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好奇心を満たし、幸せを求めていたら、囚われの身になっていた。
でも愛し合うって、気持ち良いことだよね?
剥き出しの素肌を重ねれば、至上の快感に昇り詰め、甘美な夢に誘われ眠りに落ちる。
「君は本当は男なんだろう?」
「そうよ。だけど貴方はそれを承知で、ここに来たのでしょう?」
「そうだが、信じられない」
ここは監獄よ。罪人を封じた、小さな箱の中。
私は囚人。甘美な囚人。見知らぬ男の欲望を満たすために、一時の奉仕をする。
犯した罪の償いに、私は少女の体になった。
「さぁ、カードを引いて」
「引いたよ。これはどういう意味だい?」
「クラブの5、残念。“はずれ”ね」
貴方が引いたカードをめくり、貴方と私の時間が始まる。
永い時間の中から切り取られた、私の贖罪の時間。
日付が変わるまで赦された、二人の甘美な夢の時間。
「“はずれ”ってことは、これでもう終りってこと?」
「いいえ違うわ。することは一緒なの」
「じゃあ、触っても良いんだね」
カードは貴方のステータス。
引いたカードで私の運命が決まり、貴方への思いが変わる。
でもいいのよ。触れても、抱き寄せても、キスしても、その先も。
明かりを落とした部屋の、二つの人影が重なりひとつになる。
貴方が罪を犯す前に、私が貴方を浄化する。
それが囚人の私に課せられた贖罪。
私は処女のように恥じらい、貴方を惑わせる。
顕わになった、白い小さな体が赤く染まり、情欲を掻き立てる。
その気が無くてもその気にさせる、処女で娼婦の私の艶技。
「なんて気持ちが良いんだ」
「この体は作り物。だからそういう風に出来ているの」
「とても作り物には思えない」
でも、私と貴方が感じる快感は、本物よ。
触れれば触れるほどに燃え上がり、求めれば求めるほどに熱く滾(たぎ)る。
私はそのために、体を作り変えられた。
「癒しの時間は終わり。さようなら」
「いまさらなんだけど、君、名前は?」
「名前……? そんなこと聞いたのは、貴方が始めてだわ」
肌を重ねてセックスするだけの人形に、そんなもの必要ないでしょう?
あなたの好きに呼べばいいわ。
罪を背負った体が浄化されるまで、私は同じ一日を過ごす。
クラブ、ダイヤ、ハート、スペード、ジャック、クイーン、キング、エース……。
私の体の上を、沢山のカードたちが通り過ぎて行く。
だけど、私を自由にしてくれる切り札は現れない。
隣に住んでいたお姉さんが、教えてくれた初めての体験。
僕も、お姉さんもあんなに気持ちよかった。
だから僕は知りたかったんだ。
クラスのあの子も同じかな?
街で声を掛けた、この子はどうだろう?
背が高くても低くても、やせていても太っていても、幸せになる気持ちは同じかな?
「酷いわ、体だけが目的だったのね」
「でも気持ちよかっただろう?」
「私は貴方に裏切られたわ」
君だって、あんなに気持ち良さそうだったじゃないか。
わかったよ、君は嘘をついているんだね。
もっと沢山の人に確かめてみるからいいよ、さようなら。
けれどそれを確かめてはいけないなんて、僕は知らなかった。
黒い制服を着た男の人がやってきて、黒い手枷を僕につけた。
僕が自分で、答えを知ることが出来る様に。
僕は私になり、見えない鎖でつながれた。
法の外で法を犯す、囚人の贖罪。
いつ終わるとも知れない、無限にめくり続けるページの様に。
「君の懲役はこれで終わり」
「終わりって、どういうこと?」
「君はもう自由だって事さ」
ある日やってきた制服の男が言った。
彼の引いたカードは、“JOKER”……これが私を解放する切り札なの?
私の手は震え、何が起こるのかと、期待した。
「自由になったら、元の体に戻れるの?」
「それは出来ない。再犯を繰り返さないように、君の体はそのままだ」
「自由になった私は、どこへ行けば良いの?」
償いが済んでも、私の体は私のまま。元には戻れない。
帰るべき場所も、行くべき場所も無い。
私はカードを山に戻し、別のカードを引く。
「“はずれ”、クラブの5ね」
「おい、君は……」
「さぁ、ベッドへどうぞ。これが私の宿命なの」
私の罪が赦されたと言うのなら、今からはもう私の時間。
贖罪の行為は、欲望の行為に再び還る。
そして私は、また罪を犯す。人々に罪を犯させる、罪人に。
さぁ、私に触れて。
私を抱きよせて。
私にキスして。
そして、ひとつになりましょう。
でも愛し合うって、気持ち良いことだよね?
