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クジラの人魚姫5-3

(3)

チャイムの音が鳴る頃にはコスプレお姉さんであるクジラは、舞い上がっていた。
優しく扱われることだけでも涙を流すほど嬉しいのに、一時とはいえ、沙希と密着した時間を過ごせて、興奮を隠しきれないのだ。
放置していれば、鼻歌で踊り出してしまうだろう。

(次はなにかなぁ…?)

今度も沙希に教科書を貸して貰おう――などと私欲に燃える。
入れ替わってからずっと受身だった為に、どんな小さなことでも『攻める』ことに貪欲になっていた。
皮肉にも男――元の体――の時よりも、積極的に沙希に関わろうとする。

「じゃあ、行こうか。セラスちゃん」
「うん――って、行くぅ?な、何に?…い、行く?」

が――嫌な予感に幸福感が急激に下がった。
彼の問いに反応したのは、左にいた人物。クジラの姿をしたセシリウスだ。

「おいおい、次は――『体育』だろぉ、ほらっ、時間割にも書いてある」
「なぁーんだ……『体育』かァ。もう脅かさないでよ沙希ちゃん、あたしびっ――って
体育ゥゥ!?」

普通で、平凡で、当たり前な授業。
驚くことはない――と、判断したのは彼の明らかな過失だろう。
そして絶叫したのも間違いだった。
クラスの皆――特に女子たち――が、好奇心で輝いた瞳で近づいてきた。
『セラス』はさらに慄き、沙希と『クジラ』はアイ・コンタクトをする。そして――。

「じゃあ行こうか。 セラスちゃん」
「あっ、ちょ――まぁッ」

問答無用に沙希は困惑していたクジラを、否『白方セラス』を引っ張っていく。
その後を、女子が慌てて追う。
『待って、私たちもクジラさんの体見たいっ』――と異口同音で、口走って。
男子は男子で、悲しみを露にし、中には本当に泣いている者までいた。
余程、女子たちに蹴散らされて『セラス』と仲良くなれなかったのが、悲しいらしい。

「ふぅ、まあ、いいかっ…俺も早く着替えよっ」

戦意喪失する男共を慰めるかどうか迷うも、セシリウスにはそんな義理も義務もなかった。
本心では悲しみに打ちひしがれている男子と同じ心境なのは間違いはない。

(後は――任せたわよ。沙希ちゃん。 メッチャクッチャにしてやってよ!!)

しかし、それでも十分に楽しめると踏んだので、欲望を抑えたのだ。
自分には頼れる共犯者がいる。
だから、ことの顛末を聞けば良いし、魔法で記憶を読取ることも可能である。
彼女の、いや彼女たちの作戦に死角はない。
死角などあってはいけないし、失敗は許されない。
その証拠のように同時刻、『セラス』は既に沙希と多くのクラスメイトに洗礼を受けていた。

――女子特有の裸の付き合い。

クジラにとって地獄でも、セシリウスと沙希、そして女子にとって至福の始まりだった。

~~

漫画などの架空の物語で度々見かける女子同士の裸の弄り合い。
男だった彼は、そんなもの男の勝手な妄想だと思っていた。が――それは間違いだった。
完全なる自分の思い込みだったのである。
にじり寄る興奮した女子の軍勢に、クジラはそう悟った。

「はぁはぁ――イイ体してるじゃねえか!」
「ハァ…ハァ……やる?やっちゃう?…あうっ!かわ…可愛いぃいいい!!」
「じゅるる、ハッ!?無意識に涎がッ!!」

戸惑う彼よりも先に、と音速で着替えた女子たち。
その様子は明らかに常軌を逸していたが、――誰も心配しない。誰も止まらない。
クジラ以外のこの場にいる全員が発情してしまったらしい。
それぞれが熱い吐息をこぼす。

「ちょ――っ!!あ、あのさぁぁ!!落ち着いてよ。 こ、こんなの変だよォ!?」

女子が獣臭い雰囲気を醸し出し、近寄ってくる。
沙希やセシリウスのお仕置みたいに、いや彼女たちの揉み方を真似しているかのような指の蠢き。
過剰な好意に反応したのか、『セラス』の背筋にビクンと電気が走った。
肌に恐怖を擦り込められ、神経が上手に動かない。

「タッタンマ、本当にィィ――」

物理的には指一本すら触れられていないのに、この悪寒。
体から冷汗がこぼれる。

(ヤバイよぉぉ!なんだか分からないけど、ヤバイぃ!ひぃいい!)

