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「魔獣のミルキー」第二話   by.VOLTAGE

魔獣ねぇ・・・
確かに魔獣はかっこよかったり、可愛かったり、強かったり援護してくれる。
立派な存在だと自分は思ったりする。
自分も魔獣は欲しいし初めは魔獣使いになりたいとも思って真面目に勉強していた時期もあった。
だけど魔獣は魔力のある肉体にしかなついてくれない存在だ。
まあ今言った通り俺には魔力を持っていない人なんだ。
魔力は親の遺伝子の影響を受けて所持量が決まっていく。
そして俺はほぼ0。「魔力を持っていない。」
だから俺は魔獣と唯一触れ合える魔獣使いに憧れている。
カンナのような魔獣使いにならなくても魔獣と一緒にいられるような生活が愛おしい。
俺の残念エピソード(自分が魔力を持っていない件)・・・思い出すだけでつらいぜ★
だからこそ魔獣使いと・・・いや・・・魔獣と会える亜鬼との戦いに入り込んだのだと思う。
魔獣は戦いの援護要員として活用されることが多い。(※魔獣使いは魔獣に指示を出して戦う)
他のことに活用される場合もいろいろあるけど。
ちなみに剣を使い始めたのは魔獣を使えないとわかり、挫折したとき、
同じく魔力を持たないS級剣豪士。父は俺に剣技を伝承してくれた。
S級とはその分野においてずば抜けて優秀なこと、優秀な成績を作ったこと、成し遂げたこと。
魔導院の亜鬼対策本部が出す特例及び緊密な任務をもらう。
B級は努力で成し遂げられ、A級(二つ名を魔導院からもらう)は才能を携え、S級はアスリート、プロ、四天王などよりも強く、
天才の域に入る。父の二つ名は「巨剣の暴雨」。
自分はこの父の影響で剣豪士という道を進むことになった。
父は月食の日に起きた第一回亜鬼魔導院大戦で活躍した
大戦中の三つあるS級5PT(パーティ)の一人で、近衛担当の剣豪士だ。
そして、カンナの母も遠衛担当(魔獣使い)の一人だ。
今から行く郵便局は乗り物に乗っていけばすぐにつくような近いところにある。
だからそこまで準備しなくてもいいと思って・・・。
「カズさんは準備したんですか?」
清楚で規則正しい魔獣使いカンナ様はまた同じことを聞いてきた。
カズさ~ン呼んでますよ~なんて心の中でとぼけてみる。
「ム…無視しないでください!怒りますよ!!」
「あ~ごめんごめん。」
(もう怒ってるだろ・・・なんて言えないな)

