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悪魔を呼んでみよう (9)

俺こと『石塚さとる』が女変症という世界でも類がみない奇病にかかり、性別が男から女になった事を実感するようになってから15日が経過した。
人間、慣れとは恐ろしい物で、 「絶対にみにつく事はない」と思っていた『女物下着の装着』という行為が実にスムーズに出きる様になってしまった。
この女性物の下着という代物。意地でも身につけたくないと思っていたのだが、わずか2日にして女性の身体にとっては不可欠な物だという事に嫌というほど身を持って知ってしまう事になるとは。

女性物の下着と言われたら殆どの人がまず頭に浮かぶであろう品物であろうと思われるブラジャー。俗に言う『つるぺた』ならいらないのかも知れないが、未だによく分からないCカップとかいう大きさまで膨らんだ俺の胸にはないと大変困る事になってしまう。
まず始めに揺れる。これがもうブインブインと音を立てるんではないかと思うくらい、おもいっきり揺れる。しかも激しく揺れると何故か全身の方がそっちの揺れに釣られてしまう位、激しいのだ。
そしてその揺れによる一番の弊害は他人の視線だ。特に男からの。男だった俺からすれば気持ちは分からなくない。しかしあのへばりつくとも形容して言いと思う、ねっとりとした気持ち悪い視線は耐えられる物じゃないぞ?
しかし最も困るのが・・・擦れるんだ。その、首が?しかもちょっと走るとかといった行為をすると・・・硬くなるんだ。その、く、首が??
んでもってしばらく擦れ続けると、何だか気持ちよくなってきて、そんでもって気が付くと腰に力が入らなくなって、そんでもっていつの間にか・・・。ゴメン、それ以上は言いたくない。
そんでもって次点としてあげられるんじゃないかなーと思っているのがパンツことショーツ。昔の人いわくパンティーらしいが。親父はそう言ってたし。
今まで俺が履いていたのは俗に言うパンツ系はトランクスとかビガーパンツとかだ。ところがこのパンツを履くといまの俺にはこれまた擦れる。しかもこっちはヒリヒリと痛いだけできもちよ・・・ゴホンゴホン。
そんな訳で今の俺は女性用の下着を仕方が無いから使用している。こればかりはどうしようもない。しかしいくらアンダーが女性物になったからといって俺の心の中では未だに自分は『男』だと考えている。その為、俺の部屋の内装は女変症にかかる前と同じままだし、着ている部屋着も以前と同じままだ。外に出る時もズボンを履いている様にしている。

え?学校ではブレザーを着ているじゃないかだって?しょ、しょうがないだろ。学校に行く時の制服は女性用じゃないと保護対象にしてもらえないだからさっ!
保護対象制度についての説明は省く。 まあ性別が強制的に変わってしまった元男性に対する生活保護とか精神ケアとかそういった物を国が保証するって事らしい。実際な話、俺も完全には理解していない。

話の流れを修正しよう。

俺の身体は確かに女性に変わったが、俺の心の中では自分はまだ男だと思っている。生まれてこの方16年、男として生きてきた。それがいきなり女として生きろと言われても納得がいくものではない。
つうか此処まで姿が変わると自分の意識だけが別人の身体に潜り込んだのではないかと疑いたくなる。そう考えてしまう位、元の俺の身体と今の俺の身体の共通点が無い。
とは言え、この身体の所有権は俺にある。よってこの身体をどの様にするかは俺の判断で決まる事になる。
そんな訳で現在俺は身体を男に戻す手段を深夜遅くまでネットで調べるのが日課になっていた。英語の資料とかもしっかりと目を通している。もっとも簡単な英文なら読めるが専門用語満載のは何を書いてあるのか全く理解できないでいるのだが。

そしてここ数日の調査の結果分かった事は、現状では『元の身体に戻る』事はほぼ不可能だという事だった。まあ女変症による変態が終わった時点で受けたレクチャーでもそう言われていたのだが。そういった意味では収穫は特にないとも言ってもいい。
もっとも『男になる』事は出来なくはないらしい。整形手術やホルモン注射などといった性転換手術による手段を講じればだが。それをしても女性の身体を男性のように見せかける程度の効果しかなく、女変症を患う前の元の肉体になる事は無理らしい。
実を言うと、女変症にかかった患者が完全に変態を終えた後も戸籍の性別は男性のままであったりする。理由は上記にあげた様に手術を受けて肉体の男性化をする事が許可されているからだ。ちなみにこの手術の負担金も国がもってもらえる事になっているらしい。
しかし女変症を患った元男性の9割は戸籍の性別を女性に変えてしまう。理由は原型を留めないほど肉体が変貌してしまった為、男性化手術を受けても元の姿に戻れない事に絶望し、いっその事とばかりに女性である事を『受け入れてしまう』からだ。
だが俺には元に戻る事を諦めていなかった。自分の元の姿に執着があったし、何より自分が『女』である事が受け入れられないからだ。

それに・・・実はここまで元の姿にに戻るのに拘るのはもう1つ理由がある。それは女変症という病気そのものの存在を俺は認めていない為だ。
確かに3年ほど前から女変症という病気が出現した事を知識として俺の頭の中では存在している。
だが、俺には何故かつい先日までこのような病気が無かったと思えてしょうがないのだ。いや、ほぼ確信していると言ってもいい。このような病気など存在していなかったと。
今の俺の姿は間違いなく女性の身体だ。股間の棒はないし、胸だって膨らんでいる。実際には見てないが医者からは体内に子宮が出来ている事も告げられている。
しかし俺には自分がこの姿になっているにも関わらず現実味が全く沸いてこない。まるでどこかで異様に精巧に作られたヴァーチャルゲームでもやっている様な気がしてならないのだ。
現実に女変症という病気が世界の至る所で発症している。その事は皆が認めている事実なのだが、俺だけが「このような病気は存在しない」という考えをどうしても拭いきれないでいるのだ。
俺が妙な妄想に犯されているのか?それとも両親や義一を含めた俺以外の人全員が騙されているのだろうか?
俺は自分自身の考えの所為で悶々とした日々を過ごさなくてはならないのであった。