剥き出しの素肌を重ねれば、至上の快感に昇り詰め、甘美な夢に誘われ眠りに落ちる。
「君は本当は男なんだろう?」
「そうよ。だけど貴方はそれを承知で、ここに来たのでしょう?」
「そうだが、信じられない」
ここは監獄よ。罪人を封じた、小さな箱の中。
私は囚人。甘美な囚人。見知らぬ男の欲望を満たすために、一時の奉仕をする。
犯した罪の償いに、私は少女の体になった。
「さぁ、カードを引いて」
「引いたよ。これはどういう意味だい?」
「クラブの5、残念。“はずれ”ね」
貴方が引いたカードをめくり、貴方と私の時間が始まる。
永い時間の中から切り取られた、私の贖罪の時間。
日付が変わるまで赦された、二人の甘美な夢の時間。
「“はずれ”ってことは、これでもう終りってこと?」
「いいえ違うわ。することは一緒なの」
「じゃあ、触っても良いんだね」
カードは貴方のステータス。
引いたカードで私の運命が決まり、貴方への思いが変わる。
でもいいのよ。触れても、抱き寄せても、キスしても、その先も。
明かりを落とした部屋の、二つの人影が重なりひとつになる。
貴方が罪を犯す前に、私が貴方を浄化する。
それが囚人の私に課せられた贖罪。
私は処女のように恥じらい、貴方を惑わせる。
顕わになった、白い小さな体が赤く染まり、情欲を掻き立てる。
その気が無くてもその気にさせる、処女で娼婦の私の艶技。
「なんて気持ちが良いんだ」
「この体は作り物。だからそういう風に出来ているの」
「とても作り物には思えない」
でも、私と貴方が感じる快感は、本物よ。
触れれば触れるほどに燃え上がり、求めれば求めるほどに熱く滾(たぎ)る。
私はそのために、体を作り変えられた。
「癒しの時間は終わり。さようなら」
「いまさらなんだけど、君、名前は?」
「名前……? そんなこと聞いたのは、貴方が始めてだわ」
肌を重ねてセックスするだけの人形に、そんなもの必要ないでしょう?
あなたの好きに呼べばいいわ。
罪を背負った体が浄化されるまで、私は同じ一日を過ごす。
クラブ、ダイヤ、ハート、スペード、ジャック、クイーン、キング、エース……。
私の体の上を、沢山のカードたちが通り過ぎて行く。
だけど、私を自由にしてくれる切り札は現れない。
隣に住んでいたお姉さんが、教えてくれた初めての体験。
僕も、お姉さんもあんなに気持ちよかった。
だから僕は知りたかったんだ。
クラスのあの子も同じかな?
街で声を掛けた、この子はどうだろう?
背が高くても低くても、やせていても太っていても、幸せになる気持ちは同じかな?
「酷いわ、体だけが目的だったのね」
「でも気持ちよかっただろう?」
「私は貴方に裏切られたわ」
君だって、あんなに気持ち良さそうだったじゃないか。
わかったよ、君は嘘をついているんだね。
もっと沢山の人に確かめてみるからいいよ、さようなら。
けれどそれを確かめてはいけないなんて、僕は知らなかった。
黒い制服を着た男の人がやってきて、黒い手枷を僕につけた。
僕が自分で、答えを知ることが出来る様に。
僕は私になり、見えない鎖でつながれた。
法の外で法を犯す、囚人の贖罪。
いつ終わるとも知れない、無限にめくり続けるページの様に。
「君の懲役はこれで終わり」
「終わりって、どういうこと?」
「君はもう自由だって事さ」
ある日やってきた制服の男が言った。
彼の引いたカードは、“JOKER”……これが私を解放する切り札なの?
私の手は震え、何が起こるのかと、期待した。
「自由になったら、元の体に戻れるの?」
「それは出来ない。再犯を繰り返さないように、君の体はそのままだ」
「自由になった私は、どこへ行けば良いの?」
償いが済んでも、私の体は私のまま。元には戻れない。
帰るべき場所も、行くべき場所も無い。
私はカードを山に戻し、別のカードを引く。
「“はずれ”、クラブの5ね」
「おい、君は……」
「さぁ、ベッドへどうぞ。これが私の宿命なの」
私の罪が赦されたと言うのなら、今からはもう私の時間。
贖罪の行為は、欲望の行為に再び還る。
そして私は、また罪を犯す。人々に罪を犯させる、罪人に。
さぁ、私に触れて。
私を抱きよせて。
私にキスして。
そして、ひとつになりましょう。
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