「いきますよ」
そっけない態度だ・・・もう笑顔で会話できそうにない。
「はいはい・・・」
とりあえず無視しないということで。
「そういえば㊙任務にされるぐらいの荷物ってどんなの?」
㊙ってぐらいだからとっても重要なんだな。
「覚醒石というものらしいです。私もあまり知らされていません」
ふーん。俺も全然分からん。
「何か知っているものとかはあったりしない?調べたとか・・・」
「そのための準備の時間が必要なんです。事前に調べるのは亜鬼と敵対するものとして基本ですよ。それくらい熟知しておいてください」
説教は頼んでないよ・・・
「私が知っているのは覚醒石とは亜鬼強化のための道具です」
「は?なんでそんなのがあるの?」
「調べた範囲までですが、それは月の破片で、いつの間にかあったらしいんですよ。」
「いつの間にかにね・・・」
月の石がなんで亜鬼を強化する物質かというのは、
亜鬼は月から放射される魔力をエネルギーとして使って生きているらしい。(魔導院の研究部が実験した結果)
「ですから、本当は月食になると亜鬼がエネルギーをもらえなくなって死滅する。そう思いません?」
「まあ普通に考えれば・・・」
「亜鬼は人の魂(魔力)を餌にすることもできるんです」
「魂・・・」
「魂を喰われた人間は運動能力が急激に低下し、やがて心臓の動きが止まり、死にます」
「マジか・・・」
「死んだあとの体に亜鬼が卵を産み付けます。」
「え!?卵!?」
亜鬼が卵生なんて初めて聞いた。
「はい。その卵は半日で孵(かえ)り、宿主(死体)の残りわずかな魔力を奪って成長します」
どうやって魔力食べてるんだろうと、素朴な疑問はスルーしようか。
「魂って確か魔力の源だよな?」
「えぇ・・・そうですが?」
「俺・・・無いかも。」
「・・・」
「・・・」
二人の気まずい沈黙が刹那な時間なのに永遠という気分を味わった。
カンナのか細い腕が小刻みに震えている。
そしてカンナは俺の顔をキッと鬼のようないや・・・亜鬼のような鋭い涙目(!?)で睨んできた。
いや・・・怒りながら泣かれても・・・魔力持ってないのは事実だし俺・・・悪くないし・・・
でもそんな目で見ないでほしい・・・俺が悪いみたいじゃないか(悪いことには自覚なし)
「カッ・・・カズさんはじょっ・・・冗談がうまいですね・・・」
信じてるのか疑ってんのかどっちだよ。
証拠もないのに信じちゃダメだろ・・・
「いや~なんでわかった?」
証拠がないだろ?と言おうとしたら・・・
「わ・・・私のセイ---
※どうやらセイとはカンナのフェレットに似ている魔獣の名前らしい※
---いつも人懐っこいのにあなたに近づかない(魔獣は魔力を持つ者に懐く特性を持つ)し、
私の体感魔力(体で判断する相手の魔力の数値)でもあなたの魔力は感じれなかったから…もしかしたらもってないかと思って……」
「別に無くてもよくね?」
「あなたはいいかもしれないけど真っ先に狙われるのは魔力が多い私なんだよ?」
確かに・・・俺には亜鬼が近づいてこない。むしろ俺の太刀でおびえているようにも見える時があった
「ん・・・とりあえず泣かないで・・・」
「泣いてない・・・」
「え?泣いて------
「泣いてなんかないよ!!」
------るじゃん・・・」
セリフの途中に割り込まれた・・・。
カンナは鋭く静粛させるように叫び、
まっすぐな大きな声を出した。
俺の目の前で・・・
「カズさんは私のことを守るから安心して!みたいなこと言ってくれないの?私ばっかり不安要素詰め込んであなたは襲われる心配もないだろうしあったしみたいな不細工な女についてきてほしくねぇ~とか思ってんじゃないの?」
「カンナは不細工じゃねーよ」
思ったことをそのまま言う。
「はぁ?そういう・・・ことを・・・言ってる・・・わけでは・・・な・・・いの…ですが…」
声はだんだん小さくなりつつも、カンナは反論してくる。
「口調っていうか性格が変わってたぞ?」
こんな子供っぽいところも見せてくれるんだな・・・
新しい一面だな・・・
「ごめん…」
「あ…謝んなって、俺のほうもあんまり重荷を持たせ過ぎたと思うし…な?」
「うん。わかってくれればいいよ」
上から目線で俺にこう言っているが、
俺に向ける本音が出たようで他人行儀の口調が少し柔らかくなったような気がする。
「じゃあ改めて行こうか・・・」
「うん。」
余談だが、魔導院を出た後なのに亜鬼の姿が見えないのは不思議だった。
もうすぐ郵便局のはずだけど、
特徴的な時計塔がないので郵便局ではなさそうだ。
「あれか?」違うような気がするが一応聞いてみる。
「違います。あれは情報部。魔導院と科学院の中継局です。」
科学院の人たちは魔力を使わずに科学について学んでいる。
「そうか、あんまり外の風景を見ることはないからわからないな」
「いつもは外に出ないんですか?」
まあ無理もないか。俺は剣豪士だけど任務としては亜鬼退治。
特定の場所にしか移動しないから人のいる地区には近づかないことが多い。
「剣豪士は亜鬼の出現場所が分かり次第直行だから町の風景を見る暇は無く、救助が最優先だからね」
「私の場合は任務よりも配達依頼が多いのでセイと話しながら観光的なことしてるんですよ」
……ん?
「セイって話せるの?」
「いえ・・・私が魔獣の声を聞こえるんです。」
確か魔力が一定以上行くと魔獣と会話ができるって話を聞いたことが…
「カンナって魔力量どれぐらいあるの?」
「フフ…内緒です」
いっぱい持ってるんだろうな・・・自信満々だったし。
「一応見ていきますか?」
「まあイータータイムまでに戻れればいいから少しぐらい平気か・・・」

しばらくすると情報局の入口の前についた。
「すみません!あの…魔導院の討伐隊の方ですか?」
「え?討伐の任務じゃないけど・・・」
「はい。違います。どうかしたんですか?」
入口の前でそわそわしていた従業員の一人らしき青年から呼び止められた。
冷や汗を掻いていて冷静とは微塵も感じられない真っ青な顔であった。
「そうですか。通報して一分もかかる前に到着ないですよね。」
「え?何のこ------
ピーッ……ピーッ……ピーッ……ピーッ
亜鬼警報機が反応した?
「この音は亜鬼警報機?数値は一㌔以内!?」
「なんでそんなに近くに?まだイータータイムは……」
ピロリン……
「今度は魔導院から無線が入ったわ」
「(郵便局近くにいる戦闘可能なA級所持者の者は至急郵便局内に出現した亜鬼を殲滅してください。尚、その他の者は住民と共に非難を始めてください。)」
「A級!?なんでだよ!俺には用無しか?」
「冷静になってください。なぜイータータイムでないのに亜鬼が出てきて、しかもA級所持者なのでしょうか?」
確かにそうだが、いきなりすぎるだろ。
でも戦闘可能だ。カンナにうるさく言われて準備したからな。
ありがたいぜ。これで戦える。
「ちょっ・・・カズさん!そっちは違いますよ!早く逃げますよ!」
「違くない…」
「えっ!?」
「違くない。俺は戦場に行く。そして戦う。」
「いや…だめですって。足を引っ張るだけですよ?」
「絶対に俺たちのほうが早く対処できる。」
「そういう問題じゃ…」
「救助するためなら問題ないだろ?」
「まあ距離的にあと坂を下ってすぐですが、危険を伴いますよ?」
「あの・・・」
討論中に情報局の青年が話に割って入ってきた。
「実は先ほど月食が確認されたようです。」
「「え!?」」
声が重なったがそれはどうでもいい
「あと二十分ほどで月食開始。もしもそれが本当なら第二回亜鬼魔導院大戦になりうるかもしれません」
・・・ますますわくわくしてきた・・・
「か・・・カズさん!やはり行くのですか?」
「あぁ・・・」
「なら私もご一緒させてもらいます。こういうときには仲間が多いほうがいいでしょう?」
「助かる。」
今の俺はわくわくしながらこの状況にいるようだ。

