の整理はともかく、諦めはついた。
 呼吸や足音で入ってきたのが男だとわかった。不思議だ。その者の行為が、まるで人目を忍ぶよう感じられる。緊張の混じった吐息。なるべく床が響かないような足運び。
 直接見えるわけではないが、やましいことをしようとしているとしか思えない。少なくとも、私を探しに来たのではなさそうだ。とはいえ、こちらも堂々と名乗れぬ身。様子をうかがう以外にない。
 不意に椅子が引かれた。勘づかれたかとも思ったが、どうやら違う。不審者はなにやら机の引き出しを漁っているようだった。極秘の資料は鍵をかけてしまってあるが、到底許せる行いではない。
「今日こそあいつの弱みを握って……。くくく、そうすればボクが姫様を……」
 この声、ディーンか。今日のことと関係しているのかどうかは別として、想像以上の愚か者だったらしい。行為に対して、起こりうる結果というものを想像もできないのか。
 ……もっとも私の今からしようとしていることも、どうなるか知れたものではないが。ただ、身内として見過ごすことだけはできなかった。
 狭い中で姿勢を変える。少しでも効果があるように。小さく、頼りなくなった手を握りしめる。目指すは脚の割れ目のみ。
 踏み出すと同時に、突貫!!
「おぐううっ!?」
 私の拳を受けたディーンは、床にうずくまってしまった。飛び出して、手近な本の角で殴りつける。
「ひぎぃっ」
 急所に二度も食らえば、痛かろう。とりあえず、しばらく動けそうにないな。さて、あとは、と。たしか壁の本棚にロープがあったはず。
 探し物に気を取られていて、不覚にもガラス戸の影に気がつかなかった。後ろから、今まで感じたことのないほどの衝撃。さらに額を打ちつけて、ようやくディーンに殴られたのだと理解が追いついた。
「このくそガキ! ボクを誰だと思っているんだ!!」
 ぐらぐらと視界が揺れる。さっきのでどこかが切れたのだろう。垂れてきた血のせいで、余計に見えにくい。
 この姿では、先ほどの奇襲に失敗した時点で勝ち目はない。他にあるとすれば、“私”だと認識させるぐらいか。
「ボクはアレックの不正を暴きに来たんだ。それを邪魔しやがって!」
「私がそのアレック・メイフィールドだと言ったら?」
 じだんだを踏んだり、手を振り回したりと忙しかったディーンが止まる。一言で信じるとは到底思えないが、多少の効果はあったらしい。
 力の入らない脚を鼓舞し、なんとか立ち上がる。棚を支えにしないといけないのが情けない。
「今日、女装した私をナンパしただろう? これを知っているのはわた、あっ!?」
 頬がじんわりと熱を持ち、目の前がちかちかと点滅する。気力で踏ん張っていた膝が、崩れてしまう。
「あの男、他人にしゃべったのか! くそっ、くそっ!!」
「ち、違う、私がっ、あぐっ、ぅぅ」
 今度は肩を蹴り飛ばされた。折れてはいないだろうが、左腕の感覚が絶えている。
 生まれて初めて覚えた、死への恐怖。逃げるしか、ない。
 残された右腕と、持てるだけの力で入口へ這う。遠く。それは絶望的に遠く。
 ディーンの靴先が、私の前途を遮った。
「どこへ行く気だい?」
 はるか上を見ると、冷笑を浮かべた従弟の顔。こんな残忍な表情もするのか。
「このまま殺してしまってもいいんだけど、ボクって平和主義だからさ。くくくっ、今からキミをボクのペットにしてあげるよ。良く見たらかわいいし、そのうち美人になるだろうし。まあ、それまで生きてるかどうか知らないけど。下着も着けずに、そんなスカートを履いてるんだ。キミだって本望だろう」
 ぞくりと怖気がはしった。みっともないことに、震えが止まらない。
 姫様ともイルマとも違う、モノのような扱いで抱えあげられた。そのまま、執務机に落とされる。木とぶつかった華奢な身体が悲鳴をあげる。
「ふんっ、脱がすのも面倒だな」
 言うなり、服が肩からはだけられた。それはまるで、最初に姫様にされたときと、同じ格好で。
「ゃ、あ、痛っ」
 露わになったわずかな膨らみにディーンが触れる。指輪を付けたままで、力任せに。もしかしたら、よほど育っていれば、それでも少しは気持ちいいのかもしれない。
 しかし、未成熟な私には痛みと嫌悪感しか湧いてこない。ごつごつした手が嫌だ。痛いのが嫌だ。こいつに良いように触られている自分が嫌だ。
「ちっ、やっぱりガキはガキだね。面白くもない」
 胸を触っていた手が、一瞬離れる。ようやく終わるのかと思ったら、ギリギリと敏感な乳首がつねられた。息ができなくなるぐらいの激痛。
「ぎっ……なら、やめ」
「いやだね」
 心底うれしそうな笑顔。これが私に対していつも卑屈だった、あのディーンかと思う変貌ぶりだ。従う振りをして逃げようなんて、考えが甘かった。本気で何とかしないと、私自身が壊される。
「もう面倒だ。多少痛いぐらい、大丈夫だろう?」
 恐怖を与えようとのことだろう。わざとらしくゆっくりとベルトを外し、ズボンを下ろす。下着の中から、おぞましいモノが現れた。つまらないなんて言いながら、太く、大きく反り返っている。成人男性としては普通程度かもしれないが、今の私にはそれが途方もなく巨大に映った。
 簡単にひっくり返され、尻を上に向けられる。全然濡れていない膣。その入口に、少し湿り気を帯びたものがあてられる。
「ひっ……む、むり、そんなの、むり」
「やってみないとわからないだろう? それに決めるのはボクだ」
「あがっ、ぃぎゃあぁっ」
 めしめしと、カラダが裂かれる。
「っ、やめ、いた、あぐぅっ!」
「あー、切れちゃった? それとも初めて? まあ、いいか。すべりもよくなるし」
「やだぁっ、いたい、いたい、よぉっ」
 わたしの悲鳴も涙もおかまいなしに、ディーンが腰を動かす。そのたびに、気絶しそうになり、また、よびおこされる。
「ふ、んっ、ガキのくせに、なかなか……出すぞ、っ」
「いや、いやあぁああっ」
 おくの、おくのほうに、あついものがはいってきてる。やだやだやだやだやだ!!
 ささっていた剣がぬかれる。ごぽっ、ごぽっとわたしのなかから、なにかが出ていく。
「せっかくご主人様が入れてやったのに。ダメなペットだなっ!」
「ひぐっ」
 ほっぺがいたい。でも、でも、もっと、むねのおくがいたい。
「ほら、誓えよ。舐めろよ。ボクのペットになるってさぁ!!」
 指がさしだされる。白とちょっとだけアカい。
 これをなめたら、わたし、ぜったいもどれない。けど、しなかったら?
「おとなしく言うこと聞けばいいんだよぉ、ガキは!」
 コロサレル。
「あ、あぐ、ぅぅ」
 くちをすこしでもゆっくりちかづける。
 くさい。きもちわるい。おなか、いたい。むね、いたい。
「ふははっ、そう、それでいいんだ。ほら、速くしろよ」
 ドアがあいた。いっぱいいっぱいひとがはいってくる。
「なんだ、貴様ら! ボクはただこのガキを、っひぎゃあっ」
「アリッサ、アリッサぁ!!」
 やだ、わたしをみないで。わたしにさわらないで。
 や。
 せかいがしろい。わたし、てんごくにいくのかな。……ひめさま――

<つづく>

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