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チェンジ・ライフ・ラプソディー2 (22)

作.エイジ

『サッカー部・部室』
 そう書かれた扉を開け、部屋の中に入る。中には一人の男が当たり前のように立っていた。
 本来ならこの時間帯、部員は皆練習していて部屋には誰もいないはずなのに、だ。
 だけど俺はそれを不思議には思わない。むしろこの場にいなくてはいけない人間だから。
「よっ」
 片手を上げて軽く挨拶。
 すると相手も、
「よう」
 と軽い感じで返してきた。
「………で。お前相手に俺は何をすればいいんだ? ぶっ飛ばせばいいのか?」
 持っている竹刀をビシリと突きつける。
 相手は両手を上げて『降参』のポーズを取りながら、
「勘弁してくれ。俺がお前相手に殴り合いで勝てるわけないだろ?」
「そうでもないぞ?」
 本心からそう思う。今の俺ではきっと力でねじ伏せられてしまうに違いない。
 だけど相手は首を振って、
「いやいや。勝てないだろ。―――まして今のお前相手じゃな」
「………どういう事だ?」
 首をひねって俺は相手―――勇助に問いかける。
 だけど勇助は、
「気にするな。さて、それじゃあ一番の難関―――つーかラスボス?―――な鷹野ちゃんの居場所は………っと」
「まてまてまて! ちょっとまて!!」
 俺は慌ててストップをかける。
 すると勇助は顔をしかめて、
「なんだよ」
「『なんだよ』じゃねーよ! これで終わりかよ! もっとこう………なんかないのかよ!?」
「ねえよ」
 ないのかよ!
「それに俺だって忙しいんだ。お前に長く構ってる暇はない」
 うーわ。バッサリ言い切りやがったよ。この野郎。
「だから、これで終わるなよ! それに雪緒達はどうしたんだよ!?」
 ラスボスである鷹野の前に、まだ雪緒達が残ってるだろうが。
 だけどそれに対して勇助は、
「何度も言わせるなよ。俺からはこれでおしまいだ。雪緒ちゃん達はリタイヤだと。『言いたい事は言った』だってさ」


『私達は先輩が男女どちらでも変わりませんから。だから先輩は自分が満足する方を選んでください』


 雪緒のその言葉が脳裏にリフレインする。
「………」
「わかったか? それじゃあ鷹野ちゃんの居場所は―――」
 すっ………と勇助は上を指差し、
「屋上だ。ま、定番だよな」
 定番ねえ………。確かに定番といえば定番かねぇ………。
 俺が鷹野の居場所を理解したと見るや勇助は、
「じゃあ俺はそろそろ部活行くから。だからお前も早く行け。つーかぶっちゃけ邪魔だから早く出ていけ」
「………はいはい」
 勇助の言い分に俺は肩をすくめ、俺は扉に手をかけ、そして、
「お前だけは何があっても変わらないんだろうな」
 俺の言葉に勇助は鼻を鳴らし、
「当たり前だろ」
 俺は笑って出て行った。

<つづく>

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