こんな歴史的な戦いに挑むことができるからな。
お父さんもこんな心境だったのかな…。
「とりあえず戦闘準備は出発時に用意してあるので問題ないですね。しておいてよかったです」
「えっと…自分はリクと申します。情報伝達係としてあなた様方のバックアップを任せてもらえないでしょうか?」
「お願いしますリクさん。私はカンナといいます」
「あぁ俺はカズだ。よろしく」
でもリクの方が先輩なんだよな。年上だし。でもタメ口。
リクさんは魔導院の中でとても成績優秀なので顔は知っていた。
ここで仕事していたのか。
「じゃあ私はセイと一緒に先に偵察してくる。」
「えっと、通信方法は科学院の無線を使ってください。広い範囲で回線可能です。数値は18,223で」
「「了解」」
カンナが偵察している間、俺は情報局の方で作戦の大まかな説明を受けた後、局を出て行った。
しばらく隠れながら移動して遠くに小さく見える郵便局の方を見たら、
黒い炎が立ち上り空をつつむように膨らんで郵便局を覆っている。
「(こちらカンナ。亜鬼と遭遇。至急応戦願います。・・・キャァッ…プツッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)」
「(カンナ?)」
「(こちらリク。カンナさんとのコンタクトが切れました。カズさんはカンナさんの位置に向かってください。郵便局外広場です。)」
「(了解!!)」
やはりイータータイムが始まったらしい。月食の時間でもないのにどうしたんだ?
あと・・・十五分はあるのにもう亜鬼が出ているのか?
がさっ・・・
ん?
素早く音を聞き取り運動神経を凌駕した反射神経と緊急時の緊張から慌てて後ろを振り向くと…?
そこにはなにもないが誰かいたはずだ。
恐れている時間が惜しいので、すぐさま外広場に向かう。
!?
そこにはセイを守ろうと抱えて倒れているカンナの姿があった。

誰かからの襲撃を受けた形跡はなく、殺気も感じられない。

ただカンナがセイをかくまっているのは疑問に感じた。

無線の方では悲鳴も出したし…!?

なにかが浮かんでいる。

そっとカンナのほうに歩みを進めた。

敵だったらまずいので気づかれないように慎重にだ。

運よくその浮かんでいる何かの視線は逆を向いている。

そしてカンナの近くに浮遊状態の茶色いネコのような魔獣(?)がいた。
こちらに気づき、ゆっくりと近づいてきた。
(ニャァ~ニャァ~ニュゥ~)
か・・・可愛い。
だけどここの案内魔獣だろうか、そしたら非難を誘導しなくちゃ。
「まって・・・。」
カンナが目をつぶったままか弱い声で呼び止めた。
「私は…今この体を使って声を出しています。亜鬼の王の娘です。」
!?
「亜鬼の?マジ?」
カンナが気を失っているが、声を出している。
それはこの目の前にいる魔獣の姿押した亜鬼の王の娘が操っているらしい。
「それで頼みごとなんですが・・・」
「どうぞ?」
なんて言ってしまった。
「あなたの体を貸してください。」
「は!?」
そんなの無理に決まってる・・・。
なにをされるか分からないし、
なにせ今は危険ではないよう振る舞っているが亜鬼の王族だろ?
どんな力を使うのか明確じゃないし。

「唐突すぎました。私はミルキーといいます。現在父の意向により戦争目前でした。私も参加しようとする途中強力な魔力を持った魔導士により、力を抑えられて魔獣のような姿になっています。
その魔導士は私にもうすぐ始まる月食は二分も立たずに終わると言われました。
そして調べた結果、その状態は今から始まる月食は太陽が原因ではなく太陽の周りを公転する彗星のため、
月食は二分程度で終わることが分かり、あなたの体に眠っている魔力を使うことができれば父の誤解を解きに行くことができるのです。」
「誤解を解けなければまた人間も亜鬼も無駄な死者を出すことになります。なので亜鬼側がとめられれば戦争の動きも消えるはずで、すべてはあなた次第です。」
そしてカンナは体を動かし、目を開けてこうつぶやいた。
「あたしよりも魔力量が大きい人が近くにいると聞いてその人ならこの戦争の終止符を打てる。その小さな亜鬼が私に教えてくれたの。」
だから一芝居していたのか。
「すこし気を失ってもらいましたが・・・」

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