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執事と妖精と姉さんとメタボと 第一話 by さまらん

第一話

「あぁ…こんな所に閉じ込められてはや2週間…姉さんは元気にしてるかなぁ…。」

彼女がこんな所にいるのはしっかりとした訳がある…それは…。

リュシカ
キャラデザイン:蒼都利音

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2週間前


「リュシカ君、すまないがこちらの部屋の掃除を頼めるかね。」
「かしこまりた旦那様。」

メタボ気味な男性は一人の優しそうな青年に命令を与えた。
男性はとにかくメタボだった、頭はハゲそう、必死にハゲないような努力はしていると思われる。
ハゲている部分は脂ぎった汗に包まれ臭そうな雰囲気を出している。
さらにトドメを刺すかのように体型はやばかった、そして服装はパジャマだった。

逆に青年のほうはひょろひょろした体型で温厚な印象を与える。
執事が着てそうなスーツ、首周りには蝶ネクタイがこれまた温厚な印象を与えた。
リュシカ…と呼ばれた青年はメタボの命令を聞き掃除の準備を始めた。
メタボは「私はこれから遠出する。」と、いきなり青年から離れて行った。
青年は「いってらっしゃいませ。」と一言告げた後、掃除を始めた。

そういえば旦那様を見送らなければ…いや、いいか。
青年はそう思った。


「第一…考えてみるんだあのメタボ野朗……!
ハゲのくせにいっつも人に命令ばかり与えてどうせ遠出すると言っても浮気相手の女との旅行だろう。
ヤルだけヤって2週間は戻らない…!いっつもそうだ。
メタボの本来の妻である女も浮気してると知ってて何も言わない、何か言ったらどうだあの女も!
くそっ!っていうか何で僕が部屋の掃除なんかするんだ!
こんなモノ…メイドにやらせておけばいいだろ!」

もはや温厚な青年は別人に見える、そして彼は一言間をおいた、その顔には怒り、何かを溜めていた印象しか残らない。

「どちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

青年の叫び声が館中に響いた…。

それから30分後だった、青年は先ほど掃除していた部屋に座らされていた。
温厚の青年から怒りの青年にシフトしていた青年は…反省の青年にシフトしていた。

「旦那様にあんなこと言ってて…ほぉんとぉにぃ!いいのかしらん?チクるわよ。」
「スミマセン…はんせいしてます…。」

青年は青年より一回り大きい女性に正座を強いられていた。
黒をメインとして白いエプロンに身を包んだ、所詮メイド服を着た女性に反省の青年にさせられていたのだ。
青年より大きい女性は所詮メイド長だ…名前は…

「しっかし…いい!?次そんな事言ったら次こそは 殺 す わ よ !?このリサト、二度目は言いませんからね。」
「はい…申し訳ありません…リサト姉さん。」
「姉さん言わない、メイド長と言いなさい。」
「スミマセン…。」
「ああもう!アンタのせいでもう30分も作業遅れてるじゃない!じゃあそのまま仕事しててね!」

リサト姉さんもといメイド長はスカートを翻し部屋の外に出ていく。
30分作業遅れたのはこっちもだよ…大体誰のせいだと思ってやがんだ…あのクソ姉は…
「冷静に考えろ、一番悪いのはあのクソメタボだ、メタボのせいだリサト姉さんは姉さんでやかましいしお前は僕の保護者かよ!
年だって3歳しか離れてないじゃねーか!僕はもう18歳だぞ!くそっ!そっちはまだ21歳じゃねーか!
身長は無駄に高く僕より約4cmも高い!お前本当に女かよ!175cmはあるだろ!」くそったれ……。

聞こえてるわよ、と声がかかるのはそう遅くなかった。

遅れたが僕とリサト姉さんはこの屋敷で働いている。
メタボが経営するこの屋敷はメタボが先祖から引き継いだ大きな屋敷らしい。
二人とも、親の借金のカタにここに行かされた。
必死に頑張った結果、ここで住み込みで働いて3年。屋敷の運営をほんの少し任せられた執事。
リサト姉さんはメイド長になった。
しかし休日という休日が無く、毎日同じような事してばっかりだ。
客の対応、部屋の掃除…掃除…掃除…そういえば半年前に屋敷の外に出たっきりどこにも行ってない。
ストレスも溜まる、溜まる…溜まる…でも僕には一つ趣味がある。

それはガーデニングだ。

メイド達にも評判がいい僕の手入れた庭は僕の誇りであり象徴であり全てであり僕の希望だ。
僕は仕事の合間、仕事が終わってから手入れを必死に行ってきた。
一時期は向日葵ばっかり植えてて向日葵馬鹿と、メイド達に言われてきたが最近は別の物も植えている。
ラベンダーは後一年もしたら咲くだろうか、そしたらラベンダー風呂とか楽しみたい。
今の時期、そろそろ薔薇のチャイナローズが咲くだろうか。しかし咲いたら咲いたでもう少し経てば冬に入る。
冬に入ったら大抵が葉を落とし枝になる、それが悲しくてたまらない時がある。
食べ物に関しても力を入れている、ハーブも作っている、色々な物を作っているがガーデニングが好きでたまらない。
さくらんぼの木は3年ほど経ち実がついてきた、秋にたくさん実がついたためまとめて採取しお手製さくらんぼジャムを作ってみたが…。
メイド達は甘すぎる、と言ってたぶっ殺してやろうかと思った。
そしてそこらからやってきた野鳥にさくらんぼの実を結構食べられていたりした。
鳥除けを設置したりしたがガン無視で食べる野鳥もいるのでたまらない。
結局は網掛けを木全体に覆うようにしたら、野鳥がその網に引っ掛かっていて笑った、一応逃がしてあげた。

