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笑いごっちゃない
「『人生の悲劇は2つしかない。ひとつはちんちんのない悲劇。もうひとつはちんちんのある悲劇。世の中はちんちんだ。ちんちんが悲劇を生む……』」
夕食のソーセージをつつきながら、ルームメイトの健がボヤく。
「おい、『ちんちん」じゃなくて『男性器』だろ?」
「どっちでもいいじゃないか。どうせ、俺たちにはもう、選択権ないんだし」
そう、俺達には明日はない。というか、今日の夕方には女性化手術を受ける。
こんなことになっちまったのも、きれいごとばかり並べる民衆党に、政治に無関心な国民が無責任投票しちゃった結果だ。
民衆党がヤバイって、みんなが気がついたのが遅かった。立て続けに不祥事問題、外交政策の不手際を繰り返し、国民からノーを付きつけられても、強行採決の繰り返しで、議会の解散もせずに4年間通してしまった。
その結果、珍妙な法案がいくつも通された。
そのうちの一つがこれ。「女性化法」。
民衆党の中に、頭のおかしいフェミニストがいて、さっき奴が言っていたのと同じようなことを主張して、若年世代を強制的に女性化して平和な社会をつくろう! などと主張したのだ。
驚いたことにこんな無茶な法案でも、あっさり可決してしまった。
そのおかげで、全寮制の男子校だったこの学校の生徒も、全員女性化されることになったのだ。
いきなり全員を女性化するなんて無理だから、寮の部屋ごとに2人づつ。
そして今夜が俺たちの番。
「なぁ、広。 俺達どうなっちゃうんだろう?」
「どうって?」
「真っ先に女にされちゃった101号室の奴ら、もう一ヶ月前から、上級生からレイプされてたってよ?」
「知ってるよ。おまえ、今頃知ったのか?」
「なんだ、お前知ってたのかよ?」
「男子ばかりの寮に女が2人きりで暮らしてたら、そういうことも起きるって、なんで気がつかないんだろうな?」
「寮監は見て見ぬふりらしいぞ。まったく! これがバレたら、あんな無茶な法律だって、無くせると思うんだけどな」
「だから揉み消したいんだろ? 寮監のクソババァは、民衆党のシンパだぜ?」
健は知らないだろうが、実は女性化された寮生はほとんど例外なく、レイプされている。
たいていは、まだ処置が先の上級生から。
いずれ自分たちも女性化されてしまうから、”男のうちに“ってことらしい。
俺たち下級生は明日は我が身だから、大半は自分がされたときのことを思って暴挙に出る奴はいないが、なかには上級生と一緒になって、女性化した寮生の部屋を荒らしまわっているのも居ると聞く。
で、そういう事をしていて、女性化された奴の部屋は、寮生公認のレイプ部屋と化しているっていう話だ。
女性化した元男子生徒は妊娠しない。
妊娠するには、精子だけじゃなくて、卵子も必要だ。だが、卵子ってのはその人間が生まれるときにしか作られない。
つまりもともと女性として生まれていなければ、どれだけ完璧な女性の体にされたからと言って、卵子を持っていないから人工的に受精卵を子宮に入れられない限り、妊娠なんてしない。
それをいいことに、元男子生徒を上級生がレイプしまくっているというわけだ。
「マスコミにチクったらどうかな? そうすれば、俺達だって、女にならなくて済むんじゃないか?」
「今さら手遅れだよ。もうあと何時間もないんだぜ? 外出だって禁止されているのにどうやって?」
「電話とか、ネットとか……」
「チェックされているに決まってんだろ! だいたい政府の提灯マスゴミにチクったって、どうにもならないよ」
健はもともとそういう情報には疎く、のほほんと学生生活を送るタイプだったから、多分知らないんだろう。
カウンセラーや”女生徒を外部から守る”と称して構内には、怪しい連中がたむろしている。
十中八九、それは政府からの回し者だ。情報が漏れたり、密告者が社会に出ないように、監視しているに違いない。
それでも“そういう試み”をした奴は何人かいる。だが、例外なく即座に強制女性化されて……今は怯え隠れるようにして、生活している。
何かしらの“ペナルティ”が課せられたのは、明白だ。
「なぁ、お前も、その……誰かとヤったのか?」
「してねえよ」
「ほんとか?」
「ほんとだよ。お前もやらないほうがいいと思うぜ」
「どうしてだ?」
「後で酷い目に合わされるって話だ」
実は俺のクラスには、そういう目にあっている奴が居る。ヤられまくって頭が少しおかしくなっているらしい。
授業中にもかかわらず、オナニーを続けて悶えているのだ。みんな見て見ぬふりをしているが。
そいつの同室だった奴は長期欠席中だ。奴らの部屋で何があったのか、想像がつく。
健のクラスには、そういう奴がいないのかな? いたとしても、健が気がついていないだけかもしれない。
「お前も、おれが女になったら、おれのこと、レイプするか?」
「安心しろ。そん時は、俺も女だ」
「そっか。そうだよな……。俺たち一緒なんだよな」
「いいから早く食え」
「最後の晩餐か……」
大げさな奴だ。別に死ぬわけじゃない。女になるだけだ。
そう、女に……。
おれは皿の上のソーセージをフォークでぐっさりと突き刺し、噛みちぎった。