夜の12時を跨ごうとする時間になり、俺はパソコンの電源を落とした。つい先日までネットで見ていたのは基本的にファッションやら今の流行について語るホームページだったのが、今では病気に関する論文をまとめたサイト(ただし女変症に関する物だけだが)を見ることになるとは、人生何があるのかよく分からない。
男だった時は夜更かしを簡単に出来たのだが、この姿になったら低血圧の所為か目が覚めても30分以上は起き上がれないので0時前には寝るようにしている。何が不満なのか、この身体だと充分な睡眠を取らないと体調が悪くなってしょうがないし。
椅子から立ち上がり、頭を掻きつつベットに向かう。その僅かな道中、ふと下に目線が落ちた。
するとベットの下から何か黒い物が僅かに顔を覗かせている事に気がついた。今までは下に目線がいくと胸に生えている二つばかり存在しているでかい球体が目の中に飛び込んでくるので、極力下を見ないようにしていた為に気がつかなかったようだ・・・と思うんだが。何故今まで気がつかなかったのかは自分でも不思議だ。
屈みこんでその黒い物を拾ってみると、それは真っ黒な表紙の一冊の本だった。表紙には「A SuMMonS」と灰色で書かれているだけで後は取り立てて特徴をあげるものがない、実にシンプルな装丁の本だ。

何だっけこの本・・・と思い返してみると、徐々にだがこの本について思い出してきた。
そうだ。この本は2週間ほど前に義一に古本屋に付き添いをしたお礼だと言う理由で買って貰った本だ。第一印象の時点で妙に気になっていた本だったので、安い事もあり「折角だし」と思って購入してもらったんだ。
この本の内容は確か・・・。「悪魔」、特に「悪魔の召喚儀式」についてやたらと詳しく書かれていた、気がする。悪魔とはどんな存在で、その悪魔をどうすれば召喚できるか、その為に必要な条件となる資材や時間や環境などetc、etc。それこそもう、ここまで書くかと思うくらい異様に詳しく。
そうそう。胡散臭い事この上ない内容だったのが妙に説得力があったので、試しにやってみたんだっけ。深夜0時丁度に儀式をそしたら確か・・・
そうだ、あの時。俺の目の前に「悪魔」が現れたんだ。

そう思った瞬間。

「あーあ。貴殿、思い出しちゃったか。」

まさしく不意打ちと言わざる得ないタイミングで。俺の背後から聞いたことがない「女の子」の声が流れてきた。
慌てて振り向くとさっきまで俺がネットを閲覧する為に使用していたノートPCが置いてある机の上に、1人の少女が腰掛けていた。

年齢は15歳前後・・・くらいだろうか?身長の割にはどことなく「ペッタンコ」という表現をしたくなるくらい身体に凹凸が見ることが出来ない。
そんな事が分かるくらい目の前の少女の身体が描く曲線ははっきりと分かる姿だった。いや、この少女は服を着ていないのだ。
胸元に申し訳程度の、股間にはショーツが、そして足はストッキングの様に真っ黒な物が覆っている。それ以外は少女は惜しげもなく肌色を晒していた。必要最低限な下着を着けただけのほとんど裸体と言ってもいい格好だ。
・・・違う。真っ黒な物は布ではない。それは真っ黒な、いや漆黒な色をした体毛だ。絵の具の黒色よりも更に濃い黒い毛が、少女の秘部をまるで下着を身に着けるているかの如く身体から生えている。
10歳の幼女を思わせる幼い顔立ちをした目の前の少女は、意地悪そうな笑みを浮かべながら血の色よりも紅い目で俺を面白そうに見つめている。そしておかっぱを思わせる髪型を形作っている髪の毛の色も漆黒の黒。そして髪の上は2箇所。鬼のように少し尖っている。
いや、違う。あれは・・・犬の耳?そうだ。少女の頭から犬の様な耳が生えている!
そして何よりも少女の異様性を際出しているのは全身に巻きつく大蛇。美しくも淫靡に濡れた色を放つ七色の蛇は、全身で舐め回す様に尾は少女の尻に絡みつき、そして胴体を上半身を絡みつけ、頭を少女の横に並べるかのように俺の方を向けると少女と同じ色をした瞳で俺の方を見ている。
しかし、ここでも俺は勘違いしている事に気がついた。蛇の尾は少女の尻に絡みついているのではない。少女の尻からまるで犬の尾っぽの様に蛇が生えているんだ!!

いつの間にか俺の目の前にいる異常性と異様性、そして異形性を含んだ少女に俺は圧倒され声をかける事が出来なかった。
混乱する俺の頭の中で、何故か1つだけ冷静な思考が流れていた。「俺はこいつを知っている。」という考えが。
そうだ。俺は知っている。こいつの漆黒の体毛。深紅の瞳。尾のように生えている七色の大蛇。そして何もしていないにも関わらず圧倒されるこいつの威圧感・・・・!!
・・・・!!思い出した。そうだ、姿形は違うけど、こいつは・・・こいつは・・・!!

「お前は、あの時、俺が呼び出した!」
「そう。私はあの時にお前が召喚した存在、悪魔だよ。」

俺の叫びに、目の前の少女、「悪魔」は不適に笑った。
童顔と言えるその顔には全く似合わない筈の表情にも関わらず、その笑みは少女に実に似合っていた・・・。

<つづく>

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