と…これ以上語り出すと止まらないのでやめておこう。

そろそろ休憩時間だ、掃除を中断し(まだやってたんだぜ)僕はその時間を使ってミニトマトの採取に行こうとする。
ミニトマトは生命力が強く大抵の場合水だけやってればたくさん実をつけてくれる猛者だ。
食堂にいるメイド長からボールを借りて(ボールをぶん投げられて渡された頭に当たる所だった)採取に行く。
結構取れただろうか…採取したミニトマトを一つつまんでみる、うまい!
僕はガーデニングの天才だ!僕は一人でニヤニヤした後食堂に採取した物を渡そうとした。

「あ!そのトマトちょうだい!5つ程!」

後ろから声のかかった聞きなれないメイドの声だ、新人だろうか。新人だったら執事の僕に何て口だ。
制裁っ……!と言おうとし振り返ると誰もいない。疲れているのだろうか。
ふぅっ…とため息をついて食堂に行こうとしたが…。

「なによ!一つくらいくれたっていいじゃない!」
「僕に何て言い草だああああああああああああああああああああああああああ!」
「ひぃん!」

驚いた女の子は驚いていた、驚いていた女の子だが普通とは違った。
青いショートカットの髪の毛、青い透き通った羽、白い手足、アレが見えそうなワンピース。
そして身長は僕の頭(15cmくらい?)だった…。

「えーと…そういった生物を何て言うんだっけ…!」
「妖精よ妖精!妖精のアカネ!」

その妖精は、アカネと名乗った…いや、アカネという人種かもしれない。

「トマトトマト言う以前にさっさと仕事に戻ったらどうだい君は。メイド長に報告しておくよ?」
「誰よメイド長って……そもそもあたしはここで働いてないわよ。」
「僕の姉だよ。」
「ふーん…それはいいとして、いきなりだけどあたしを保護してくんない?」

妖精は僕を回るようにして飛びながら物事を要求してくる。
頭をウロチョロしてて鬱陶しい事この上ない、まるで夜間寝てる時にぷ~んという音を鳴らしながら来る蚊みたいだ。
今考えると妖精という物は僕も聞いたことあるが、こうやって実際に見るのは始めてだ。
どうやら生息地不明みたいな感じらしい、どこぞやのゲームでよくこのメッセージが表示された。
ウロチョロしていた場所に残像が残るかのような何か青い点々が残されている、それが太陽で輝いて一層、幻想的な雰囲気を出していた。
それに青い髪の毛(ショートカットではなくリボンでしばっていた、結構長い髪の毛だろうか)に、よく見ると美少女といえる顔、青を基調としたワンピース(今更だがこれはドレスか?)
何より耳が妖精っぽい、人間のそれの形とは違う。妖精の動作の一つ一つがまさしく「女の子」だった。胸も少しはあるのではないだろうか。

「ねぇ、あたしを保護してって言ってるでしょ?」
「保護するにしても何にしても僕は残念ながらロリコンじゃないんだ、僕を誘っているつもりみたいだけど無駄だよ?」
「…アナタ結構ズレてるわね…優しそうなお兄さんなのに…。」
「ズレてて結構……僕はガーデニングの手入れで忙しいんだ、とっとと帰ってくれないかい。」
「だめよ!あたし……。」
「?」

「 家 出 し て き た ん だ も ん 。 」

「…そろそろ休憩時間が終わりそうだ、僕はこれにて失礼するよ家出にしろ何にしろ君は早く帰るんだ。」
「無理だよ!あたしこのままじゃ家の為に結婚させられるの!あたしの結婚する男がこれまたメタボでひどくてハゲで脂ぎってて…オヤジなの!
あたしはまだ14にも満たない女の子なのに…ひどいわ……。」

妖精は涙目になりながら僕の顔を相変わらずウロチョロして必死に僕を説得しようとする。
『ひどいわ』あたりで僕の顔の前から動かずにワンワン泣き始めた。
メタボで脂ぎってるとは、まるでこの屋敷の主人みたいじゃないか。
何だか可哀そうになってきたな…仕方ない。

「僕の部屋、好き勝手に使ってもらって構わない今から案内するよ。今日の食事はこのミニトマトで我慢してくれ。」
「えー!トマトだけじゃ飽きるってー!」

ぶっころしてぇ。


その夜、仕事を全て終えて僕は自室へと上がった。
部屋に入ると僕は絶句した、綺麗に片付いていた部屋がゴチャゴチャになっている。
服という服は散乱している、ゲーム機もありったけ出されて無茶苦茶。タンスは全て開いている。
挙句の果てにベッドの下に置いていたアレがベッドの上に置かれている。
そのアレ…本だがそれが開かれておりアレの上に美少女な妖精がニヤニヤとその本を読んでいるのだ。
所々おお、うわぁー、すごい!とブツブツ言っていた。

