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ジェラルド三姉妹の狂愛 ~ナタリアの誘惑~ (1)

作.黒い枕
キャラ&挿絵.うつき滄人

『――ねぇ、起きて……起きてよ竜也。 もうリュウヤったらっ……』

無粋な声の侵入で唯川 竜也の夢は掻き消された。
とてもいい夢を見ていた。
初恋の相手や、その妹たちと仲良く過すというもので、健全な男性なら自然と色夢に変わるように彼の夢も、そのような展開に縺れ込んでいく――はずだった。
長女のグラマーなスタイルと濃厚な女の風味。
次女の肉体のライン。
特に意外に大きい乳房と、くびれ折れそうな手足。
三女にいたっては、そういう女性的な魅力はまだないにせよ、その未成熟特有の可能性。
その全てが、手に入るはずの夢。
それが彼女たちと同じくらい、刺激的な声に掻き消されたのだ。
せめて、夢の中だけでも『男』として三姉妹と色欲を帯びたセックスをしたかっただけに、竜也の怒りは計り知れない。
だが――目覚めた瞬間、彼の顔は怒りでなく驚愕に歪んだ。

「ほらっ!日本人は早寝、早起きが基本でしょ」
「……んん…なんっ!!……おわぁッ!? ……ちょ、ちょっと待てぇ!!」

視界に美女を収めた瞬間、ホット・コーヒーを飲まされたみたいに意識が覚醒した。
そして唯川 竜也の脳内に、寝起きの頭痛とは違う危機感が響き渡る。
見れば、ベッドの両脇にある電気スタンドが付けられていた。
電球の全力ではない淡い光が、中途半端に部屋を照らしている。
そんな中でも――いや。
小さくて、頼りない光だからこそ、自分の体にのしかかっていた人物は妖艶に美しかった。


(な、なっ、なぁっ、なんでっ!? ナタリアがぁッ………!?)

過去に見たアダルト映像よりも、淫靡で、淫猥で、美しい女神――ナタリア・ジェラルドが目のやり場がない姿で、恥らうどころか、獲物を捕らえるように手と足で自分を捕捉していた。
嫌な感じが、火山の噴火のように爆発する。
心が、かき乱された。
夢と同じように彼女も、竜也自身を望んでいる。が、違う。
完璧に、徹底的に。
彼女が望んでいるのは、『唯川 竜也』の肉体なのだ。
我がことなのに、どこか他人事みたいに感じてしまう竜也。
これも、非日常――による影響なのか。

「もう…そんな大声上げないの。妹たちに迷惑でしょうが」

薄暗くても、美女だと把握できてしまうほどの端麗な顔と、女らしい肉付き。
つい先ほどまで幻想で楽しんでいた相手。
そして、同時に自分の同居人の一人であるジェラルド三姉妹の長女――ナタリアは、さも異変などないように彼に妖しい笑みを投げつけるが――。

「うあ…ぁ……なんで、なんでっ、下着姿で俺の上にいるんだようッ!? いい加減夜這いに来るのは止めてくれ!…っていっているだろうがっ!!」
「相変わらず初心なところがかわいいわね。うふふ、こんな下着姿だけで恥ずかしがって……何度も、あたしたち姉妹のか・ら・だ・を好き勝手している色男のくせに……クフフ」

それが、どうした?と、言うみたいに女の肉体をすりつけられた。下着だけの姿で。
確かに、彼女の言葉には嘘はない。
が――同時に事実でもなかった。

「だって、それは……だっていつもいつも!おまえ、お前たちがぁ」
「うふふん。可愛いな。お耳ふぅーふぅーしちゃう!」
「くあっ!?こ、こら!あ…くうン!あ…やめ!ちょぉ!?」

痛いところを突かれ、言葉に詰まっているのか、言葉がまとまらないのか。
まるで、癇癪を起した子供のように、竜也はまともに喋れなかった。

「ほらほら。気持ちぃぃでしょう?」
「くおっ!ぉぉ…っ!」

そんな竜也の童謡を見透かしているナタリアは、さらに親密に体を擦り合わせる。
見事な天然巨乳のふんわりさが、しなやかさが、ほんのりとした温もりが――脳に現実として伝達されてくる。
まるで、子供のように――竜也はナタリアの色香に翻弄された。

(くあっ……この…デカすぎるぅ!卑猥すぎるぅ!)

その上、彼女の肉体美と黒く布地の少ない下着の組み合わせは、ナタリアのチャームポイントを極限まで引き上げているのだから、責められている竜也には、堪ったものではない。
普通なら、積極的な女性が男に迫っている光景だろう。
しかし、残念ながら唯川 竜也とナタリア・ジェラルド――を含む三姉妹――の関係は特殊で、
竜也は、数分後の未来を予測してしまい、強引に枕元まで後退した。


「もぉー、何で逃げんのよ? こういう時は『食わねば男の恥』でしょうが。覚悟しなさいよっ………お姉さんが気持ちよくして上げるからっ」
「い、イヤだっ! 勘弁してくれよ、折角アンナから取り戻せたんだからっ!! ケイトの約束もあるのに!…ここでお前に体を入れ替えられたら、三ヶ月以上も戻ってないことになるんだぞっ!?
……だっ、第一にいつも楽しんでいるのは、お前らだけじゃねえかぁぁ?!」
「そんなこといって…リュウヤだって楽しみにしているくせに。……我慢はよくないよ? ……それに
私たちの体と釣り合っている竜也の可愛さがいけないんだから、こっちの性欲も満たして貰わないと……ほら、数時間は自分に戻れた訳だし、問題ない!ないっ!」
「何その不条理ッ?! 俺は可愛くないし!いじらしくないし!色っぽくない!! …それに何で自分の体にいられるのが数時間しかないんだよ?!!…わぁ! こらぁ、ヤメろ、ナタリアっ!!」