潤んだ瞳と微かに染まるピンクの頬、そして美しい紅唇。
――現実を処理できずに小刻みに打ち震えながら、『セラス』は肉体から牝の魅惑をぷんぷん、と匂わせていた。

「セラスさんも早く着替えなよ! ほら、貸して――っ」
「あっ、じ、自分で出来る、…から!!」
「なにいってるの。もう時間ないよ!…ないったらないの!!だから…女の友情を受けなさい…!」
「きゃっ!あっ…ぃ、いいよ!じ、自分で、できるよおぉ…っ!」

セシリウスから渡された薄茶色の布袋を簡単に奪われる。
完全に体が萎縮してしまい体どころか、口も上手く動けない。言い訳すらも半端になる。

「さぁ…さ、沙希…た、助け…てぇ…っ!」

恥も外聞も、そして演技も忘れて幼馴染に助けを求めた
その姿が、さらに少女たちの異常な愛欲を増加させるとも気が付かずに。
幼女の可愛さと、卑猥な体のアンバランスさから生まれる甘美な魅惑に、誰もが抗えない。
『誰も』――が。
彼の幼馴染である沙希も論外ではない。むしろ――。

「ひァんン!!? えっ!? ちょ――ひぃン、?!!」

突如、制服とブラに包まれた乳房に痛みが走る。無視できない快感も炸裂する。
にゅぐっにゅぐっ、とゼリーを彷彿させる変形特有の響きが、脳をジリジリと焦らせた。

「ふ、ぁあン!? やめ、やめ、て……」

乳房を揉まれている。何人もの人の指が、柔房を上手に解していく。
男のモノとは違う細く力のない指が、乳を嬲っていた。
自分よりも弱い柔らかな肉を見下すように。

(やめ…、このォ…ン、……ここは家じゃないん……あっ)

皆が、クラスメイトが見ている中で痴態を晒している自分。胸を弄られ、悶々としている様を『セラス』として見られてしまっている。
恥かしさと妙な快感に体が否応なく、高揚する。
無慈悲に火照るセシリウスの肉体が、どこまでも憎い。

(やめォ!? くそぉぉ!! ひゃあ!!? っさ――)

クジラには、分かっていた。見なくても、誰が自身の胸を揉み解しているのかを。
慣れてしまった特有の揉み方に、確信を持って名を叫ぶ。

「さぁ――沙希ぃぃ!! じょっ冗談、はぁ……んっ……だめぇ…!」

クジラの悲鳴に、沙希は顔を出す。
罪悪感の一つも感じていない惚れ惚れするほどの小悪魔的な笑み。
むしろ、彼女は快感で酔い痴れた声で、皆に命令を下した。

「ほら、みんな。今のうちセラスちゃんを楽しんじゃえ!!」

『おおー!!』
――、といくつもの声をクジラが認識した次の瞬間には、様々な部分が摘まれていた。
沙希の指の上から、またはまだ刺激されていない腰やお尻、太ももまでもが、易々と弄られる。
全身が遊ばれてしまう。
擦って、捻って、揉んで――と。

「んァ!!ダメェェ!!ひぃ!?」

叫ぶ声は届かず、靴と靴下を奪われた。
一気に股の下のほとんどが、外界に晒される。
ストッキングさえも脱がされ下半身に外気が降り掛かる。妙にゾクゾクする疼きに、腰が浮かぶ。

「沙希さんばっかりズルぃ!私にも胸揉ませて――うわっ、何この弾力――癖になりそう~~!?」
「あたしも――エイ!!きゃっ!?すご~ぃ!」

沙希の掴みの隙間を縫って、指がにゅぶっり、と差し込まれる。
痛くはない。けれども房を窪ませる力と衝撃に、痺れが脳裏に走り抜ける。
お尻がむちっ、と弾み上がり、一緒になって胸部がむにょんと上下に踊った。

(うわっ!!そこ…は!?あっダメええ!?ひゃン!?ちょ、ちょとどこにィ!?)

<つづく>

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