「お…ま…えは……。」

怒り、それ以外の言葉以外無かった……。


3時間後、何とか僕は部屋を整理した。
何でも、人間の洋服類そして趣味をありったけ調べてみたかったのゴメンネ!(キリッ とかほざいていた妖精がいたのだ。
その妖精を手ごろなロープで柱に縛りそのまま放置して片づけを行ったのだ。
いざ終わり時計を見ると深夜2時…こんな時間でガサゴソするとは何て情けない……。

「もう!そろそろ許してよ……。」
「もうちょっと反省してろ。」
「ねぇ。」
「なんだよ…僕にこれ以上話しかけるな。」
「そういえば名前聞いてなかったわね、あたしは妖精のアカネ、ピチピチの妖精だよ。」
「ピチピチは余計だ……リュシカ、この屋敷の執事だ。」
「執事!?こんな物読んでるのに!?」
「それは男という男はみんな読むもんだ、ああもう知らん!僕は寝る!おやすみ!」
「ちょっとちょっと!せめてこれほどいてよ!」

ジタバタする妖精をしり目に僕はベッドで睡眠を始める、疲れた。
明日は早い、こんな調子で早く起きれるだろうか…。

------------------------------------------------

朝6時、執事の仕事は早い。
まず本日のスケジュールのチェック、今日はメタボの妻のお客様が来られる日だ。
今日もいい天気だ、朝食が出来ていると思う。起きようと……

「ぐっ!」

意識がグラッとし思うように立ち上がれない、喉がカラカラで顔が熱い…もしかして…。
リサト姉さんに電話し体温計を持ってきてもらい、それを脇に入れる。
3分後、ベルが鳴り響いた。

38.0

と数字が書かれていた、リサト姉さんはため息をついた後「今日は何とかするから寝てて。」と言い部屋から出て行った。
情けない、熱を出してしまうとは執事失格だ…。どれもこれも…

「あの妖精があんな所で現れなければ…深夜2時まで僕は掃除する事はなかったはずだ…一日7時間は寝ようと心掛けているのに…
くそっ!くそっ!熱が出たのもあのクソ妖精吹っ飛べばいいのに………!」

今気がついたが妖精がいない、縛っていた柱の下にロープが落ちている。
何かしらの方法で脱出していたのだろう、色々と叫んでいる妖精を無視して僕は寝ていたからよくわからなかった。

「おはよう、今日もいい天気ね。ご飯を食べない?」

まだいたか……ベッドで寝ている僕の胸の↑に妖精は女の子座りで座る。スカートはうまく両手で押さえてガードしている。
昨日と変わらない服、家出してきたとか言ってたが着替えも何もクソも無いのだろかこの妖精は
というかトイレとか一体どうしてるんだ、妖精の力じゃ外には出られないはずだ。
そして部屋は片付けた後のままだった、ゴチャゴチャになってないのでそれだけは許す。

「僕は今しんどいんだ、早く出て行ってくれ。」
「今出ていくとあたしは見つかってしまうわ、かくまって、って言ったはずでしょ?
それに好き勝手部屋を使っていいって言ったのは誰よ!?」
「使うにしろ何にしろ限度ってものがあるだろ…人のプライバシーも考えずに使いやがって…。」
「いいじゃない!私も性に興味がわく時期なの!」
「女の子がそれ言うなよ…まるでリサト姉さんみたいな奴だな…ったく。」

しばらく沈黙した後だろうか、妙なアングルのまま妖精がこう言った。

「ねえ…あたし達身体を交換しない…?」

何言ってんだこの妖精は、やっぱり吹っ飛べばよかったのではないかと今でもつくづく思う。
ああもう、だるい、寝たい、しんどい、もっとしんどくなってきた、もう何で僕がこんなに貧乏クジばっかり引くんだ。
メタボにしろリサト姉さんにしろこのクソ妖精にしろ、だるい。

「ねえ。」
「ああもう!好き勝手にしろ!勝手にしろ!知らん!何が何だか知らんがやってみるならやってみろ!この馬鹿!」
「……やったね☆!」

Vサインをした妖精は熱を出して死にそうになってる僕を無視して一人ではしゃいでいる。
ここまで煽られて怒らない妖精も珍しい…いや、さっき怒ってたよな…性に興味がわく時期なの!(苦笑)って感じでいやー笑えるな。
僕に大したものだ。

「やり方は簡単なの、目を閉じてね!」

もう閉じて寝る準備をした僕は、何かが顔に近付いてくる感じがする。
まぶたを開こうとした瞬間、ほんの一瞬だけ妖精の小さな小さな顔が僕の唇に当たった感じがした。
何かが空に飛んでいく感じが全身をかけぬけた後、僕の意識は闇に消えて行った………。

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2話以降が楽しみです。続編の更新が楽しみにしています。

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