逃げようとしても、ナタリアは上品な皮膚を重ね続けて来た。
イヤらしく体をくねらせ、密接してくる。
小動物のように身の危険を察した竜也は、ドアから逃げ出そうと身体を強張らせた。

「ん…くうっ……!」
「むだむだ。諦めなさい…うふふ」

しかし、習慣とも言える麻薬のような痺れに、体を思うように操ることが叶わない。
迫りくる宝石のごときエメラルド・グリーンの瞳から、彼は逃れられなかった。
これから起きることは彼女に好意、または欲情の類の情を抱かなければ、回避できることだと、
彼自身も分かっている。
そう、分かってはいるのだが、どうしても欲情してしまう。
欲望が高鳴り、四肢から順に麻痺が深まった。

(くそっ…やらけぇ……いい匂い、だ……ううぅ)

体が麻痺しても、体の自由を奪われても、彼は欲望を滾らせた。
生憎なことに、彼女は魅了できない男はいない、と断言できるほどの美女。
三姉妹は全員美人だが、ナタリアが一番、大人っぽい色香を放っていた。
髪の優雅な匂い。
と、微かながらも臭ってくる雌の匂いの二つの体臭が思考を曇らせる。
強制的に異性を意識してしまうナタリアの魅力に、竜也の理性とは反対に体は高鳴り、支配欲が満ち満ちてくる。
これまた生憎と――否。
『皮肉』なことに、唯川 竜也と言う人間は、ナタリアのような美女に迫られて、邪な感情が沸かないほど『男』を棄てていなかったのだ。

「ダーメ。嘘吐きのいけない子にはた~っぷりお仕置きしないと……年長者として。――ほら、紋章だって既に浮き彫りになってきたから、あともう少しだよ」

紋章と呼ばれる刺青と真ん中に真紅の碑石が竜也の額に現われた。
同時に、ナタリアのおでこにも麗しいブロンドの髪の間から宝石が見え始める。
ただし、彼女のは色違いの、真逆の、ディープブルーの宝石だ。


(くそっー!! また、またもかよぉッ!? ……ああ、いけないと、思いつつも俺は、俺って奴はぁー!! こっ、らぁぁやめてくれえぇぇ!!)

額に現われる単調な紋章と赤いガラスの粒が、完璧に光臨したら最後、竜也は昨日までと同じように心身ともに弄ばれてしまう立場に落とされてしまう。
怯えきった心。
しかし、その反面、ナタリアが言ったような禁忌の欲望が走る。
反撃しようとするも、既に遅い。
ナタリアに限らず残りの姉妹たちにも『*****』を強制されて最後まで突き放すことが叶わないのだ。
押しの弱さに殺意すら抱くし、本当に自身が望んでいるのかと、疑いたくもなる。
いや――もしかしたら本当に――本心で望んでいるかもしれない。
ただ気付きたくないだけではないのか。
そう思ったら、恥辱心の奥底から、ちょろちょろ――と、未知の感情が沸いてくる。

「ああっ!くううぅ…っ!」

泣きたくなる心境のまま竜也は抵抗ひとつ示せず、儀式が終わりを迎える。
竜也とナタリアの額に浮き出た赤と青の宝石が、深く眩しく光を灯した。

そして――ナタリアは竜也の唇を奪う。


外見上は普通の口付け。
だが、これは単なる儀式行為。
愛情表現ではない。
が、それでも嬉しく思う自分がいた。
そう思ってしまうのは、『女』に飢えている証拠か。
はたまた、彼女たちと一緒に、この遊戯を楽しんでいるのか。
此の頃は、毎日のように悩んでしまう命題だ。
もっとも、竜也には、そんな命題を考えている余裕はない。どんどん、『自分』が奪われる。
『唯川 竜也』が、遠退いていく。

(うがあぁっ!!やめ…おおっぉぉ)

紋章と宝石の魔力がナタリアの肉体から魂を竜也の肉体へと、注ぎ込む。
受け皿となった竜也のほうは、内部にナタリアそのものを感知し、同時に精神と肉体の連なりが消失する。
文字通り、神経が切断されていくみたいに、感覚が無くなる。
心だけ足掻き続けるも、既に視覚すらもなかった。

終には、全身からまったく神経を感じられなくなる。
どんな回数を重ねても、馴染むことはなく――畏怖と不安と、一粒の悦楽と共に――唯川 竜也の意識は肉体から完全に消えた。

(――あぐうっ!?)

そして、気がつけば竜也の目の前に奇妙奇天烈ながら『唯川 竜也』がいた。

「ひぁ?…ひぁうぅ!」

思わず、可愛い悲鳴をあげてしまう。
ずっしりと重い胸とお尻、そして繊細な肌の感覚に、引っ張られて。

「ふふ……成功だね。リュウヤ」

先ほどまでの二人が逆転したように、遊び人の印象を強く滲ませ、ニコニコしている『竜也』。

「あっ…ああっ…こんなのぉっ…」

そんな竜也対して、『ナタリア』のほうは過剰なアプローチを急に恥じたかのように顔が赤く、目が潤みきっている。
――否、違う。
竜也とナタリアの心情が反転したから、表情や仕草が変わったのでない。
彼らの魂と肉体が入れ替わったのである。
あの接吻でナタリアの魂は竜也の肉体に入り込み、竜也の魂はナタリアの肉体に移し変えさせられたのだ。

――今や竜也が『ナタリア』になり、ナタリアが『竜也』。

これが発動された魔法――宝石と紋章、そして魔力の効果――であり、長女から始まった
肉体交換による性遊戯だった。

tatuya01.jpg

<つづく>

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