夕食のソーセージをつつきながら、ルームメイトの健がボヤく。
「おい、『ちんちん」じゃなくて『男性器』だろ?」
「どっちでもいいじゃないか。どうせ、俺たちにはもう、選択権ないんだし」
そう、俺達には明日はない。というか、今日の夕方には女性化手術を受ける。
こんなことになっちまったのも、きれいごとばかり並べる民衆党に、政治に無関心な国民が無責任投票しちゃった結果だ。
民衆党がヤバイって、みんなが気がついたのが遅かった。立て続けに不祥事問題、外交政策の不手際を繰り返し、国民からノーを付きつけられても、強行採決の繰り返しで、議会の解散もせずに4年間通してしまった。
その結果、珍妙な法案がいくつも通された。
そのうちの一つがこれ。「女性化法」。
民衆党の中に、頭のおかしいフェミニストがいて、さっき奴が言っていたのと同じようなことを主張して、若年世代を強制的に女性化して平和な社会をつくろう! などと主張したのだ。
驚いたことにこんな無茶な法案でも、あっさり可決してしまった。
そのおかげで、全寮制の男子校だったこの学校の生徒も、全員女性化されることになったのだ。
いきなり全員を女性化するなんて無理だから、寮の部屋ごとに2人づつ。
そして今夜が俺たちの番。
「なぁ、広。 俺達どうなっちゃうんだろう?」
「どうって?」
「真っ先に女にされちゃった101号室の奴ら、もう一ヶ月前から、上級生からレイプされてたってよ?」
「知ってるよ。おまえ、今頃知ったのか?」
「なんだ、お前知ってたのかよ?」
「男子ばかりの寮に女が2人きりで暮らしてたら、そういうことも起きるって、なんで気がつかないんだろうな?」
「寮監は見て見ぬふりらしいぞ。まったく! これがバレたら、あんな無茶な法律だって、無くせると思うんだけどな」
「だから揉み消したいんだろ? 寮監のクソババァは、民衆党のシンパだぜ?」
健は知らないだろうが、実は女性化された寮生はほとんど例外なく、レイプされている。
たいていは、まだ処置が先の上級生から。
いずれ自分たちも女性化されてしまうから、”男のうちに“ってことらしい。
俺たち下級生は明日は我が身だから、大半は自分がされたときのことを思って暴挙に出る奴はいないが、なかには上級生と一緒になって、女性化した寮生の部屋を荒らしまわっているのも居ると聞く。
で、そういう事をしていて、女性化された奴の部屋は、寮生公認のレイプ部屋と化しているっていう話だ。
女性化した元男子生徒は妊娠しない。
妊娠するには、精子だけじゃなくて、卵子も必要だ。だが、卵子ってのはその人間が生まれるときにしか作られない。
つまりもともと女性として生まれていなければ、どれだけ完璧な女性の体にされたからと言って、卵子を持っていないから人工的に受精卵を子宮に入れられない限り、妊娠なんてしない。
それをいいことに、元男子生徒を上級生がレイプしまくっているというわけだ。
「マスコミにチクったらどうかな? そうすれば、俺達だって、女にならなくて済むんじゃないか?」
「今さら手遅れだよ。もうあと何時間もないんだぜ? 外出だって禁止されているのにどうやって?」
「電話とか、ネットとか……」
「チェックされているに決まってんだろ! だいたい政府の提灯マスゴミにチクったって、どうにもならないよ」
健はもともとそういう情報には疎く、のほほんと学生生活を送るタイプだったから、多分知らないんだろう。
カウンセラーや”女生徒を外部から守る”と称して構内には、怪しい連中がたむろしている。
十中八九、それは政府からの回し者だ。情報が漏れたり、密告者が社会に出ないように、監視しているに違いない。
それでも“そういう試み”をした奴は何人かいる。だが、例外なく即座に強制女性化されて……今は怯え隠れるようにして、生活している。
何かしらの“ペナルティ”が課せられたのは、明白だ。
「なぁ、お前も、その……誰かとヤったのか?」
「してねえよ」
「ほんとか?」
「ほんとだよ。お前もやらないほうがいいと思うぜ」
「どうしてだ?」
「後で酷い目に合わされるって話だ」
実は俺のクラスには、そういう目にあっている奴が居る。ヤられまくって頭が少しおかしくなっているらしい。
授業中にもかかわらず、オナニーを続けて悶えているのだ。みんな見て見ぬふりをしているが。
そいつの同室だった奴は長期欠席中だ。奴らの部屋で何があったのか、想像がつく。
健のクラスには、そういう奴がいないのかな? いたとしても、健が気がついていないだけかもしれない。
「お前も、おれが女になったら、おれのこと、レイプするか?」
「安心しろ。そん時は、俺も女だ」
「そっか。そうだよな……。俺たち一緒なんだよな」
「いいから早く食え」
「最後の晩餐か……」
大げさな奴だ。別に死ぬわけじゃない。女になるだけだ。
そう、女に……。
おれは皿の上のソーセージをフォークでぐっさりと突き刺し、噛みちぎった。
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でもこの設定で温めれば、オムニバス形式でBLと百合がごたまぜになったSS連作ができそうだなw
反響があれば、検討してみよう……ってその前に「星の海で」の決着つけなきゃ(~_~ )