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翻訳性転換小説第67番 Driven ノセられて(その2)

原作    Driven  原作者   Topaz172 email:topaz172@aol.com

「起きてくださいませ。ご主人さま」
内股に僅かな痛みがあって、オレは目を覚ます。
あ、あれ?
この声は?
「白バイがすぐ後ろに来てます。あなたが居眠り運転をしてると思っているようですわ。警官を欺く為に、首と耳が悪い振りをしてくださいね」
え?
あ、ああ。
オレはウインドウを下げて言われた通りに警官に答える。
「すいません。もう少し大きな声でおっしゃって下さい」
「ああ。耳が悪かったんですか。寝ているのかと思いました。どうもすいません。それでは」
白バイは速度を上げて走り去る。
ふぅ。
って、ここどこ?
オレは路肩に車を止めて、声が出ていると思われる場所に向かってしゃべる。
「お前、だれ?」
「あなたの愛車、ルゥですわ。ご主人さまぁ」
可愛らしい女性の大きな声が響く。
「もう少し、小さな声で」
「かしこまりました、ご主人さま。申し訳ありません」
しょぼんとした声の感じにちょっと言い過ぎたかなと反省する。
「えーっと。どうなってんだ?」
「ご主人様が運転中に眠ってしまわれたのでぇ。仕方なく、自動モードを起動しましたぁ。だって、ご主人さまったら気持ちよさそうに眠ってらしたからしょうが無かったんですぅ。でもでも、警官の奴に見つかっちゃいましたのでぇ。仕方なく、起きて頂きましたぁ。ホンット、むかつくぅ」
「あー。そんで、ここ。どこ?」
「GPS表示!表示、拡大!ここでーす」
「インヴァネスだって!?」
オレは蒼ざめた。
「あたし、ご主人さまがどこに行こうとしてたのかな、って考えたんです。ハンドルは北に向いてたから、そのままずーっと北かなって思ったの。すごいでしょ」
「OH!MY GOD!」
オレは途方にくれた。
「そんな大げさな。有難う、で十分ですわ、ご主人さまぁ」
「あ、ありがとう」
はるか遠くに来てしまった。
どうしよう。
「えーっと、明日の午前8時までにブリストルに戻れるかな?遅刻したらスミスの奴に殺されるんだ」
「もちろん、大丈夫ですぅ。あたしにお任せ願えれば。ご主人さまはずーっと寝ていらっしゃって大丈夫ですよぉ。絶対、絶対大丈夫ですから」
「判ったよ。任せる」
「ありがとうございます。ご主人さま」
急に、彼女はトーンを下げてオレに囁く。
「ご主人さまはリラックスした睡眠状態に戻ると思います。あたしはご主人さまに聞いて頂くサウンドを調整致しますね」
「ああ」
オレは背中をシートに深く埋める。
眠い。
とても眠い。
すっと眠っていたのに。
ヘッドレストが自動的に調整されてオレの頭を包み込む。暖かいイヤホンがゆっくりと、しかし、しっかりと耳に挿入される。
かすかな音楽が聞こえる。
なかなか聞き取れない。
それを聞き取ろうと集中しているうちに。
オレは深い眠りに落ちた。





アキラが行方不明になった。
仕事に来ない。
あいつはそんな奴じゃ無い。
何かの事件に巻き込まれたのかもしれない。
探さなきゃならない。
行かなけりゃ。
オレは毎日仕事が終わればアキラを探しにルゥを駆って街を走り回った。
スミスの野郎はこのままだとアキラをクビにするだろう。
そう言うと、ルゥはアキラがいそうなところを探し回りましょうと提案してくれた。
その通りだ。
それが友達ってもんだ。
おまけにルゥとドライブもできる。
水曜日までアキラの捜索に自由時間を全部注ぎ込んだ。
ルゥは、あちらこちらにアキラのいた形跡が有る、と言う証拠を見つけて来てくれた。
そのどれもが、素敵な長旅となった。
ルゥに乗っての旅はまったく疲れることも苦痛も無かった。
最初は怪しい場所から回った。
行きつけのバーや酒場の類。
好きだったボクシングクラブ。
でもだんだん、可能性が低いところまで回るようになった。
優雅な歩き方の講習会。
ランジェリーの展示会。
エステティッククラブ。
アロマセラピー。
奴はこんな趣味だったのか?
謎だ。
奴は一体どうなっちまったんだ。
オレには分かる。
奴の身が危ないんだ。
木曜日の夜。
家へ帰ろうとしたら、ルゥに呼び止められた。
「待って。もう少しお話していたいの」
「オレもさ」
だから、オレたちは長い長い間語りあかした。
ルゥの中で寝た。
ルゥは素晴らしい。
魅力的だ。
とっても。


ルゥはまるでオレの為に作られたような。オレの欠けた半分であるかのようだった。そして、オレとの会話からさらにルゥは進化していくのだ。オレはもうルゥを手放せなくなっていた。
ルゥはオレが大好きなあの音をオレの為に流してくれる。
オレはあの音を聞いている時が一番気持ちよくって、落ち着くのだ。
うっとりと幸せな気分になるのだ。

それにルゥはオレの人生の全ての領域において、面白くて洞察に満ちた意見を持っているようだ。
まさか化粧をする事がこんなに複雑で面白い事だとは今まで思いもよらなかった。ファンデーションの塗り方一つで、見違えるように綺麗になるのだ。オレは化粧の楽しさに夢中になった。

なぜそんなことを知っているのか分からなかったが、ルゥはなんでも知っていた。そして、もちろん。彼女は最良の手段を知っていたし、それはとても魅力的だったのだ。
例えば、ストッキングとタイツのどちらが良いか?
 「あら、試してみれば良いじゃありませんか」
まったく、その通りだ。なんでこんな簡単な事に気がつかなかったのか。
 
実際に、やってみた。

やっぱり彼女は正しかった。ストッキングの方が、断然、良いっ。すごく良いっ。
そして、サスペンダーを取り付ける事で、もっと。こんなにもセクシーになるんだ。
ああっ。 
あたり前だが、この実験は科学的な正確さを期する為、足の毛を全て脱毛してから行った。念の為。

<つづきはこちら>

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